当初の計画だったバルサBの昇格プレーオフには参加しない
ファーストチームは選手層が薄く、リスク回避のためにクラブが決定
最近のバルサ観戦における楽しみの大きな部分は、躍動するカンテラーノたちです。これまでクラブを支えてきた重鎮選手たちは、変わらず中心軸を担っているものの、もう彼らだけでは先は見えない。ラ・リーガを獲り逃した終盤戦での希望が、カンテラーノたちの活躍でした。
一方でバルサBの昇格プレーオフに彼らを送り出せないチーム事情。クラブはアンスとリキにチャンピオンズを優先させる決定をしました。
ファーストチームの戦力となったカンテラーノたち
選手たちとの関係が上手くいっていないと言われるキケ・セティエンと彼のスタッフたち。給水ブレイク中の映像は切ないものがあります(そう思ってみているだけに余計に)。
しかしセティエンはもしこのまま無冠でシーズンを終えたとしても、3人のカンテラーノをファーストチーム(プリメール・エキポ)に引き上げた監督としては後世に名を残すでしょう。
アンス・ファティを抜てきし、いくつかの最年少記録達成へと導いたのは前任者エルネスト・バルベルデですが、リーガ再開後にアンスだけでなくリキ・プッチとロナルド・アラウホも起用し続けたのはセティエンの功績。
アンスは17歳のデビュー年にして上出来の8ゴール/1アシストで、リキは初年度ではティアゴ・アルカンタラ以来となるリーガでの2アシストで起用に応えています。
ロナルド・アラウホもしっかりと第3セントラルの勤めを果たしており、来季のファーストチーム昇格は確実です。
アンスとリキの重要度が増したことは、現在セグンダA昇格のためのプレーオフを戦っているフィリアル(Bチーム)への彼らの合流が見送られたことからも窺えます。
すったもんだの末に、助太刀としてBチームに戻るのはアラウホのみ。ファンとしてはフィリアルには是非とも昇格を果たしてほしいだけに、複雑なところではあるのですが・・・。
昇格プレーオフに挑戦中のバルサB
ガルシア・ピミエンタ率いるバルサBは現在、アンダルシアにて開催中のセグンダ・ディビシオンAへの昇格プレーオフを戦っています。
先週日曜日に行われたバジャドリー・プロメサスとの第一ラウンドは、接戦の末に3-2で勝利。
次は木曜日(23日)にバダホスとの第2ラウンド(会場はエスタディオ・ヌエボ・ミラドール・デ・アルヘシラス)をプレーします。これに勝てば26日(日)の昇格決定戦!
あと2勝で念願のセグンダA復帰です。
結局アンスとリキはBチームに行かず
ピミエンタにとっての悲報は、その重要な2試合にアンス・ファティとリキ・プッチの力を借りられないことです。
プレーオフが決まった当初、というか昨日の段階でも、このプレーオフにはファティらも加えたフルメンバーで挑むような計画になっていました。ラ・リーガが終わり次第、ファティとリキはマラガに駆けつける予定だったのです。
しかしクラブ内での議論の末、チャンピオンズのために彼らを“温存”するべきだと考える一派の意見が取り入れられ、2人はファーストチームに残る。マラガに向かうのはアラウホとポルテーロのアルナウ・テナスのみとなりました。
セティエンは決断に口出しをしないと語っていましたし、クラブ決定だそうです。
スカッドが薄い
この決定に影響を及ぼしたのが、スカッドの手薄さなのは間違いないです。
まず中盤はセルヒオ・ブスケツとアルトゥロ・ビダルがナポリ戦を出場停止になるので、起用できるのがラキティッチ、デ・ヨング、セルジ・ロベルトしかいなくなってしまう。アラベス戦で招集外にした理由の説明すらないアルトゥールはもう使う気がないでしょう(どうせ)。
前線はグリーズマンが戻ってくるとしても、レオ・メッシとルイス・スアレスしかいません(ブライスウェイトはチャンピオンズ未登録)。
そりゃあアンスとリキ・プッチは要りますよね・・・
戦力が必要な時はフィリアルを見る、それは正しい。しかしフィリアルの重要局面で彼らを送り出せないのはもどかしい。
セントラルにしても、ウンティティが間に合うかどうかは不透明で、ピケと先日のアラベス戦にてそけい部に違和感が発生したラングレしかいないのですが、バルサBではチュミが6月30日で契約満了となり、クエンカとミンゲサだけという厳しい台所事情・・・ それで第4カピタンでもあるアラウホが助太刀する模様です。
バルサBは冬のマーケットでカルラス・ペレス、アベル・ルイス、アレハンドロ・マルケスら前線を大放出していて、先のことを本当に考えてるのか疑わしいスカッド計画が際立っています。
そんなこんなで、プレーオフ出場による怪我のリスクを考慮すると、アンスたちのバルサB助っ人作戦は却下されたと。チャンピオンズでカンテラーノたちが見られそうなのは嬉しい一方、スカッド計画へのもやもやした感情もあってスッキリしない夏です。
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