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スアレスのアトレティコ入り目前:“放出作戦”完了へ

二転三転したルイシート放出話がいよいよ決着へと向かう
必須だった選手放出が完了すれば、次は補強オペレーションへ

FCバルセロナが2020年夏に取り組んできた“放出作戦” Operacion Salida がようやく完了しそうです。コロナウイルス感染拡大によって大幅に収入が減少したことで、補強をするにもまず給与総額の削減と選手売却によるキャッシュ獲得が必須に。ラキティッチビダルスアレス、そしてセメドの放出によってマーケットで新戦力を集める準備が整ったバルサです。

最重要課題だったサラリー支出削減

「買う前に、売らねばならない」。
これは毎夏のバルセロナのマーケットテーマですが、この2020年は特に大々的な選手放出が求められました。
例年と違っているのは、若手の人気銘柄を売ってユーロを稼ぐことよりも、ベテラン高給選手をただ同然でも放出することによるサラリー支出削減が目的となっていること

コロナウイルス危機によってバルサは、当初2020/21シーズンに目論んでいた予算案を3億ユーロ以上下方修正せざるを得なくなり(11億2,000万ユーロから8億ユーロへ)、それに伴って選手たちのサラリーの占める割合が、ラ・リーガの定める限度ぎりぎりまで増加してしまうからです(MDによると65%~70%に達する)。

サラリー支出がクラブ収入の70%を超えてしまうと、リーガへの選手の新規登録が認められなくなる(MD)。UEFAの定めるファイナンシャルフェアプレーに引っかかる危険も出てくる。

そういった理由から、理事会は必死になって高給ベテラン選手の放出に取り組んできました。サラリー支出減が最重要課題。そこを解決しないとどうにも前進できない。
もしレオ・メッシを手放すのであれば、この問題は一挙に解決するのですが・・・ そうもいかないので絶対放出要員として選ばれたのがルイス・スアレスイバン・ラキティッチアルトゥーロ・ビダルです。
チームの若返りは、おまけみたいなものでしょう。

そしてキャッシュ獲得のための放出要員が、ネルソン・セメドとなります。

スアレス放出話も最終話へ

それだけ是が非でもルイス・スアレスを出さねばならないのであれば、何故もっとスアレス(バルサ歴代得点ランキング3位)を表門から送り出す方向で準備をしてこなかったのか・・・ とバルトメウ一味の敬意のなさに幻滅しますが、二転三転しつつもスアレスを巡る夏のメロドラマは最終話を迎えようとしています。

有力と見られたユベントス移籍が、パスポート取得問題で立ち消えとなったのが9月20日。
そこに注意深く様子をうかがっていたアトレティコが現れ、スアレスとの個人的合意を取り付けたのが21日。

しかしアトレティコの獲得条件が移籍金の発生しない自由移籍だったために、ライバルクラブへの無料での進呈はさすがに無理と バルトメウが交渉にブレーキを掛け、三者は数時間のにらみ合いに入ります。

しかしながら、バルサはどうしてもスアレスを放出してサラリー支出を減らさなければならない。立場は弱いので選手やアトレティコとの話し合いに応じる以外に手はなく、バルトメウが交渉に乗り出した結果、形ばかりの金銭補償(移籍金はゼロ、ただしアトレティコの成績ボーナスで200万ユーロ?合計400万ユーロ?を得る)で合意になった次第です。

無料じゃない、ので最低限の言い訳は立った。あとはスアレスがOKを出せば三者間での合意成立となります。

アルトゥーロ・ビダルはインテル移籍

前日にはアルトゥーロ・ビダルのインテル・デ・ミラノ移籍が公式発表されています。
クラブ発表によれば、こちらも移籍金はゼロで、変動額が100万ユーロの大サービスオペレーション。
獲得時の移籍金が2,000万ユーロだったので、まあ元は取れているのでしょうが、インテルは良い買い物をしました。

入団直後は、出番の少なさに不満を漏らしたりもしたのが懐かしい。でもその後の働きぶりはさすがでしたし(96試合出場、11得点10アシスト)、レオ・メッシとの関係も良かったので、これからレオはまた寂しくなります。
記憶に強く刻まれた選手。2年間ありがとう、ミラノでも幸運あれ。

あとはルイス・スアレスの移籍が公式発表されれば、高給ベテラン選手3人の放出作戦は完了です。

キャッシュ獲得要員、セメドは英国へ

そしてもう1人、“放出作戦”のキャッシュ獲得要員としてバルサを去るのがネルソン・セメドです。ベテラン3人はサラリー支出の削減が目当てでしたが、セメド放出は次なる補強の資金調達(ならびに収入増によるサラリー比率の低下)を目的とします。

移籍先は英国のウォルバーハンプトン・ワンダラーズ。
FCバルセロナは23日、3,000万ユーロ+1,000万ユーロの移籍金で合意した旨を発表しています。
これに伴い、後任となるデスト(アヤックス)やエリック・ガルシアの獲得が成されることでしょう。

定着しない補強選手たち

それにしてもだ、ここ数年で獲得してきた選手たちが、次々に売られてチームを去って行くこの現実。
2016年夏の唯一の成功補強と言われたウンティティもいまや戦力外で、去年連れてきたトディボジュニオル・フィルポも売られそうだし、残るのはフレンキー・デ・ヨングネトラングレグリーズマンデンベレ、そしてコウチーニョだけというね・・・

フレンキーとラングレは主軸として残していくでしょうが、他の選手たちはどうなりますやら。

成功年だった2014年夏入団も、テル・ステーゲンだけになり。
その間に育っているべき、チームの軸となるカンテラーノもいない。
そりゃあ メッシにプロジェクトがないと見切られますよ。

 

コメント

  1. silver より:

    やや故障がちになっていたとはいえ、ゴール以外の働きでも貢献したスアレスを無料同然でリーガのライバルチームに譲り渡すなんて気が知れません。
    これは、今シーズンアトレティコ戦でスアレスに決勝ゴールを許す気がして来ました…

    ビダルにしても、プレミアリーグの様なフィジカルとスピードに長けたチームとの試合でオープンな展開になったら誰が闘うのか…

    シーズン始まってもいないのでクーマンを批判するのは良くないですが、とりあえずバルトメウはいい加減にして欲しいです。

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