久々の試合出場で意欲的にプレーした模様。
ルイス・スアレスの2ゴールを決めての快勝に、ピッチサイドで試合を見つめたルイス・エンリケ監督も大満足― クレとしましてはそういう光景が、これから何度も実現すれば良いなと願うばかりですが、とりあえずそれに向けての一歩となったのが、昨日(木曜日)夕方のトレーニングでした。この日トップチームはFIFAウィークによるパロン(リーガ中断)を利用し、バルサBとの合同練習を実施。ウワサの練習試合も行われ、ウルグアイ人デランテロがきっちりネットを揺らしたのでありました。
「彼はチームに多くをもたらすだろう」
この試合については、公式サイトでは“バルサBとの合同セッションがあり、それを活用しての練習試合が行われた。このトレーニングはルイス・スアレスやドウグラス、そしてテル・ステーゲンらが実戦のリズムを得るのに役立った”程度にしか記載はありません。実にあっさりしたもので、メディアがしきりに報じているから一応書いた、といった雰囲気です。
トレーニングは非公開につき、試合内容も一般ファンには知る由もないのですが、SPORT紙によりますとプレー時間は前後半各30分の60分間。トップチーム選手を中心に編成された方のチームが、5-1で勝利を収めています。うち、2得点がルイス・スアレスによるものです。
もちろん、負ければ悔しいにせよ練習試合なので結果に重要性はなく、大事なのは選手たちが好い感覚を掴み、手応えとともにロッカールームへと引き上げることにあります。その点で昨日のゲームは意義があったようで、SPORT紙によれば、チームのある中心人物が「彼は僕らに多くのものをもたらしていくだろう」との感想をもらしたのだとか。スアレスの代名詞ともいえるゴールへのハングリーさだけでなく、毎日のトレーニングでの激しく真摯な取り組み方やこのゲームでの意欲的かつ周りを活かしたプレーが、周囲にそういう印象を与えている模様です。
全てが自分ひとりのためではないにせよ、こうした試合出場の機会を監督たちが提供してくれるのは、スアレスへの厚い信頼と期待があるからに他なりません。ウルグアイ人デランテロには今後、少なくともあと2回は同様の機会が与えられるそうです。スアレス本人も処分終了直後のベルナベウクラシコに可能なかぎり良好なフォームで臨めるよう、全力で準備をしてくれましょう。今回はその大事な一歩になります。
選手であると実感できる喜び
そのルイス・スアレスのコメントがSPORT紙に掲載されています。「事実、試合に出られないってのはすごく苦しいんだ。僕はたくさんの試合に出場停止になったし、今もまだ何試合かが残っている。ピッチの外で何も出来ずにいるのはとても苦しく、無力さを感じる。やれることといったら話して叫ぶことだけだけれど、それは受け入れないといけない。試合に出場できないのであれば、そうしてチームメイトを支えることが仕事だからね」
「フットボル選手にとっては、トレーニングに行くぞって言えないのは厄介なことさ。奇妙な感覚になるんだ。だからチームトレーニングに戻れたことで、僕は再び自分がフットボル選手だと感じられた。チームメイトたちと毎日一緒にいて仕事をすることが、僕には出来なかったからね」
トレーニングに参加できるようになり、練習試合もこなし、これから10月末が近づくにつれ、スアレス周辺は特殊な期待感が渦巻いていくでしょう。不幸中の幸いといいますか、そんな環境にはよく慣れているとデランテロは言います。「イングランドでも経験したことだから、僕は落ち着いてるよ。そういうのは引き受けているし、その手のプレッシャーのなかで、多くの注目を集めながらプレーをするのは慣れっこなんだ。今はさらに世界最高のチームにいるわけだから、僕への注目度はさらに大きくなるだろう」
頼もしき哉、と思っておきます。最後、自分のプレースタイルに関しましては、「僕はじっとしているタイプのデランテロじゃない。動き回るのが好きなんだ」とのことです。
アドリアーノにとっても大事な一歩
そして重要な一歩といえば、プレシーズン開始時のメディカルチェックで心調律異常(いわゆる不整脈)が見付かり、以来、調整を続けてきたアドリアーノ・コレイアも久々の試合出場。彼はすでに医療部からの出場許可は下りていますので、近々公式戦への出場もありそうです。ちょっと早いですが、おかえりなさいアドリアーノ。
また現在は別メニューで調整中のレオ・メッシ、アンドレス・イニエスタ、トーマス・ベルマーレンですが、このまま順調に事が運んでいけば、彼らもそろそろ出場許可を受けられるだろうとのこと。パロンの後は強敵アスレティック戦、そしてチャンピオンズ開幕ですから、どうか代表選手たちが痛むことなく無事に帰ってきますように!
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