長期離脱のピケに代わって、キエフでデビューを飾った21歳セントラル
好パフォーマンスを見せ、このままチームに残れそうな様子
ジェラール・ピケの負傷によって毎年恒例セントラル危機が訪れ、さあどうしたものかと思案するクーマン監督に希望の光が差しました。抜てきしたバルサB選手 オスカル・ミンゲサ(21)が期待に応え、戦力になり得る力があることを示したのです。ファーストチームのピンチを育成部門が助ける。怪我の功名となることを願います。
キエフで機会を活かした
エリートの世界で成功するために、スポーツ選手が必要とするものは幾つかあります。才能・資質は不可欠。ハードワークも欠かせない。チャンスが訪れる、これも重要です。序列の5番目で、上位4人がずっと元気とかだと出番は回ってこない。運も味方にせねばなりません。
そして予期せぬ出番が訪れた時に、自分のベストを出せるメンタルの強さ。
今回のオスカル・ミンゲサの例を見ていると、いつ“その時”が来ても良いように準備を整えておくことの大事さが分かります。ピケ離脱ショックから3日後のキエフ遠征ですから。
日本ではチャンピオンズの放送がないので(怒)ミンゲサのプレーはYoutube動画などに頼るしかないのですが(Oscar Mingueza vs kiev とかで検索)、なかなかに当たりの強さやパス供給で存在感を出しています。
0-2の得点の際には、アラニャーのコーナーキックをニアポスト前でフリックしてブライスウェイト弾をアシスト。93本のパスのうち86本を成功させ(うちロングパス2本)、パスカット5回、ボール奪回3、ファール3回・被カード0と数字も上々です。
守備的な数字はもちろん、パス供給能力の高さを評価されているミンゲサ。相棒のラングレ(18本)は当然のこと、ピアニッチ(13)、デスト(12)、トリンカオ(12)、アラニャー(8)へもボールを送り届けています。
100% ラ・マシア育ち
オスカル・ミンゲサとは何者か。バルセロニスタとして嬉しいのは、2007年にベンハミンBで入団してからファーストチームデビューを果たすまで、バルサ一筋で育ってきた“真カンテラーノ”である点です。生まれはもちろん、カタルーニャ州バルセロナ県。
全ての育成カテゴリーを経験し、ファーストチームへと到達した純ラ・マシア産選手ではこれまでに3人いました。歴史的な第一号は2011年のマルティ・リベロラ。そしてセルジ・サンペルとカルラス・アラニャー。純ラ・マシア産選手のファーストチーム定着はクラブの悲願ですから、アラニャーとミンゲサには頑張ってほしいです。
2017/18シーズンにはガルシア・ピミエンタ率いるフベニールAでUEFAユースリーグ制覇。つまりはリキ・プッチ、アレックス・コリャド、モンチュらと同世代ですね。同い年のセントラルではチュミやホルヘ・クエンカ(どちらも現アルメリア)が先行していましたが、ようやくミンゲサの番となったわけです。
入団14年目、バルサBで3シーズン。分からないものだ。
週末のオサスナ戦でも
さてそのチャンピオンズがファーストチームデビュー戦となったオスカル・ミンゲサは、今週末のラ・リーガ第11節オサスナ戦でも出場機会を得るだろうと予想されます。
バルサのセントラルはジェラール・ピケが右膝の靱帯を傷めて長期離脱、サムエル・ウンティティはまだ医療部からプレー許可を受けておらず、ロナルド・アラウホの回復もあと2週間ほどを要する。フレンキー・デ・ヨングの配置換えも選択肢のひとつですが、普通にいけばミンゲサの続投でしょう。デ・ヨングの位置を下げずに済むのは大きい。
クーマンもキエフ戦後に「オスカルが日曜日にプレーする可能性は大きい」と認めています。
ロナルド・クーマンはここまで実績主義を採用し、若いアンス・ファティやペドリを先発として起用してきた監督です。その事実はミンゲサにとっても励みになると思う。数ヶ月後にピケが戻ってくる時には、もうポジションは埋まってるんですよね・・・くらいのことになっていても良いですよ。
指揮官はこうも述べています。
「もっと試合に出ることが出来る。私たちが彼を数に入れられることを、彼は示したからね。出場時間を手にするためにハードワークすべきだけれど、彼は私たちに良い印象を与えた。この数週間は私たちと良いトレーニングをしている」
今度は、放送のあるラ・リーガで試合に出てほしい。楽しみです。そして冬マーケットで数合わせの補強が不要となりますように。ファーストチームの穴はフィリアルで埋める。バルサはそうあってほしい。
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