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財政難なのに補強に精力的な2022年夏:スローガンは「私たちはバルサだ!」

FCバルセロナの精力的な補強が続いています。ラフィーニャレバンドフスキに続いて獲得目前と言われているのが、セビージャのフランス代表セントラル、クンデ。お金がないくせにド派手な投資を繰り返しているわけですが、その背景にはラポルタの熱意があります。バルサは最高級の選手を集めなければならない。そうしてクラブの復活を目論む会長です。

積極投資で復活を目指す

1週間前には無理めだと見られていたジュレス・クンデの獲得が、どうやら現実のものとなりそうです。

ラフィーニャを5,800万ユーロで、レバンドフスキを4,500万+変動額500万ユーロで、さらにジュレス・クンデも5,000万+1,000万ユーロあたりで獲得する。財政難なのに1億5,000万ユーロ超え。切り札の“レバー”があるとはいえ、ぶっ込みました。

バルサの補強が派手さを爆発させたのは、この夏の流行語となった“経済的レバー(てこ)”が稼働してからです。

マーケット開幕当初はフラン・ケシエアンドレアス・クリステンセンのような自由契約選手、あるいはセサル・アスピリクエタのように安価なベテラン選手の獲得が話題になっていたのですが、それはレバーの稼働待ちだったからです。
ラ・リーガ放映権収入の一部をSixth Streetに25年間譲渡する、必殺の即金調達策(まずは10%と引き換えに2億ユーロ、続いて15%で4億ユーロ。全額が補強に当てられるわけでなく、多くを負債返済などに使う必要がある)が発動し、節約した分を1:1で選手登録に使える目処がついて以降は、狙う選手を次々に刈り取っていくバルサ。
ついにはクンデまで行っちゃいました。

これだけの巨額投資ですから、もちろんジョアン・ラポルタの一存ではできません。理事会や執行部を説得していく必要があるわけでして、その際に会長が用いたスローガンが、「Somos el Barça!(私たちはバルサだ!)」だそうです。(25日SPORT)
私たちはバルサなんだから、最高の選手を連れてくるのが復活への道なのだと。

資金難のど真ん中にあるバルサがどのようにマーケットに臨むかはいくかの選択肢があり、おそらくはカンテラーノの育成であと1年だか2年は我慢する、というものもあったでしょう。

しかしラポルタは、放映権の一部を手放すことで未来の収入を失ってでも大きな投資をするべきであり、違いを生み出すクラックを連れてくることがバルサの復活につながると判断。他クラブの経営陣が引くような賭けに出ているところです。
狙うのはロナウジーニョ、デコ、ジュリ、エトー、マルケス、ラルソンら当たり補強が続出した2003〜2004年夏の再現。成功体験は繰り返したくなりますよね。
着実に目標を確保しているマテウ・アレマニはさすが。選手を入団に向かわせるバルサブランドも健在です。

ところで、下はラスベガス滞在時にバルサが行った広告ですが、最後にラポルタが出てきてしまうところが彼らしいと言いますか。目立ちがり屋で派手好きだと全身で示している。他クラブのことは知らないんですが、こういう広告に会長も登場するもの?地方の企業CMに出演する社長みたいな?

再び、退団圧力の件

絶対に失敗できない賭けによってクラブ再建に挑む。これでコケれば、いよいよスポーツ株式会社化への道が現実味を帯びてくる、、、ソシオオーナー制度の限界論になるかもしれません。はらはらしながら成功を祈ります。

気に入らないのは、そこにフレンキー・デジョン売却が絡められている点です。
その3選手合わせて1億5,000万ユーロにもなる大型補強を敢行するのであれば、“経済的レバー”によって資金調達からFFPのクリアまでどうにかする計算を立てるべきであり、入団契約を結んだ後で、このままでは出場登録ができないのでフレンキーさん移籍をお願いします、みたいな議論になっているのはいかがなものかと。

春先から散々言われてきた「獲得する前にまず売却」なんて話は結局うやむやですし(売れるのを待っていたら目標選手に逃げられてしまう)、二者択一だったはずのデンベレラフィーニャが両方スカッドにいる状況を見ると、フレンキーを巡るあれこれが胡散臭く思えてしまうんですよね。。

エドゥアルド・ロメウ金庫番副会長が言うように、新規選手の登録は融資と残された“第三のレバー”だけでどうにかなるんでしょ。自分たちだけではどうにもならないことを前提としているなら、呆れる。
バルトメウが取ってきた給与のバカ高い選手が、高値で売れるから売りたい。それだけだと思います。

そのためには給与額をリークをするし、メディアを使って圧力をかける。ラ・マシアの子どもたちにクラブの価値がどうとか教えられませんよ。
フレンキーとしては、派手な補強によってさらに増額したスポーツ経費を、自分の移籍もしくは減給によってどうにかしようとするクラブの姿勢を理解できないでしょう。

ガリー・ネビルがtwitterで曰く「デジョンはバルセロナに対して法的行動を考えるべきだろう。そしてすべての選手たちは彼に付くべきだ!契約のある選手に満額を支払うことなく新選手に大金を費やすクラブは不道徳であり違反だ。FIFAはこのようなイジメを止めるべき」

チャビの構想はセントラル?

レアル・マドリー戦後のインタビューで、チャビは次のようにコメントしています。
「(起用法によって)誰かに何かのメッセージを送ることはないよ。彼はセントラルに適応できる。私は彼をフットボル選手として非常に高く評価しているんだ。彼とは私的に非常に重要な会話をしたし、その内容を明かすつもりはない。あとはクラブの経済的状況とFFPだよ。とはいえ、セントラルでプレーすることで多くを与えられるだろう。セントラルが(出場時間を?)分割することを私たちは望んでいるし、彼はとてもよくやっている」

これと実際の起用法を見る限りでは、チャビは今季のフレンキーをセントラルとして考えているんでしょうか。 中盤での序列はパブロ・トーレよりも下かもしれない。セントラルとしても、控えが濃厚。それでも選手が残りたいと望むなら、意向と契約を尊重するしかありません。
控え選手に高い給与を支払う余裕なんてないバルサですが、、契約は契約であり、スポーツ経費がマドリーよりも1億6,000万ユーロも多い理由がフレンキーだけにあるわけではない。スカッド全体で話し合っていくしかないんじゃないでしょうか。

フレンキーがセントラルとして残る可能性が低くないことを承知で、チェルシーさんを立腹させながらジュレス・クンデを獲得する。
右ラテラルもこなせる選手につき、アスピリクエタ獲得は止めて、というならありでしょうか。もしマーケットバトルでバルサに全敗(5敗?)したチェルシーが“仕返し”をしたいのであれば、フレンキー獲得を頑張らないことです。
ピケ、アラウホ、エリク、クリステンセン、フレンキー、クンデの全員が右利きなのは残念なところ。

(フレンキーは微妙な立場となって1シーズンをチャビチームで過ごし、後にデリフトの待つバイエルンに旅立っていく・・・てな未来はいかがでしょうか)

コメント

  1. エイプリル より:

    これといった展望もなく「余剰戦力の売却は
    まあなんとかなるでしょ、多分」という感じで動いていたことが誰の目にも明らかになってきたような…w
    泥縄極まる感じが「これぞバルサ!」という感じではあります。正直フレンキーの扱いは不快度MAXですね。私は冬のデンベレへの圧力も気に食わなかったぐらいなので、なおさらです。

  2. たー より:

    正直ドン引きしちゃうやり方ですね
    今回乗り切れても、その内ホントに破綻しそうなバルサの経営センスDNA

  3. ゼロ より:

    広告の尺が選手よりも監督よりも長いのはドン引きです(笑)
    会長が広告のメインになっててバルサの現状が垣間見えますね。

    まだ新選手の登録ができてない辺り、二週間後の開幕戦には手続きが間に合いそうにないですね。フレンキーの扱いが酷すぎるし、補強に関してはチームが強くなるためとはいえ素直に喜べないです。

  4. イザナギの目 より:

    やはり、デヨンクは前期の後半ペドリ不在時の時中盤を活性化出来なかったのが痛かったですね。ケシエは微妙でクンデは公開するのが時間が掛かりすぎですね。

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