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上昇に転じたクーマンバルサ?:ペドリ、フレンキー、そしてメッシに感じる期待

今季のベスト補強であり、メッシのパートナーとしても存在感を出し始めた18歳
デ・ヨングもまた配置の修正により伸び伸びとプレー

ラ・リーガのなかで唯一敵地で敗れたことのない首位チーム、レアル・ソシエダを無観客で魔力のないカンプノウに迎えるにあたっては、正直不安が先行していました。その高難易度クエストに、バルサは上々の内容で勝った。そのなかで特に光っていたのが若きペドリフレンキーで、両選手ともにレオ・メッシとの連携が効いていたことがクレの期待値を高めています。

変曲点

レアル・ソシエダに逆転勝ちを収めた水曜日の試合は、クーマンチームにとっての変曲点(転機)になったかもしれません。ハイプレスが効いて相手陣内でのボール回収が多数見られたこと、ボール保持時の各選手の動きに躍動感がありパスコースを多く用意できたこと、速いボール展開、インテンシティの高い守備など幾つもの明るい要素があったのが素晴しかった。
あとは課題である安定感が備わってくれば、取りこぼす勝点は相当に減らせると期待できます。

システム面では、ペドリ・ロドリゲスがメディアプンタを務め、フレンキー・デ・ヨングがインテリオール気味に前方へと顔を出す新役割に大きな可能性を感じました。
フレンキーの位置を前にする修正は先週末のレバンテ戦にてすでに効果を現していましたが、ここにペドリが加わることでさらに良くなった感。メッシの偽9番との相性も良好だったと思います。

このペドリデ・ヨングの起用法は、ぜひ継続してほしい。コウチーニョの立場は難しくなりますが。

才能とハードワークで魅了するペドリ

首位レアル・ソシエダをカンプノウに迎えての必勝が求められた一戦で、ロナルド・クーマンペドリ・ロドリゲスを先発起用する決断をしました。
これが的中し、カナリアのキラキラ星は攻守にわたって存在感を放った。特に際立っていたのはレオ・メッシとの関係性の良さで、D10Sがペドリの能力を大いに認めていることがプレーの各所から見て取れました。こいつにボールを渡せば確実に良いタイミングで戻ってくる、相手守備陣を崩せる、と信頼されているのでしょう。フィーリングがすごく合うんだと思う。
SPORTは「レオはペドリの中に18歳の頃の自分の特性(ボールへの執念、慎み、プレーによるリーダーシップ)を見ている」と述べています。

さらにペドリは、守備においても労を惜しみません。ここは走るべき場面だと判断すれば徹底的に走るし、ラ・レアル戦ではイサクの決定機を阻止した後にポストに激突するほどの猛ダッシュを見せている。もし無観客試合でなければ、カンプノウはペドリの名を大合唱してたでしょう。

このペドリの献身性・ハードワークぶりをクーマンは高く評価していて、だからこそ18歳になったばかりの新入団選手を重用しているわけですが、何故これほどにペドリが走れるかというと、「休みなく走ることが求められるセグンダで昨季ほぼフル出場してきた実績がある」というSPORTの説明になるほどなと。

それだけハードワークができるうえにメッシとのフィーリングも良好となれば、先発の座は納得です。そしてコウチーニョの優先順位は下がる。リキ・プッチも苦しい。

“本来の” デ・ヨングが戻ってきた

アヤックス時代(2018/19)にはチャンピオンズでのきらめくパフォーマンスが認められ、UEFAから同大会のスカッド・オブ・ザ・シーズン、ならびにミッドフィールダー・オブ・ザ・シーズンに選ばれたフレンキー・デ・ヨング。その輝きがクーマン監督によって戻ってきたのも明るい兆しです。

バルサ初年度はピボーテとして、そしてインテリオールとして起用されたもののアヤックス時代の出来映えには遠く、飛躍を期待された2年目の今季もどこか窮屈そうにプレーしていたデ・ヨングが、ドブレピボーテはそのままに、4-3-3に近い形にしたことで伸び伸びと動き始めたのは興味深い。
セルヒオ・ブスケツの横に固定するのではなく、前に出て自由を得ることによって、システム的にも個人の特性的にも活きる結果となりました。前に出ることでビルドアップの選択肢を増やし、かつ彼の後列からの飛び出しで守備ラインを崩せる。縦に動く自由がデ・ヨングを輝かせるポイントだったわけです(知ったかぶりなので詳しくは分かりませんが)。

結論を下すにはもうしばらく試合を見続ける必要がありますが、メッシペドリフレンキーといった連携相手を手にしたのは明るいですし、彼らのコンビネーションがさらに磨かれていけば、バルサの可能性は広がりそうで夢が見られる。あとはそう、アンス・ファティが戻ってくることで、よりサイドを使えて中央も効いてきますよね。
これはレオの気分にも良い効用をもたらすんじゃないか。そう期待もするこの頃です。

ロッカールームの団結向上か

長くなってきましたので、あと少しだけ。
レアル・ソシエダ戦は、試合前に話されていたチームの雰囲気の点においても好転が感じられた試合でした。

そういった外野の憶測話が効いたのか、マドリーの復調に刺激を受けたのか、苦しんで勝ったレバンテ戦の好影響か、はたまた月曜日の昼食会でわだかまりが解消されたのか、ラ・レアル戦はそれ以前の試合に比べてチームの一体感が増していたように見えた。

その徴として捉えられているのが、試合後のレオ・メッシによるインスタグラムへの投稿です。デ・ヨングの逆転ゴールが決まり、抱き合って祝っているチームの写真を投稿したのですが、実はレオがバルサのそういった写真を投稿するのは今季初。元々チームメイトの写っている写真は少ない彼なので、よりインパクトはあります。試合中の姿も、気持ちが入っていましたし。

ということで、レアル・ソシエダ戦は今シーズンの変曲点、転機、ターニングポイントになるんじゃないかという話でした。
今週末はクーマン因縁のバレンシア戦。きっちり勝利し、さらに雰囲気を良くしていきましょう。

 

コメント

  1. トム より:

    攻撃、特にPA内に人数をあまり割かないのが、最近のバルサの特徴でした。

    中盤による支配を高め、カウンターを警戒し、PA内で待つより後ろから走り込む事で意表を突き、精度の高いパス回しから崩す事ができる息の合ったクラックが揃っていた事で、それが可能だった。
    しかし常に針の穴を通し続ける攻撃には、限界が見えていました。
    守備を固めた相手に攻撃人数がいなければ、やはり最後を崩すのは難しい。
    そこをメッシがスーパープレーで崩し、我々を湧かせ続けていたのは、最早奇跡とも言えます。神。

    メッシと息の合うクラックが続々と去っていった今季。
    クーマン初期はそこに一石を投じ、人数をかけた攻撃を見せるのではないかと期待していたのですが、いつの間にやら前と同じ、攻撃に人数を割けないバルサに戻って行った。
    そこでデヨンクを意図的に前に出させ、また左右にデランテロを置く事で、サイド攻撃時のPA内人数を増やす事に成功しました。
    この流れは、続けて欲しい。

    クライフ御大も仰ってたように、バルサにドブレピボーテは必要ありません。
    取られたら、取り返すのがバルサです。
    長い守備戦術で失われた物を、何とかして取り返して欲しいと思います。

  2. kazu より:

    守備を固めるためにドブレピボーテにしているわけではなく
    フレンキーが動きやすいようにアヤックスに似た形を採用しているだけだと思う
    今いる選手に合わせたフォメを取るべきで、まず戦術ありきでは上手くいかない、若手が増えたと言ってもカンテラ出身以外も多いスカッドなのだから

  3. バルサ より:

    ソシエダに勝てたのはまず大きいですね。しかし、あのマンマークによる守備で、ヨーロッパの舞台、たとえばネイマールムバッペというクラッキを擁するPSG相手に守れるか、不安があります。
    メッシ-ブライトバイテペドリグリジは攻撃ユニットの最適解かもしれません、この調子で攻撃を活性化してほしいです。

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