フレンキー放出話とハーランと現実

長い夏になりそうだな、、そんな気配がカンプノウ界隈に漂っています。ラ･リーガ閉幕を待たずして、加熱し始めている夏市場の噂話。バルサ周辺で主役となりそうな選手は何人かいますが、本人は望まずとも注目が集まっているのがフレンキー･デヨングです。ハーランに振られ、フレンキー換金の目論見が渦巻くバルサの現実。切ないもんです。

大金と交換できる数少ないバルサ選手

マンチェスター･ユナイテッドがフレンキー･デヨングに熱い視線を送っているぞ、ひょっとすると1億ユーロで売れるかもしれないぞ、とSPORTが盛り上がっています。
SPORTはジョアン･ラポルタに好意的なので、クレ世論形成のお手伝いをしているのかもしれない。MDはもうちょっと冷静でしょうか。テンハグを監督に迎えたユナイテッドがフレンキーを欲しているのは確かなんでしょう。

マーケットへの動きが活性化すれば、フレンキーの去就が取り沙汰されることは分かっていました。なんといっても彼はバルサがまとまったお金を手に入れられる数少ない選手の一人であり（アンスとぺドリは売れない）、絶対的な成果も残していない助っ人選手だからです。
“本来であれば売らないんだけれど、苦しい経済状況のために泣く泣く放出”という筋書きを描きやすい選手。もし退団となったなら、難しい決断だったが仕方なかったと神妙に語るラポルタの姿が容易に目に浮かびます（辛辣でしょうか）。

フレンキーがチャビの目指すフットボルに適合するのかどうかは、自分には分かりません。ピッチを自由に動き回って活きる選手なので、ポジショナルプレーの中でテクニコは彼を活かせるのか。
心情面では、PSGの誘いを断ってバルサを選んでくれた選手なので非常に愛着があります。でもバルトメウが頑張って獲得した選手なので、ラポルタはあんまり好きではないのかもしれない。⏬みたいなこともあったし･･･　おっと邪推です。

フレンキーのコメントが嬉しい：「僕らはバルサであって、負けて誇れるなんてない」

アラベス戦（0-1）。前向きだったのはフレンキー･デヨングに躍動感が戻ってきたことと、試合後のインタビューにおけるコメントでありました。「負けて誇らしいなんてことあるか」と訴えた彼の気概が嬉しく。チーム全体が同じ気持ちだといいなと願うところです。

blau-grana.com

2022.01.25

フレンキーは残留を希望する

ではフレンキー自身はどう思っているのかというと、バルサ残留希望だと見られています。
彼は3月、パートナーとともに新居に引っ越した際、「バルセロナ以上の場所はないよ。もし可能なら、あと6年でも契約を延長するだろうね」と語っている。お金よりもバルサを選び、カンプノウで成功を掴むんだとの夢をここで手放すのかというと、どうでしょうか。

フレンキーとバルサには2026年6月までの契約があるので、理事会が換金を望もうとも、選手の同意がなければ移籍は実現はしません。なのでアレマニーがデンベレにしたような退団勧告や圧力、チャビによる構想外宣告、メディアによる執拗な去就報道などでバルセロナにいることに疲れない限りは残留でしょう。
ラキティッチが散々騒がれて残った時みたいになるんじゃないかと。

恩師テンハグ率いるマンチェスター･ユナイテッドが来々季（2023/24）のチャンピオンズ出場権を確保し、フレンキーがバルサを去る時が来たかなと思えば、移籍かもしれない。と考えます。

ハーランに振られた件

カンプノウ界隈では、アーリン･ハーラン獲得作戦が失敗に終わった件の総括のようなものも行われています。ざっくり言えば、バルサにはシティのような資金力がなかった、以上！となるのでしょうが、それだけでもない。
悲しいながら今の青えんじクラブにはお金だけでなくスポーツ面での魅力も薄く、シティの提案がことごとくバルサのそれを上回っていたのも紛れのない事実でしょう。バルサがいま勝てるのは歴史くらいか。数年後にはお金に対抗できる魅力を取り戻していることを願います。

ひょっとするとハーラン獲得は可能かもしれない、というクレの希望は、ラポルタ会長によるいくつかの発言によって膨らみました。そういえば、かつてベッカム獲得を選挙の公約に掲げて取り下げた彼でしたが、今回は代わりに呼んでくるロナウジーニョはいない。そんな選手と契約するには、大金が要るご時世でもあります。

才気に溢れ、バルサブランドと協力し合ってテッペンを獲ろうとする若きクラックはいない現状ですから、アンス･ファティを筆頭とする自家製キラキラ星たちを柱に再建するしかないでしょう。若者たちを数年かけて育て、経済力も回復させて、将来性あるクラックが是非行きたいと熱望するようなクラブにするしかない。
フレンキーを換金する是非はともかく、手にしたお金で獲るようなハーランの代役なんていないじゃないか、と思うのです。