ロッカールームの権力報道について、選手たちは不快感
ジェラール・ピケは情報を否定し、選手・ファン・理事会の全員がひとつになることを求めた
FCバルセロナの第3カピタン、ジェラール・ピケがヘタフェ戦終了後のミックスゾーンにて、バルセロニスタの団結を求めるメッセージを発しました。目標達成へと向かうために一致団結を求めるのは珍しくないですが、今回のそれは少し毛色が違う。クラブ内部に望まぬ波風を立てようとする人々がいる、とセントラルがほのめかしているからです。
争いを起こそうとする人々が存在している
バルサは土曜日、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにて4月以来となるアウェイ戦での勝利(0-2)を手にしました。水曜日の夜に選手たちだけで行われた、団結のための夕食会がさっそく効果を発揮したかたちです。
その主催者と報じられたジェラール・ピケがミックスゾーンに現れたことで、記者さんたちは彼に夕食会について質問。それを利用し、セントラルは次のようにコメントをしたのです。
「僕の企画ではなかったけれど、食事会はいつも上手くいくよね。パンプローナですでに言ったことなんだけれど、僕らは全員が団結していないといけないんだ。僕が言う全員というのは選手だけやなくて、ファンや、理事会もそうだよ」
「怒りたくない人は、争いを起こさない。僕らはクラブのことを知っているし、クラブに近い新聞も知っている。そして出てくる記事のことや、多くの場合は誰がそれを書くのかも知っているんだ。署名は別の人だけれどね」
「僕らが欲するのは腹を立てることではなく、成果をあげて勝つこと。ピッチに出て競い、タイトルを勝ち取りたいんだ。存在しない、こちらからは起こしたくない争いを、誰にも起こそうと試みてほしくない。僕らはそれを、毎試合ピッチで示しているよ。バッチリ上手くいくことも、ヒドイときもあるけれど、僕らは団結していなけりゃダメなんだ。そうでなければ、僕らは傷つくことになるだろうから」
ロッカールームの権力
試合内容とは直接関係ないこの件、ジェラール・ピケはこのメッセージを告げるべく、ミックスゾーンで記者団に応対したのでしょう。ではメッセージを送った相手が誰か。文脈から読み取れるのは、
・事実ではないことを書いているジャーナリストがいること
・理事会からウソ情報がリークされ、クラブの和を乱していること
どういう情報がクラブからメディアに流されているのか、というと推測するしかないですが、最近見かけるようになっている“ロッカールームの権力”が思い当たります(アンフィールドの悪夢の原因のひとつにも、この権力があると指摘されていた)。
ロッカールームの権力といえばつい先日、9月28日のMDウェブに関する記事がありました。
クラブが決定を下す際に選手たちの意向が重みを増していて、それを確認するエピソードがたくさんある、というものですが、その例として挙げられているのが、補強の際には理事会がロッカールームの意見を聞くであるとか、特別なリーガ優勝(勝点100到達、無敗優勝など)の時には臨時ボーナスを要求するとか、税務署に脱税を指摘された時は追徴金の支払いを手伝ってくれるよう求めたとか、ある選手はムンディアル(W杯)出場のために手術をしかなったり、別の選手はコパ決勝を前に手術したりとか・・・
怪我したデンベレが医療部の呼び出しに応じなかった件がメディアに漏れたのは、それはデンベレだからであって、ロッカールームが欲しがっているネイマールの獲得要員だったデンベレの、評判を落としたかったからだとかいう記述もあります。
これに選手たちが驚き、ジェラール・ピケが登場したなら納得がいきます。
意図せずとも、影響力は増えていく
ただ、、クラブに黄金の歴史を残してきた今の選手たちだからこそ、ロッカールームの発言力・決定への影響力がこの10年で少しずつ上がってきたというのも分かる。
前述のパワー例にはウソくさいものもあるにせよ、その手のパワーがロッカールーム内に全く存在しないようには思えません。作家や漫画家の大先生に編集部がダメ出しを出来なくなっていくようなものですかね。
ファンタジーだとしても、根も葉もないものじゃなく、根っこくらいはありそうな話。
ネイマール獲得のための執着(狂奔)ぶりをみると、理事会の中には忖度的にチームの重鎮たちを満足させようとする一派があるのかな、てな印象は抱きます。
でもアントワン・グリースマンとも契約しているので、決定に影響を与えるグループはいくつかあるのだろうとも。
理事会によるメディアへのリークなんてのは珍しくもないし、メディアに出てくるニュースをそのまま鵜呑みにせず、“この情報は特に意図的なものを感じるな・・・”など判断していくことが重要になるのは、どこのニュースでも同じです。
そしてピケがメディアを通じてメッセージを発するのは、新しいことではないけれど、今季に入ってからは特徴がある。クラブ全体を代表してマドリー方面のメディアに反論するのではなく、スカッドを代表してクラブに物申すことが目立っている第3カピタンです。
(先日は波に乗れないチーム状態について訊ねられ 「プレシーズンが僕らの役に立たなかった。移動が多くて、トレーニングが少なかった」とコメント。聞き入れられたら、ロッカールームの力だと言われそうです)
このニュースのまとめ
- ・ヘタフェとの試合終了後、「選手、ファン、理事会の全てが団結すべき」と望まない争いを起こそうとする人々がいると語ったジェラール・ピケ
- ・“ロッカールームの権力”についての報道に対する発言か
- ・最近はクラブに対して物申している第3カピタン
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