今週からラ・リーガの各クラブは競技再開プロトコルの新たなフェーズに入る
最大10人でのトレーニングが認められ、バルセロナでは2ヶ月ぶりにロンドが見られた
シウタット・エスポルティーバ・デ・サン・ジュアン・ダスピに、ロンドが戻ってきました。保健省の計らいによって制限解除のフェーズ3に入ることが認められたおかげで、最大10人までのグループでトレーニングが可能になったプリメーラとセグンダの全チーム。待ちわびたロンドが、思っていたよりも早く見られるようになり嬉しき日です。
“フェーズ3”が認められたプロフットボール
新型コロナウイルス感染拡大により非常警戒体制が続いているスペインも、5月に入り活動制限が徐々に解除されています。各地域の状況に沿ってフェーズ0~3の4段階に分類され、フェーズが上がるに従って移動であったり商業活動、スポーツ、社会サービスなどが行えるようになっていく。
5月18日にはマドリー州・カタルーニャ州の大都市圏などがフェーズ0を継続する一方、スペイン全土は基本的にフェーズ1へと移行しています。
いくつかある島(フォルメンテラなど)はフェーズ2。フェーズ3の地域はまだありません。
ただしプロスポーツに関しては、マドリーやカタルーニャのようにフェーズ0のままの地域でも特例として、フェーズ3相当の活動が保健省から認められました。
これでバルセロナの選手たちも、中段階のトレーニング(最大10人での戦術練習など)が可能に。身体的接触は避けねばなりませんが、ソーシャルディスタンスを保ってのパス練習などは行うことができます。最大10名でのミーティングもでき、ロッカールームも少人数ずつ使用可能です。
ERTEといえばバルサ選手たちのサラリー70%減額ですが、非常警戒体制中は継続されるため、トレーニングを再開した今も受け取る給与はおよそ30%のはずです。
10人ずつに分かれてのトレーニング
FCバルセロナの選手たちが18日(月)より、10人までのグループに分かれてのトレーニングを始めました。
先週は各選手が厳しく距離を取っての個別トレーニングだったので、いきなり10人に増えたのには喜びと同時に多少の驚きもあり、急にみんなで集まってボールを蹴っているのを見ると、大丈夫かとドキドキしてしまいます(苦笑)。変化に頭が追い付いてませんな。
クラブ情報によると、グループは2つに分かれています。
■ピケ、ブスケツ、スアレス、メッシ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト、ビダル、アンス・ファティ、リキ・プッチ、アラウホ
■セメド、ラキティッチ、アルトゥール、ラングレ、グリーズマン、ブライスウェイト、デ・ヨング、ジュニオル、コリャド、モンチュ
名付けて、“グループ自家産”と“グループ助っ人”。セティエンが分けた模様です。
一方でテル・ステーゲン、ネト、イニャキらは、ポルテーロコーチたちと個別トレーニングを続けています。
伝統のロンドは元々10人ほどで行うものなので、一見するとコロナウイルス前と変わらない。でもさすがに2ヶ月ぶりとあり、バルサ選手たちにすればややドタバタしているようにも見えます。
その他にもポジショナルプレーとか連携とかのトレーニングに取り組んだとのことで、急にフットボールらしくなりました。
バルサ選手たち・コーチ陣は15日に2回目となる新型コロナウイルス検査を受けており、結果は全員が陰性だった。第1回目の検査は、個別トレーニング再開前の5月5日。
おかえりなさいロンドさん
偉大なるヨハン・クルイフが導入し、バルサの伝統となったロンド。“鬼”にボールを奪われぬようにすばやくボールを回すこのトレーニングにより、選手たちは速くて正確なボールコントロールやパス、判断力、ボールを受けるための位置調整、守備側はプレッシングやボール奪取力を培っていきます。いわゆる鳥かご。
試合で求められる要素が凝縮されており、バルサフットボールの基礎です。
そんなロンドがついに、シウタット・エスポルティーバに戻ってきた。コロナウイルス感染拡大による自宅隔離に入ってから、2ヶ月ぶりのロンドですから感慨深い・・・。
先週が個別トレーニングで、そこからまずは2人組~4人組だろうと思っていたので、いきなりの10人組というちょっとした急展開は嬉しい驚きでした。ここまでくれば、ラ・リーガ再開も現実として考えられる。ロンドを見るとフットボールの帰還を感じられます。
まずはバルサにロンドが戻ってきた喜びを素直にかみしめたい。
これから物事が進んでいけば、否応なく現実的な課題が表面化してきて、ダメなパフォーマンスに落胆したりもするんでしょうからね、今は喜んでおきましょう・・・
なにはともあれ、おかえりなさい、ロンドたち!
コメント