不安だらけの週明けだったが、ミンゲサたちの活躍でムード好転
監督の信頼を勝ち取った若者たちをベテランが支え、将来へつながっていけば
災い転じて福となる、かもしれません。ワンダ・メトロポリターノにてジェラール・ピケの右膝がおかしな風に曲がった時、バルセロニスタの脳裏に浮かんだのは「セントラル、ヤバイ」でした。アラウホに続いてジェリまで戦線離脱となれば、セントラルはもうラングレしかいない。フレンキーを下げると、今度はピボーテが不足する。毎年恒例のセントラル危機が、今回は特盛りでやってきたのです。
しかしどうでしょう、そのアトレティコ戦から中2日で訪れたキエフの地で、警告ランプは希望の灯火へと変化した。またすぐに警告ランプに戻らないともかぎりませんが、とにかく明るい光が差したのは確かです。
控え選手たちが期待に応えた
バルサ界隈に希望をもたらしているのは、カンテラの若い子たちと彼らを起用することをためらわないクーマンの度胸です。必要に迫られて、の側面はありますが、ロナルド・クーマンはディナモ・キエフ戦にて出場期間に恵まれていなかった選手たちに賭け、これが功を奏した。
ジェラール・ピケの代役に抜てきされたオスカル・ミンゲサ、温存されたフレンキー・デ・ヨングの代わりを務めたカルラス・アラニャー、途中出場のリキ・プッチ、謎のベールからちょっとだけ顔を出したマテウス・フェルナンデス、そしてベテラン助っ人ではあるけれど2得点のマルティン・ブライスウェイト。
いわゆる控え組が成果を出してくれると、起用した監督はもちろんのこと、ファンもまた嬉しくなります。全体としてモチベーションやハングリー度が高いんだろうなと窺えるからです。
結果は伴わないものの
チャンピオンズでは4戦4勝と完璧な一方、ラ・リーガでは8試合ですでに3敗を喫し、暫定ながら13位と低迷するバルセロナ。
なんでも過去29年?で最悪のスタートらしく、通常であればもっと騒がしくなっているであろう成績で思いのほか平穏なのは、今季はぼちぼちでも仕方ないと現実的になっていたり、カンテラーノたちに賭けるシーズンになれば上々とクレ界隈が思っているからですかね(少なくとも自分はそうです)。
首位を走るレアル・ソシエダはバルサに12ポイント差を付けていますが、試合消化がバルサより2つ多く、どこかで追いつけるとの余裕があるのかもしれない。
さすがにシーズン終盤を迎えても13位だとクライシスモードでしょうが、今はまだ若者たちに賭けることが「勇敢だ」と前向きに評価されているクーマンであります。
カンテラを見ることが必然
SPORT紙によると、クーマンは記者会見場で若者たちを褒めるだけでなく、トレーニング場でも彼らがよく期待に応えたと称えるそうです。そして褒めるだけでなく、良い戦いをした選手には引き続き出場時間を与える。キエフで立ち向った選手には、週末のオサスナ戦でもチャンスが訪れるだろうと見られています。トライし続けるかぎり、クーマンは報いてくれる。そんな信頼があると若手も失敗を怖れず挑んでいけます。
外野ではそろそろ会長選挙の立候補者たちが出馬の名乗りを上げ始めていて、昨日はバルトメウ理事会の後継候補になる予定だったエミリ・ルサウ(バルサゲートを機に理事を辞任)がネイマール獲得を目指すとの目標を掲げて立候補しました。
一方で、「スカッドの半分はカンテラーノであるべき」と言うチャビ・ビラジョアナなる候補者もいて、まあそれぞれなんですが、少なくとも今は花形クラックで夢を見させる時じゃない。経済面からもラ・マシアを見ることが必然となり、中期的な視点も備えてクラブを再生していくしかないでしょう。
全員とはいかずとも、信頼して起用していれば伸びてくる若手選手は必ずやいるはず。あとは度胸のある監督がいるかどうかで、「私たちはオランダ人だから、若手に賭けることは怖くない」と明言するクーマンが難行をやってくれれば今季はだいたい満足するんじゃないかと思います。
結局のところマーケットに救いを求める財力はないので、カンテラを見る他ないんですけれどね。
若手の勢いだけで長いシーズンを戦えるはずもないので、そこはベテランたちがしっかりとサポートしつつ、ここぞというところでは表に立って引っ張ってほしい。
カンテラーノだからチャンスを与えるのではなく、戦い挑むカンテラーノを評価し出場機会で応えていけば、将来への土台になると思います。ということでオサスナ戦ではオスカル・ミンゲサを楽しみにしましょう。
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