2008年に始まった輝かしいサイクルはもう終了している
次のサイクルを始めるためには、刷新が必要とバルサ会長は言う
FCバルセロナ会長ジョアン・ラポルタの言葉が大きな反響を呼んでいます。火曜日(18日)に第24回カタルーニャスポーツフェスタに参加した際、会長はこう言いました。「1つのサイクルが終わった。私たちは刷新過程にある」。スカッドの刷新!この夏には選手たちの大規模な入れ替えが実施されると予想され、どの選手が去るのか残るのか、大いに語られ始めました。
「サイクルが終わり、刷新過程に入っている」
カタルーニャスポーツフェスタ(la Festa de l’Esport Catalá)にて年間最優秀チーム賞のトロフィー(女子チームがチャンピオンズリーグと国内リーグの二冠達成)を受け取った後、FCバルセロナ会長ジョアン・ラポルタは報道陣を前にしてこんなふうにコメントをしました。
「私たちはチャンピオンズリーグで早々と敗退し、ラ・リーガは理解できないやり方で失った。私がサイクルの終焉や刷新を語るのは、それが必要だと思うからだよ。来週以降、私たちは決断を下していくだろう。必要なのはハードワークだ。チャンピオンズやラ・リーガで優勝するために非常に競争力の高いチームを持たなければならない」
「シーズンが終わった時に結果・プレー・姿勢・メンタリティ・野心を評価していくと、私はすでに言ってきた」
「今、女子フットボールチームは全てのクレの誇りだ。男子フットボールチームはひとつのサイクルが終わり、刷新過程に入っている」
女子チームの偉業が表彰された式典後ですし、ラポルタはこの囲み取材で女子チームがチャンピオンズ制覇するに至ったクラブ全体の仕事ぶりを大いに称え胸を張っています。
その偉業を可能としたのは、前バルトメウ理事会の仕事。2020年4月にバルトメウに反対して理事会を去った6人のうちの1人、マリア・テイシドルさんが良い仕事をしたのかな・・・(と思いますが詳しくは知らない)。女子チームは適切な補強なりスカッド作りが出来たのに、巨額マネーが動く男子チームはぐっだぐだだったわけです。
いずれにせよ確かなのは、ラポルタがこの発言を明らかな意図をもって語っている点でしょう。自分の言葉が新聞の大見出しになることを知ったうえで、タイミングとしては式典後を選んで言っているのです。見直しの対象は監督ではないぞ、というチーム、特に重鎮選手に対するメッセージですよね。予告。
毎シーズン悪化している成績
FCバルセロナのラ・リーガにおける成績悪化は泣けるものがあります。
ペップ時代とルイス・エンリケ時代は勝点90が当たり前でしたが(2011/12のティトチームは勝点100)、バルベルデの2年目以降は勝点87、82、そして今季は残り1試合を残してはいますが76・・・。これは活気のまるで感じられなかったライカー最終年(2007/08)の67以来となる低さで、ペップ到来によって始まった黄金のサイクルの終焉が数字でも示されています。
毎シーズン100近かったゴール数も減り続け(MSNが猛威を振るった3シーズンは110、112、116)、バルベルデ初年度の99得点から、90、86ときて今季は“わずか” 84です。最終節に2得点以上で昨季を超えるので、せめてそこは意地を見せてほしい。
ラポルタが考えるチーム改革
前置きが長くなりました。そのような右肩下がりとなったチームを立て直すために、ジョアン・ラポルタ会長(そして多くのクレ)が必要と考えるのがチーム改革です。新会長が大掃除を敢行するぞ、と伝えるSPORT紙が言うところでは、10~15選手が放出される見込みだそうで、それはたしかに改革。半分(以上)がチームを去るのですから。
SPORT紙曰く、ラポルタはロッカールームから勝者のスピリットが消え、負け犬根性が植え付けられていると考えています。ライカー最終年や、タタ時代も言われていましたね。監督の采配も残念に過ぎるけれど、選手たちの姿勢も大いに問題ありということです。
クラブのことを最優先にしないベテランたちは、功労者といえども去ってもらう・・・ 夏に再始動するチームに必要なのは希望であり、千載一遇だったラ・リーガ優勝を投げ捨てたような選手が何食わぬ顔でプレシーズンを始めることを許さない・・・
言葉は強いですが、2シーズンの無冠後に14人を放出して三冠達成を成し遂げた2008年夏のようなスカッド刷新をもう一度試みるつもりのラポルタです。
移籍不可なのはテル・ステーゲン、アラウホ、ミンゲサ、デ・ヨング、ペドリ、イライシュ、アンス・ファティ、そしてレオ・メッシのみで、残りは放出対象になるという。
攻守のクラックふたりと未来を担う若者たち以外は、クラブの考えと隔たりがあったり、手頃なオファーが届けば出しちゃうようです。実際には契約書があるので、そう上手くは行きませんが・・・ メッシもまだどうなるか分かりません。
SPORTの記事が本当であれば、リキ・プッチやデンベレも移籍対象です。デンベレとは契約延長をしたいのだけれど、選手側が受け入れない場合は来夏のフリー移籍を避けるために今夏で売ると。リキはレンタルと。
ピケ、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケツ、セルジ・ロベルトら4人のカンテラーノたちは、給与減額を受け入れない場合は放出も考えるそうです。つまりクラブとしては残留してはほしいけれど、これまでどおりというわけでもない。監督は残したい選手たちでしょうけどね・・・
マテウ・アレマニーの提言
ちなみにテレビ局 ESPORT3の番組 ONZE が報じたところによりますと、バルセロナの新フットボールディレクター(移籍交渉担当)、マテウ・アレマニーが理事会にある報告書を提出しています。
それはヨーロッパのビッグクラブと比較してもバルサの給与総額は高く、これらを削減したうえで必要な際はフィリアル(Bチーム)選手を起用するべきだという内容だそうです。スター選手の給与をカットしつつ、監督の信頼を得られない選手を放出して足りないところはカンテラーノで補う。
それでいくとブスケツやジョルディ・アルバの後継者は外部から探すのではなく、バルサBのキラキラ星を育てるべし、となります。これまでに後継候補を何人も獲ってきたけれど、結局のところ育成が一番。その時が訪れれば可能性ある選手は現れるもので、ニコ・ゴンサレス(18)とアレハンドロ・バルデ(17)、彼らに期待ですかね。新監督を連れてくるなら、若手を使う人でなければ。
(もしくはスカッドが若手だらけになる可能性も伝え、それでも任務を引き受ける監督)
というわけで、スカッドの大幅な刷新を予告した会長と、どんな刷新内容になるのかというメディア予想でした。
コメント
当初、バルベルデに期待されていたことが結局5年近く先送りになればこういう結果になる。
クーマンが評価されたのはこういう点だし、プッチにも丁寧な説明をしていた事を考えると惜しい。
クーマンは重鎮選手を結構平然と売っちゃいますからね…
かつてはバレンシア、昨季もスアレスで大失敗してますが、今は大賛成です。
この大刷新をさせる為だけに、クーマン続投としても良いかもしれない。
ただ、とにかく時期が悪い。
コロナ禍なので、売りに出しても良い値が付かないでしょう。
グリーズマンはアトレティコが引き取っても良いという話ですが、そんな高値は付きそうにない。
唯一高く売れそうなのはデンベレくらいですが、契約残り一年の選手であれば、やはり足元見られそう。
そして売る方も問題であれば、買う方も問題です。
放出した分をカンテラーノで埋めるにしても、限度があります。
アグエロ、デパイ、エリック、ワイナルドゥムを全部取って、SBに共同保有のエメルソンを入れるとしても、後はカンテラで何とかできるかどうか。
FW 7人
ブライスワイト(売却)、トリンカオ(?)、コウチーニョ(売却)、グリーズマン(売却)、デンベレ(?)、メッシ、ファティ
MF 8人
ピアニッチ(売却)、アレニャ(売却)、プッチ(レンタル)、マテウス(売却)、デヨンク、ペドリ、モリバ、ブスケ
DF 9人
デスト(?)、ジュニオル(売却)、ウムティティ(売却)、ラングレ(?)、ミンゲサ、アラウホ、セルジ、ピケ、アルバ
GK 2人
ネト(売却)、テア
(売却)とした選手だけで9人。(?)が4人、(レンタル)が1人で14人。
これにセルジ、ピケ、アルバ、ブスケまで入るとなると、絶対に補強が必要となるでしょう。
ただ減俸受け入れは、コロナ禍だけにラポルタとの交渉なら出来るかもしれません。バルトメウじゃ話になりませんでしたけどね。
サイクルの終焉と刷新という言葉は、かなり強力です。
ラポルタの手腕に期待します。
何かここ数年、毎年のように「刷新」やら「改革」みたいなワードを聞いている気がしますが、、、
まぁ今年こそ刷新するならするでお願いしますよラポルタ会長!
放出候補でネックなのがやはりCouthinhoでしょうか、、
シーズン初めは良かったものの負傷後は状態が上がらず、結局は負傷のままシーズンを終えてしまった。これでは金額以前に買い手が限られてしまいます。 選手としては好きなのでこのまま終わってしまうのは悲しいですね。
あと、万能型のSergi Robertoは何としても残して欲しい!!
カンテラ若手のロールモデルとしてバルセロナらしさを保つ意味でもお願いしたいところです。