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ウンティティは退団を望まない

かつての“移籍不可”も、いろいろあって資金調達のためのドナドナ要員に
しかしセントラルはバルサでの復活を信じ、この夏に移籍する考えはない模様

夏に大型補強を目論むFCバルセロナが、その資金調達のためにマーケットに出す選手の一人とされるのがサムエル・ウンティティです。かつての移籍不可選手も、すっかり放出話の常連となりました。しかしウンティティは退団を望んではおらず、セティエンの下で捲土重来を期する心づもりのようです。その意気込みや良し。

失地回復に闘志を燃やす

ドナドナ要員のひとりであるサムエル・ウンティティが、残留を望んでクラブに立ちはだかる、との記事が4月20日版のSPORTに載っています。曰く「ウンティティはオファーには耳を貸さない。フランス人は退団を考えてはおらず、チームの重要なピースに戻るとの断固たる願いを抱き続けている」。

けっこうなことですし、キケ・セティエンがやって来たことで要塞セントラルとして一躍名を馳せたあの頃(バルサ初年度~2年目)のように戻れると彼は確信している模様です。
実際、セティエン監督となってからの左セントラル先発の座はクレメン・ラングレだけのものではなくなり、ウンティティとの競争が発生していた。失地回復の希望が見えたウンティティが闘志を燃やし、残留を目指すのは自然な流れです。

ビッグサムはわりと好きな選手ですし、貴重な左利きセントラルなので、復活してほしいところ。

すきま風が吹く

しかしです、メディアに現れては消える様々なニュースを眺めるところでは、バルサはあまりウンティティを好いていないように思えます。

すったもんだの末の契約更新(2018年6月)と、それに前後した左ヒザの負傷(リーガを休んだ後のW杯に強行出場)、ヒザの治療方針を巡っての意見相違、グリーズマンがアトレティコ残留を発表したドキュメント番組に関するクラブを刺激するツイート。
実際は上層部はこれらのことに苛ついてはないのかもしれないけれど、邪推好きが邪推を巡らせるには十分なぎくしゃくエピソードの歴史です。

(特にマンチェスター・ユナイテッドの高額オファーを使って、ピケ以上のサラリーを要求したという契約交渉でカチンときたんじゃないかと)

スカッドにセントラルが3人しかおらず、ヒザ問題が完全解決してないとはいえどもかつてのベルマーレンさんやムッシュ・マティエウほど計算が立たないわけでもなく、監督も起用しているのに放出対象となるわけですから、気に入られてはないですよね。

強化技術部としてはピケラングレ、それに新たなるセントラル+バルサBのロナルド・アラウホの4人体制にしたい様子。

外れたクラブの目論見

SPORTによると、バルサはCOVID-19危機前、ウンティティを5,000万ユーロで売ろうと目論んでいたそうです。しかしどのクラブもそんな額を支払おうとはしなかった。左ヒザの負傷前は6,000万ユーロの契約解除金がバーゲン価格だと言われてましたが、長引く怪我は彼の市場評価額を下げました。

※移籍マーケット情報を扱うTRANSFERMARKT.COMのデータでは、市場評価額は3,200万ユーロ

バルセロナとしては、それなりの給与増額も呑んで、苦労して契約更新したのに・・・ ってとこでしょうか。その時に合意した高額年俸も、他クラブにとってのボトルネックになっているようです。

いずれにしても、COVID-19による経済危機で各クラブの金庫にお金はないうえ、2023年6月まで契約期間を残しているウンティティ本人に(ラキティッチの扱いを見て、新たなセントラル獲得計画を知ってもなお)退団の考えがない以上は、無理やりドナドナさせることもできないので残留でしょう。

残念ながらおそらく、彼も表門から見送られることのない選手だと思う。
でもバルサへの愛情は感じる選手ですから、この裏門退出予想を軽やかに覆してくれれば嬉しいです。

 

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