チームが仕事をし、クラック個人も輝いた。
怪我のメッシを欠いたセルティック・パークでのセルティック戦。バルサ攻撃陣で最も存在感を発揮していたのが、エースの穴埋めの期待を背負ったネイマールでした。バルサの11番はセルティック選手たちによるファールの標的となりつつ、ルスティグのイエローとブラウンのレッドを誘発。決勝点を生んだアレクシスのアシストをお膳立てしたほか、2度の決定的チャンスも手にしており、フォスターの好守がなければ彼もまたスコアラーに名を連ねていたところでした。
攻撃の核となったネイマール
レオ・メッシの欠場を受け、タタ・マルティーノ監督はセスクを偽9番に起用し、チャビ、イニエスタ、ブスケツで中盤を構成。ネイマールはいつものように左エストレーモになり、バルサの攻撃は主に彼のいた左サイドから行われています。
59分のブラウンの退場は、ネイマールのカウンターを阻止しようとして無駄な乱暴を働いたことによるもの。速攻によるセスクの決勝ゴール(75分)の際には、前線でブスケツからのボールを受けて溜めを作り、前方のスペースにアレクシスへのパスを供給しています。そして0-1となってセスクがベンチへ退いた後は偽9番(あるいはデランテロ・セントロ)を務め、決定機を2度ほど演出。チャンスメイクまでは上手くいけているので(特に速攻時)、後はフィニッシュの精度が加わればかなりの脅威となる選手です。メッシ負傷中の今なので、もっと中央で見てみたい!
「必要に応じてポゼッションとダイレクトプレーを使えていた」
さてそんなネイマールがぴかぴかと光ったセルティック戦を終え、カナルプルスのマイクに応じたヘラルド・マルティーノ監督はさすがに満足そうでした。試合全般について、ミスターはこう語っています。「セスクのゴールによって落ち着くことが出来た。ライバルの特徴やスタジアムを考慮し、90分を通して一定のプレーが出来た点で、おそらくはこれまでで一番完璧な試合だったよ。私たちは試合をコントロールしていただけでなく、必要に応じてボール回しとダイレクトなプレーを選択できていた。バルデスのセーブを除けば、相手にもさほど選択肢を与えなかったしね」
攻撃にバリエーションをもつことが、セルティックのような守備的なチームに対する上で重要だと示すタタさん。反省点は前半のうちに扉をこじ開けられなかったことです。「前半はあまり縦へのボールが入らなかった。けれどもしっかりと引いて守ってくるチームを相手にゴールチャンスを作るのはすごく難しいことなんだ。セルティックは昨年の試合をよく覚えていて、その再現を狙っていた」
主役の一人となったネイマールに関しては、「攻守における彼の貢献について知るのに、今日の試合は必要はない。彼やレオのような破壊力のある選手は、引きこもったチームを崩すうえで極めて重要だ」とコメントしたマルティーノ監督。ミスターはまたバルトラについても、「非の打ち所のない試合をしていた。厄介な選手(サマラス)を相手にとても良いプレーをしていたよ。マスチェラーノが負傷する以前はローテーションに入っていなかったとはいえ、彼の資質にはなんの疑問も抱いてはいないよ」と言い、若きセントラルを称えています。
そしてあとは週末のバジャドリー戦をプレーすれば、FIFAウィークに入ってバルサの活動は小休止。その間にはいよいよプジョルが帰ってくる予定ですし、マスチェラーノの怪我も癒えていることでしょう。監督は言います。「チームにセントラルが4人揃うことになるだろう。その後は2ヶ月間、どうなっていくかを見なければならない」
マルク・バルトラ、上々のアピール
マルティーノ監督が「非の打ち所のない試合をした」と称賛したマルク・バルトラ。5分にサマラスがエリア内へと切れ込んできた際のみマークを振り切られましたが、その他のシーンでは長身ギリシャ人デランテロを自由にプレーさせませんでした。ポジショニングに優れ、前半は相手のロングボール戦術に予測をもって対応。前線へのパスをことごとくカットしています。セルティックのプレッシャーが増した後半も慌てることなくプレー。11のボールを奪取し、失ったのは0回。成功したパス51本に対し失敗は4回のみ、エリア内でのボールクリア16回と、数字も上々です(SPORT)。
まだまともに出場したのは2試合半だけとはいえ、バルサのセントラル問題を解決するピースとなりうる資質を証明していっている若きセントラル。カピタンとヘフェシートが復帰すれば、出番を得るのは簡単ではなくなりますが、もしエル・タタが言葉どおりに「彼の資質にはなんの疑問も抱いていない」のであれば、ローテーションに入っていくことになるはず。「セントラルの補強費が浮きそうだから、ヤツの年俸を上げるか」とスビたちに思わせてやるがいい、バルトラっ!
【セルティック 0-1 FCバルセロナのマッチレポートはこちら】
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