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補強のための11日間

2015年夏のための補強を前倒しするか。出来るか。

2014年8月20日(水)、国際フットボル連盟(FIFA)からFCバルセロナに対し、厳しい処分が言い渡されました。早急な結論を避けるために、とFIFA上告委員会が一時保留にしていた選手獲得禁止処分を有効なものとし、今後2回のマーケット期間における選手補強と罰金の支払いをバルサへと科したのです。これによってバルサは9月2日から外部選手との入団契約を結べなくなり、次に獲得が可能となるのは2016年の1月に。そんな決定は到底受け入れられるものではないと、クラブは直ちにスポーツ調停裁判所への上訴を発表しています。

聴取から1日後の決定

事の発端は今年4月、未成年選手の獲得と登録方法にルール違反があったとして、2014年夏と2015年冬のマーケットにおける選手補強の禁止をFIFAが命じたことでした。このいきなりの決定にバルサは、ちょっと待ってくださいよFIFAさん、こちらの言い分も聞いてくださいと上告委員会へと提訴。ならば説明を聞きましょう、ということになり、8月19日(火)、ラ・マシアのディレクターであるカルラス・フォルゲラをリーダーとする代表団がチューリッヒのFIFA本部を訪れ、4時間にわたってクラブとしての哲学やラ・マシアの状況などについて説明を行ったところでした。

そしてそのわずかに1日後。仕事のお早い上告委員会さんはバルサから提出された書類をさくっと調べ上げ、判決を言い渡します。このあまりの迅速さには、クラブもかなり驚きました。まるで話を聞く前から結論は出ていたというような決定の早さ。まあ実際のところ、マーケット終了の3日前よりはマシでしょうから、FIFAさんの心配りと言えなくもないか。4月にFIFAが下したものと同じ、次の2回の移籍マーケットでの選手獲得の禁止と45万スイスフランの罰金という決定の内容は、予想の範囲内です。

上告委員会での4時間に及んだ懸命の説明が全面的に却下されたバルサですので、そのまますんなりと国際フットボル連盟の処分を受け入れるつもりはありません。ルイス・スアレスの件でお世話になったローザンヌのスポーツ仲裁裁判所(TAS)へと、処分の軽減を訴えていくのが次の一手。全面的な撤回は求めず、最小限のダメージで済む方法を見つけるのが目標です。

スポーツ仲裁裁判所への控訴

バルサが掲げるラ・マシアの理念は別として、クラブがFIFAの規約に引っかかる年齢の選手と契約を結び、試合に出場させていたのは紛れもない事実です。この違反はどう足掻いても消えてなくならない。よってこれからTASに訴えていくのは、スアレスの件と同じく、犯した違反に比べて罰が重過ぎるんじゃないでしょうか?という主張になるようです。SPORT紙によると、選手獲得禁止の再保留を求めていくのではないかとのこと。戦略に関しては、法律部門がこれから丹念に練り上げていきます。

一方でバルサにはFIFAより、問題ありと指摘された未成年選手たちの状況を“正常化”するための期間が90日間与えられています。どうすればFIFAの求める状態になるかといえば、違反している選手の出場登録を取り消す(=ただ練習だけをこなす日々)、18歳となるまで別のどこかへ行ってもらう、などなどです。また、ルールに違反している選手を登録したとして、スペインフットボル連盟(RFEF)にも50万スイスフランの罰金が科せられ、登録方法の見直しを進めていく指示が出されています。

スペインやヨーロッパには、バルサ以外にも世界各国から未成年選手を獲得し、育てているクラブは多数存在するわけです。そして昨日、副会長兼スポークスマンであるマネル・アロヨさんがラジオ局RAC1の番組内で強調したのは、FCバルセロナの目標が“上手くやっている”クラブに倣うのではなく、不公平感のあるFIFA規約を修正するために戦っていくとの考えでした。バルサには少年たちを一人前の人間へと育成していて、権利を害されている子供はいないという自負がありますから、そちらを目指すのは尤もな道です。

来夏の補強を、これからの11日で

いずれにせよ、FIFAによる処分が覆ることなく、2016年1月までの補強禁止が完全確定した場合に備えて、バルサは出来るかぎりの行動を取っておくことになります。それは2016年の冬のマーケットへと参加する資格を得るまで、しっかり持ち堪えられるチームにする準備しておくこと。実際には冬の市場は多くを期待できないので、2シーズン分の補強をこの夏に前倒しして行うことになったバルサであります。作戦としては9月1日までに入団契約を済ませ、現在のクラブに1年間レンタルする方式が中心のようです。

そこでバルサメディアに再登場してきたのが、アトレティコ・マドリーのセントロカンピスタ、コケ・レスレクシオンの獲得ですが、、、資金面云々よりも、選手本人のアトレティコ愛ゆえにこの作戦は実現の可能性を感じません。数年前の、これからバルサの中心になろうかというチャビやイニエスタを引き抜こうかというようなもの。逆オファーがあったといわれるトニ・クロースをスルーしたのが痛かった、との話しになりますが、さすがに今からコケはないでしょう。バルサは1年間カルデロンに残留させることを申し出、アトレティコの説得を図るとされます。

その他の選手に関してましては、ダニ・アルベスの後任として獲得目前とされるサンパウロのドゥグラス・ペレイラは、今季はヨーロッパの他クラブへとレンタルする予定だとSPORT紙は記しています。サンパウロはレンタルの形での1年残留を望んでいるようですが、バルサとしては欧州のフットボルに慣れさせたい。近日中に移籍成立が発表され、すぐさま1年間の武者修行に出されることになるみたいです。ケイリソンやエンリケのようになりませんよう。

すでに二度死んだと思われていたファン・ギジェルモ・クアドラードの獲得話も、今回のFIFA処分によって三たび復活となりました。どういう事情だか、未だに結論が出ていないコロンビア人カリレーロの去就に関し、フィオレンティーナは今一度バルサと話をすることにしたとSPORT紙は報じていて、4,000万ユーロとされた要求額を下げ、3,500万ユーロあたりで獲得できるかもしれない、としています。ダニの後任をドゥグラスにすると決めたなら、現実味は少なそう。

もう一人、ドルトムントのマルコ・ロイスは、選手次第というところでしょうか。2015年の夏になると契約解除金が2,500万ユーロになるとされるロイスですから、もしそれを上回るオファーが届き、かつ1年間レンタルで残留する条件が付けば、ドルトムントがそれを受け入れる感じはします。バイエルンが獲得に近いと言われていますが、ドルトムントとしてはゲッツェやレバンドウスキの二の舞は避けたいでしょうし、バルサが食い込める可能性はある。ロイスがバイヤン希望ならアウトです。

現実的に見て、バルサがこれから8月末日までに大きな移籍交渉をまとめあげる可能性は低いでしょう。でもその時はカンテラーノの力でFIFA制裁を乗り越えればよし!ははは、処分恐れるに足らず!と期待をこめてうそぶいておきます。少なくとも前線は、ムニールが期待に応えてくれるんじゃないかと。バモス!

 

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