パス本数87、成功率94.3%、1対1の勝率75%。
FCバルセロナが1-4で勝利したラス・パルマス戦の主役は、バルセロニズモの期待に見事ハットトリックで応えて見せたネイマールでした。何故だかレオ・メッシが相性の悪いグラン・カナリアで、手にしたチャンスを着実に活かしたほか、ルイス・スアレスの得点もアシストした11番。実に頼もしいものです。そしてもう一人話題となっているのが、デフェンサ陣が火の車の状況で先発起用され、安定感あるプレーでチームに貢献したバルサBのマルロン・サントス。来季はトップ昇格を見込まれている若きセントラルですが、この感じならば先輩たちから学びながらも良い戦力となってくれそうです。
マスチェの怪我で急きょ先発
今節マルロン・サントス(21)に出番が訪れたのは、前日に腹痛でバルセロナ市内の病院(バイダブロン)に入院したジェラール・ピケの代役ではなく、試合前のウォーミングアップで右脚に痛みが発生したハビエル・マスチェラーノの代役としてでした。
セルジ・ロベルトが出場停止、ピケが招集外となったこのラス・パルマス戦で、ルイス・エンリケが選んだ先発11人はまたも驚きを呼んでいました。それは最終ラインがディニェ、マスチェラーノ、ウンティティ、ジョルディ・アルバの4人だったから。監督はディニェを左セントラルに、マスチェラーノを右ラテラルに考えていたようですが、どちらにせよこの4人はちょっと予想外。しかしながらヘフェシートはアップ中に痛みを感じたことで大事を取ってベンチとなり、マルロンに出番が訪れました。
堅実に90分間プレー
マルロン・サントスにとってこれは、トップチームでの2度目の出場となります。デビュー戦は昨年11月23日のチャンピオンズ・セルティック戦(@セルティックパーク)。任務終了となったピケに替わって72分にピッチに立ち、危なげなく20分間のプレーを終えています。
リーガデビュー戦となったこのラス・パルマス戦でも、マルロンは非常に落ち着いていました。バルサのセントラルに必須とされるパスに関しては、確実性を優先し、不必要なリスクを避けながら近くにいるチームメイトへとボールを展開。公式データによるとマルロンは合計87本のパスを試み、82本を成功させています(94.3%)。本数だけなら、ウンティティの74本よりも多いほど(成功率ではビッグサムは97.3%)。ただしウンティティは縦へのパスをもっと織り交ぜてますから、そのあたりはさすがです。
守備面で光っていたのは、1対1での強さで、75%の勝負に勝っています。インターセプトは2回。そのうちの1つからセルヒオ・ブスケツの匠のヒールパスが生まれ、ネイマールの先制点へとつながりました。犯したファールはわずか1回です。
さすがに序盤は多少のぎこちなさも見られ、ルイス・エンリケがピッチサイドに呼ぶ場面もありましたが、その後は堅実なプレーで任務を遂行。破綻することなく90分間フル出場し、トップチームでやっていける能力があることを示しています。トップ昇格しそうな来季は、貴重な戦力となってくれそうで楽しみです。
(同じ感じで、セルジ・ロベルトが出場停止となる今季最終試合のコパ決勝(27日、対アラベス)では、セルジ・パレンシアを使って良いんじゃないでしょうかね)
「人生唯一のチャンスのように」
リーガ初出場を果たしたマルロン・サントスは試合終了後、テレビのマイク前で次のように喜びを表しています。「自分の人生で唯一のチャンスだったし、全力を出せるように頑張ったよ。こういうチャンスのために毎週トレーニングをしているわけで、準備は出来ていたと思う。これからもハードワークを続けていくよ」
落ち着いた受け答えをするマルロン青年ですが、最初はさすがに「ちょっと緊張していた」と認めています。「でも感情を上手く抑えられたし、最後は全て上手くいってチームは勝利を得ることができたね」「チームメイトたちのサポートがあったおかげで、安心していられたよ。ウンティティとテル・ステーゲンは自信をもらった。チャンスをくれたミスターにも感謝してる」
トレーニングが3連休となり、週末まで試合のない今週ですので、明日あたりには各メディアにこのマルロンに関する追加ニュースも出てくるんじゃないかと思います。なにはともあれ、トップチームでの初先発&リーガ初出場おめでとう。そして少し気が早いですが、来季のさらなる飛躍を楽しみにしております!
コメント
エンリケは控えの選考基準に守備力を最重要視しているようなので
タイトルの懸かった試合でパレンシアをスタメン起用するのは考えづらいですね(昔ほどポゼッション重視でもないですし)。
余裕のある試合展開になってチャンスが回ってくることに期待しましょう。