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T. シウバ作戦始動

 

動き始めた、世界No.1セントラル獲得作戦。

ユーロ2012開幕がいよいよ週末に迫り、盛り上がりを見せてきている欧州各国のスポーツメディア。ラ・ロハが連覇を狙うスペインとてそれは例外ではなく、代表戦翌日のこの月曜は首都系メディアも「ドン・イニエスタ!」と盛り上がっているところでありますが、カタルーニャ系SPORT紙は独自の路線を走ってメイン記事に「ミランが扉を開いた」。そう、言うまでもなくブラジル代表セントラル、チアゴ・シウバについてであります。

 

◇チアゴ・シウバはバルサにOK

SPORT紙は日曜日から、「バルセロナでの挑戦を受け入れたチアゴ・シウバ」としてミランのセントラルを大きく取り上げています。ウソかホントかは当人たちのみぞ知ることですが、SPORT紙が報じるところによりますと、バルサとチアゴ・シウバ間ではもうすでにおおよその話はついているのだとか。同紙がまず挙げているのは、昨年夏の選手によるこの率直な告白コメントです。「あとは両クラブによる法的な問題なんだ」。

バルサとシウバでの間では話はついたよ、と思わせるこの発言。当然バルサ系メディアは食いつき、ミランサイドは即刻消火にあたったわけですが、この夏はチアゴ・シウバに関するウワサ話は燃え広がることなく、さっさと消滅しています。去年はなんといってもセスク復帰作戦がクラブの最優先事項だったので、セントラルはまあどうでもよかったのです。

しかし1年で状況は変わり、新たにバルサを率いることになったティト・ビラノバはチアゴ・シウバを第一優先目標に挙げていると言われます。ミランを取り仕切っているアドリアーノ・ガッリアーニはもちろん、「彼を放出する考えはない」と何度も釘をさしていますが、そのあたりは海千山千の交渉師である彼のこと。もし引止めが不可避となった場合の備え、可能なかぎり高値で売るための一手と見るのが妥当でありましょう。とりあえず重要なポイントは、長く険しい交渉作戦の、その一歩が動き出したこととなります。

 

◇月曜に交渉開始か

3日(日)のお昼過ぎ、バルセロナ港に大型客船が到着しました。船の名前は”Di Splendida”号。乗っていたのはACミランが主催する”ロッソネロ・クルーズ”の参加者たち(4000人!?)と、代表取締役のアドリアーノ・ガッリアーニ、トップチーム監督マッシミリアノ・アッレグリ、そしてフランコ・バレジやダニエレ・マッサーロ、セルジーニョといったレジェンドたちです。このタイミングでのバルセロナ訪問ですから、下船の瞬間にガッリアーニさは報道陣のマイクを向けられます。彼が強調したのは、これはあくまでもバカンスによる滞在である点でした。「私はここにバケーションのためだけに来たんだ。チアゴ・シウバについて交渉するためじゃない」

“ロッソネロ・クルーズ”は地中海の各所を巡る旅だそうで、土曜日にジェノバを出港し、この日曜中にはバルセロナからも去って行きました。しかしカタルーニャ州都に残った人物もおりまして、それがACミランのFIFA代理人エルネスト・ブロンゼッティさんだそうです。彼はこの月曜、どうやらFCバルセロナの代表者たちと話をする予定だと言われています。代理人氏はすでに伊スカイスポーツにおいて、「交渉はまず4~5000万ユーロから始まることでしょう」と発言しています。

SPORT紙はチアゴ・シウバはバルサ入団希望だと自信をもって報じています。となると、その希望を知っているミランとしては、おおよその最終的な着地点は設定しているはず。ジェノバからバルセロナへのクルーズの途中で、ガッリアーニ氏はブロンゼッティ氏とバルセロナでの交渉について、十分な打ち合わせを行ってきたことでしょう。ということで、この月曜に行われるとウワサされている一発目交渉にまずは注目。バルサが選手の約束を取り付けていて、相手クラブが扉を開いているのであれば、あとはどこで折り合いが付くかです。ガッリアーニさんは土曜夜、客船に同行したメディアに向かってこうも述べています。「チアゴ・シウバはプライスレス。しかし我々のクラックたちが全員来季もチームに残ると、私は約束できない」

 

◇ボティアは買戻さない

スポルティング・ヒホンに所属し、FCバルセロナが買戻しオプションを有しているセントラル、アルベルト・ボティア。守備陣に不安を抱えるバルサですので、この夏はあるいは買戻しを実行するのではないか、という話も(若干)出ていたのですが、結局クラブには250万ユーロを支払って彼を呼び戻す、もしくはなんらかのオペレーションのトレード要員に使う、といった考えはないようです。

メディア情報によりますと、バルサとしてはボティア買戻しを端から放棄していたわけではありません。しかし彼に興味を持っているといわれていたクラブ(アトレチコ、バレンシア、セビージャなど)からは具体的なオファーはひとつもなく、積極的だといわれていたマラガも、フェルナンド・イエロが去ってからは話はお流れ。ならば敢えて駒を動かし、選手の将来にへんな影響を与える必要はないですし、リスクを抱えることもない。今年のオプション行使期限(6月15日)をただ待つのが好いと判断した模様です。よって予期せぬところからの好オファーがないかぎり、バルサがボティアの代理人に電話をかけることはなく、彼とバルセロナとのご縁もまた一歩終了へと近づきます。FCBのボティアに対する買戻しオプションは2013年までとなっています。

 

◇ジョルディ・アルバ

のんびりと休暇を過ごしているであろうボティアと異なり、ドキドキの初夏を送っているであろうのがジョルディ・アルバです。ラ・ロハで自身初となるビッグイベント、ユーロ開幕が数日後へと迫り、メディアではバルサ入り確実のニュースが連日飛び交っている。もちろん代表での任務に集中していることでしょうが、落ち着かない6月上旬であろうと推測します。

SPORT紙の伝えるところによりますと、ジョルディはすでにラ・ロハの親しい選手に対して、来季はきっとバルサでプレーすることになるだろうと語っているそうです。まあこの手のロッカールームでの内緒話は多くのケースで登場する定番ネタですので、きっとそうなんだろうと想像して楽しむのが吉。マスコミに対してはマイクのないオフレコトークにおいても、アルバはまったく失言はしていないようです。些細な発言であっても誤解を生みかねないので、肯定も否定もしないよう、代理人氏にアドバイスされているのでしょう。

オペレーションに関しましては、バレンシア(1500万ユーロを要求)とバルセロナ(1100万ユーロをオファー)の希望には400万ユーロの開きがあると言われています。1500万ユーロでOKとするなら交渉はさっさと終わるけれども、時間をかければ値切りはきっと可能。しかし間が悪いことにこの夏はユーロがあり、左ラテラルのレギュラーが確実のアルバは、活躍によって値が上がる可能性も高い…
悩ましいところであります。

 

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