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さらばケイタ!

 

熟考の結果、退団を選択したマリの職人セントロカンピスタ。

この週末から週明けにかけ、アンドレス・イニエスタの結婚式と並んで大きなニュースとなったのがセイドゥ・ケイタのバルサ退団です。バルサ残留が有力視されていたケイタでしたが、最終的に彼が選択した答えは中国・大連への移籍。バルセロニスタとしては寂しいかぎりですが、この4年間の彼の貢献とプロフェッショナル精神には、感謝の言葉しかありません。さらば、そしてこれまでありがとうケイタ。

 

金銭面で合意せず

では何故セイドゥはティト・ビラノバやアンドニ・スビサレッタからのラブコールを断り、大連と2年半契約を結ぶことになったのか。SPORTウェブ版に掲載されているインタビューによりますと、やはり経済的な理由、それも税金によるところが多かったそうです。

SPORT紙は今回、ケイタへ訊きたい質問を読者から募っています。そのうちの1つ、ハビエル・ガルシア・ヒメネスさんの質問、”完全に納得しての退団か?”に彼はこう答えました。「納得してるよ。僕らは合意に至ろうと何度も何度も話し合ってきたからね。でも合意には至れなかったんや。僕は残留したかったし、最後までそうなるよう努めてきた。もしそうでなければ、バルサと話をせずに去っていたやろう」

一方、ライバル紙であるMUNDO DEPORTIVO紙にも”独占”というタイトル付きでケイタのインタビューが掲載されてまして、そこで退団の理由をこう説明しています。

「単に合意に至らなかったということ。僕らは長い間話し合ってきたんやけど、新しい税金の問題(スペインでは5年目以降の外国人は所得税が24%から43%になる)が最終的にものを言ったんや。2週間前、クラブからはもうなにも出来ることはないと言われてね。僕は増税分の一部を負担してほしいと提案したけれど、そこで合意には至らなかった。僕はずっと残留が第1のオプションやと言ってきたし、そうなるように努力はした。僕は去る。でもクラブには一切恨みは感じてないんや。全くその逆やね。クラブが与えてくれたものに、僕はいつまでも感謝し続けることやろう。ここではすばらしい4年間を過ごさせてもらった」

そして。「簡単な決断ではなかったよ。だって僕は、世界最高のチームにいたんやからね。もし税金の問題がなければ、僕は残留していたと思う。僕にとってはおカネは人生の全てではないし、残留したかったけれども、僕はもう32歳やし、大連からのオファーを受けることにしたんや。僕と家族にとって、新しい挑戦が始まる」

 

「これは運命の問題」

選手ティトと話をした時のことを、ケイタはこう説明しました。「ティトには残ってほしいと言われたし、僕もそうしたかったけれど、これは半分は税金の話やったからね、彼も理解してくれたよ。クラブが利益を守るのはごく普通のこと。そして僕も自分の利益を守るということや。でも僕はバルサに失望なんてしてないよ。彼らも僕の残留を望んでいたからね。僕は神を信じているし、これは運命の問題やったんやと思うんや」

税金と運命の問題であるからして、「ペップと同時期の退団となったけれど、彼とこれはなんの関係もない」というケイタ。ファンにどのように覚えておいてほしいですか?の問いには、彼は「ひとりの選手として、僕はカタルーニャ人でもスペイン人でもなかったけれど、このユニフォームに全てを捧げてきた。少なくともそうあろうと心がけてきた」と回答。そしてカンプノウでお別れを言う機会はあるでしょうか?との質問には、こう語っています。「きっとね。またバルセロナへと戻ってきて、カンプノウに行くよ。このインタビューを通じて、僕はクラブや理事たち、ファン、テクニコ、ティト、ロレンソ、ナバル、それにチームメイトたちみんなにありがとうと言いたいんや。彼らとはここで素晴らしい4年間を過ごせたよ」

同僚たちの中でも、ケイタが特に仲良しだったのはエリック・アビダルです。「僕らはほとんど毎日話をしているんや。彼には土曜の夜に電話をかけて、説明をした。彼は僕の幸運を祈り、そして僕がどこへ行こうとも応援すると言ってくれたよ。そして僕にとって最良の決断やから、前へ進めと言っていた。エリックは友人じゃない。彼は僕の兄弟なんや」

ちなみにケイタは中国へ行ってもガバの自宅は手放すつもりはなく、「引退してからバルセロナで暮らし、人助けをしたい」とのこと。「人生は僕に多くのものを与えてくれたし、時間ができれば、なにかお返しをしたい」と語っています。

そしてインタビューの最後に、ケイタはバルサファンに向けてこうメッセージを送りました。「これまでしてきたように、チームをサポートし続けてほしい。クラブはこれからもタイトルを獲得し続けるやろうからね。これから僕は遠くからバルサを応援することになるけど、心はいつもクレだよ」

これまでありがとう!ケイタの元にも多くの幸運が訪れますよう!スエルテ!

 

ペップに相談

またMUNDO DEPORTIVO紙の”トップシークレット”記事によれば、セイドゥ・ケイタはその揺れる胸の内を敬愛するペップ・グアルディオラへと打ち明けていたのだそうです。中国の大連から年俸1400万ユーロのオファーを受けている、バルサに残ると税金問題がキツイetc.etc… この弟子の相談に対して、ペップ師匠は理解を示し、ケイタが考えを深めていく後押しをしたのだか。どこまでが真実かは不明ですが、もしそういうことがあったのであれば、ミスターの言葉はケイタに少なからぬ影響を及ぼしたことでしょう。

 

そしてハビ・マルチネス

セイドゥ・ケイタは地味な選手ではありますが、このバルサにおいてはとても重要な存在でした。事あるごとにペップ・グアルディオラが称えていた人間性やプロフェッショナル精神、ピッチ内外での尊敬に値する振る舞いのほかにも、持ち味であった2列目からの飛び出しであるとか、ベテランとしてのバランスの取り方の巧みさであるとか、フィジカルの強さや身長によるある種のライバル対策であるとか、ピボーテやインテリオールを卒なくこなせるポリバレント性とか、いろいろです。

その貴重な戦力であるケイタ(ベンチスタートにも決して不満を漏らさない)がチームを去ったことで、困ることの1つがセルヒオ・ブスケツを休ませたい場合のオプションです。基本的に丈夫で、メッシに迫るほどの試合出場数をこなせるブスケツですが、さすがに出ずっぱりは不可能。ティトチームでなにげにかなり恐怖なのは、このセルヒオの長期離脱です。

ティト・ビラノバはマスチェラーノをピボーテとして考えず、セントラルだとみなすようなので、この中盤の底はブスケツのみとなります。昇格するジョナタンという選択肢は・・・・
さすがに厳しそうでならない。ということでより重要性を増してくるのがハビ・マルチネスの獲得となり、セントラルの補強も同時に解決してくれる彼が、バルサ系メディアとクレの今の最大の関心事となっています。

しかしハビマル獲得における問題点は、言わずもがなの高額な経費です。4,000万ユーロの違約金を支払う以外、彼を出すことはないと繰り返すアスレチック・クラブに、どう交渉のテーブルについてもらうのか。バルサとして多少有利なのは、マルチネス本人が移籍に前向きになっていて、熱烈プッシュのバイエルン・ミュンヘンよりはFCバルセロナを希望していると言われている点です。

ハビ・マルチネスは最近のとあるインタビューで、こんな風に語っています。「どこかのクラブが僕のために、そんなにたくさんの金額を支払うとは思えないよ。僕は自分に4,000万ユーロの価値があるとは思わない」

メディア情報によれば、バルサがハビマル獲得のために払ってもいいと考える額は3,000万ユーロだそうです。アスレチックが絶対に違約金の割引はしない!と言うのであれば、不可欠になってくるのはここ数年の定番となっている選手の協力。いろんな形での協力が必要となります。普通に行けば、ほぼ不可能なミッション。交渉事を得意とするサンドロ・ロセイ会長がどう持っていくか。見ものです。

 

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