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ぷち情報集(5/31)

 

◇アビダルの執刀医、語る

時が経つのは早いもので、明日からはもう6月という今日この頃。まずは前向きな話題から入ってみましょう。去る4月10日にエリック・アビダルの肝移植手術を担当したel Hospital Clinic de Barcelonaのファン・カルロス・ガルシア-バルデカサス医師がTV3の取材に応じ、次のようにコメントしているのです。「回復次第ではありますが、私は彼のプレー復帰を否定しません。答えは時間が教えてくれるでしょう」

ドクターはこう続けています。「肝臓は3ヶ月で再生する臓器です。アビダルは少しずつ回復しなければなりませんが、手術から3~6ヶ月、あるいは1年が経過するまでには、患者は日常生活を送れるようになります。身体が脆弱になっているこの最初の3ヶ月間は、感染症から身を守るため、アビダルは注意を払わなければならなりません」。それで退院後もどこにも顔を出していないアビさんなんだな、とようやく理解するわたくしであります。

ガルシア-バルデカサス医師はこうも認めています。「たしかにアビダルの生命は危険な状態となっていました。唯一の選択肢が、肝移植だったのです」。そして。「アビダルの病に気付いたのは1年前、定期検査でのことです。その後は徹底的な検査、分析が継続的に行われてきました。彼の肝臓に新たな問題が見付かる可能性が存在していたからです」

彼はなんでも、2000年にスペインで初めて生体肝移植を行った人だそうです。そのドクターは4月のオペについては、こう語っています。「(ドナーと被ドナーの)2つの手術を同時に行っていましたので、危険度はさほど高くないにせよ、とても複雑な手術でした。どんなオペにもリスクはあります。今回のケースのそれは小さなものでしたが、存在はしていたのです。アビダルは午前8時に手術室に入り、出たのは午後11時半です。オペチームは、30名で編成されていました。手術中は落ち着いていましたが、その前後は有名なスポーツ選手ということで緊張していました。世界中からの注目を集めてしましたので… 」

ガルシア-バルデカサス医師はまた、ドナーとなったアビさんのいとこ、ジェラールについても称賛しています。「ドナーが抱えるリスクは、被移植者よりも大きなものとなります。世界では多くのドナーが亡くなっているのです」

病気の回復には、メンタルも重要な要素となるようです。「アビダルはいつだって元気です。彼は非常にポジティブな性格ですし、彼が愚痴を口にしたことは一度たりともありませんでした」。ということでアビさんが健康な日常生活を少しでも早く取り戻し、スポーツをまた楽しめるようになりますように。トップアスリートへの復帰は厳しそうですが、たとえ数分でもカンプノウのピッチに立つ姿が見れたら、そんなステキなことはありません。

 

◇ティトの新契約は時間の問題

クラブによってトップチームの新監督として発表され、すでに新シーズンのチーム作りに着手しているティト・ビラノバですが、彼は”正式に”新監督に就任したわけではありません。バルサとティトはまだ、来季以降の契約書にサインを行っていないからです。

しかしながら契約内容の交渉は始まってまして、昨日30日にはティトの代理人であるジョゼップ・マリア・オロビッチ(ペップと同じ代理人氏)とクラブは、近日中の合意に向けて話し合いを実施。交渉はとんとん拍子で進んだらしく、あるいは今週中の公式発表もあるかもという感じだそうです。

契約期間に関しましては、ティト・ビラノバはペップとは異なり、まずは2シーズン契約を求めていると各メディアは報じています。ペップ時代にはボスに合わせて毎年更新していたティトですが、自分が監督となってからは安定を求めるクラブのリクエストも考慮し、2年間を希望するようです。

さて下世話な外部ファンとして気になるお給料ですが、こちらは推定500万ユーロはいくだろうと見られています。前任者のカリスマ監督には遠く及ばぬのは言うまでもないのですが、コーチ時代に手取り300万ユーロを得ていたというティトなので、責任がばりばり増えるボスとなる以上は給料も相応に増えるのは普通のこと。しかしペップの1年目って、100~200万ユーロあたりだったと記憶しているので、それに比べると新人なのにトップクラブの監督らしい額です。そこはこの4年の実績というところでしょう。クラブと当人たちしか知らない、サラリーに関する秘密条項もあると言われています。

まあなんであれ、重要なのはティトが満足感をもって仕事に臨み、2年後には契約が新たに延長されていることです。バモス、ティト。

 

◇新GKコーチはルベン・マルチネス

ティト・ビラノバと共に仕事を行っていくスタッフ・テクニコの陣容も徐々に明らかになってきています。ペップからチームを引き継ぐティトですが、この夏にはフィジカルトレーナーのロレンソ・ブエナベントゥラと、ポルテーロコーチのファン・カルロス・ウンスエの退団が決まっていました。しかしバルサにはスタッフもカンテラから引き上げるという手段があります。このふたりの穴は、いずれもフベニールAからの昇格で補うことになったのです。

ブエナベントゥラの後任としてエドゥ・ポンスが昇格するのに続き(28日の記事参照)、ウンスエの後釜もまたフベニールAチームから、ルベン・マルチネス・カバジェロ(35歳)が昇格することとなりました。外部からの招聘も考慮された模様ですが、やはりカサを知っているというのが重視されたのでした。

ルベン・マルチネスはバルサのフットボル・バッセに5年間在籍していた経歴を持ち、フィリアルでプレーしていた1997-98シーズンには、ヘスプの控えだったビトール・バイア、カルラス・ブスケツが負傷していたことを受け、バンガールによってリーガのレアル・ソシエダ戦に招集を受けています。無論、仕事内容も抜擢の一因でして、今季の彼は革新的だというトレーニングメソッドを考案・実践しているんだそうです。

ということでスタッフ・テクニコに関しましては、あとはティトのアシスタントが誰になるのかが不明なだけ。メディアの情報どおりに事が運べば、それもジョルディ・ロウラ(現セウタ監督)でGO!ということになる模様です。

 

◇移籍あれこれ(チアゴ・シウバ、ケイタ、アルバ)

イタリア方面で八百長疑惑による火事が炎上しているようですが、これが思わぬ形でチアゴ・シウバ獲得を狙うバルサの追い風となるかもしれない、とMUNDO DEPORTIVO(MD)紙が大きく取り上げています。FCB新監督となるティト・ビラノバはまず守備ラインの強化を最優先に考えていて、その第一候補がミランのブラジル人セントラルだと言われています。それは非常に困難なオペレーションだと考えられていましたが、ここへきてのカルチョでの(見慣れてはいるけれど)スキャンダル。MDによれば1986年からオーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニがミランの売却も考えていて、それに伴って主力選手たちが大量放出になるかも、というのです。

マリオ・モンチ首相も疑いの目を向けていて、事によれば2、3年のコンペティション中止も囁かれている(?)らしいセリエA。ベテランたちの大量退団(ネスタ、ガットゥーゾ、バンボメル、ザンブロッタら)を受け、大黒柱としての決意を固めていたであろうチアゴ・シウバですが、他にも主力の移籍がウワサされる状況では、どうなってしまうんだろうか・・・?との思いが芽生え、育ってきていることと想像できます。暗雲が迫っているのです。

しかしカルチョ騒動によってチアゴ・シウバがやって来るとすれば好しとしても、その移籍金値切りオペレーションの一部としてイブラヒム・アフェライの名前が挙がっているのがなんとも不憫で。ティトはイビのことを実際、どのように考えているのでしょうかねぇ。カンテラっ子であるクエンカとテージョは大事に思っているようですが。

ケイタの残留を希望

ティト・ビラノバは29日、後任監督としての仕事を始めています。つまりはスポーツディレクターのアンドニ・スビサレッタと来季の構想について話し合いを行ったのですが、ここで彼は退団が有力視されていたセイドゥ・ケイタの残留を要求したそうです。一方でケイタの第一希望もバルサ残留。しかしただ残りたいわけではなく、プレー機会が今季程度では難しいかもしれません。そのあたり、ケイタは近々ティトから直接プランを聞くことになるでしょう。そして代理人氏とクラブが話し合い、折り合いが付けばこの問題は解決です。

アルバとは合意済み

もはや移籍交渉成立は間違いないだろう、と見られているのがバレンシアのジョルディ・アルバです。昨日はチェのセクレタリオ・テクニコであるブラウリオ・バスケスさんがラジオ・ガレガの取材に対し、「私はバルサがアルバを欲しがっていると想像している。何故なら彼はカタランであり、左ラテラルだからね。バルサが彼に興味を抱くのは普通のことだよ」とコメント。クラブとして交渉に応じるしかないと認めたものと推定できます。

メディア情報が正しいとすれば、バルサとアルバはもう”できちゃっている”状況ですので、バレンシアは不利な立場で交渉につくことになります。バルセロナはこのオペレーションに対し、1000万ユーロぽっきりで行く予定だとか。いずれにせよ事が具体化するのは、バレンシアがツアーから帰ってくるという週末以降です。アルバの代理人ホセ・マヌエル・タッレガからはすでに、「ユーロ前に決着をつけてほしい。将来のことが宙ぶらりんでは、人は落ち着かないんだ。ジョルディな明快な考えを持っている」との圧力がかかっています。

オペレーションが早期にスムーズに決着するためには、バレンシアのみならず、バルセロナ側も譲歩する必要があるでしょう。チェの要求が1500万ユーロでバルサのオファーが1000万ユーロであれば、1200万ユーロあたりが落としどころか。アルバ側にも強引な手段に訴えるつもりはありません。みんなが納得のいく結論に、早いうちに到達できればすばらしいです。

 

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