監督の信頼が自分を羽ばたかせていると4番。
さていよいよ今週は、チャンピオンズでのミラン戦、リーガでのマドリー戦が行われるセマナ・グランデ(ビッグウィーク)です。バルサとしての目標はもちろん2連勝。まずはサンシーロにて良い手土産を持ち帰り、週末のカンプノウにて快哉を叫ぶことが出来れば、しばらくは非常に幸せな数日間を送ることになりましょう。そのためにはクラックたちが本領を発揮することが必要であり、メッシ、ネイマール、アレクシスらとともに活躍が期待されるのがセスク・ファブレガスです。マルティーノ監督就任以降、ようやく本来の持ち味の出し方を見つけてきた感のあるアスルグラナの4番。一つの転機となったのは、プレシーズンでの監督とのある会話だったそうです。
ドキドキの監督交代
言わずもがな、フットボル選手の運命は監督によって大きく変わってきます。監督交代は、ある種の選手たちにとってはチャンス。新監督がどんな構想を練っているのか、自分の扱いはどうなるのか、ロッカールームは期待やちょっとした不安に包まれるようです。ティト・ビラノバが病の再発で突如舞台を降り、その後任がヘラルド・マルティーノに決定した時もそう。それらの知らせをバケーション中に聞いていた選手たちも、さぞ落ち着かなかったことでしょう。
マンチェスター・ユナイテッドからのオファーを断り、今年こそバルサでの成功の第一歩とするぞ!と決意していたセスク・ファブレガスも、新監督エル・タタのプランは気になっていたはずです。しかし彼は、マルティーノの就任プレゼンテーションでの言葉を聞き、「おっ!」と思いました。この会見で監督は、「セスクはここに残る。クラブが2度(ユナイテッドからのオファーを)断っているのだから、私の答えもノーだよ」と即答。そして良い波は来ているかも、との予感はプレシーズンの直接会話によって確信に変わるわけです。
「タタは僕に大きな自信を与えてくれている」
今日より1週間前、14日付のSPORT紙に、セスクに自信の翼を与えたタタ・マルティーノ監督の言葉が紹介されていました。その記事でセントロカンピスタはまず、新監督就任に伴うロッカールームの雰囲気を次のように説明しています。「新しい監督が来る時、選手はみんな自分がどういう役割を担うのか注意を払う。それは重要な役割かもしれないし、嬉しくないものかもしれない。おそらくそれは、新監督にとっても気持ち良くはないだろうね。フットボルは一日でがらりと変わり得る世界。なにか起こるのか期待するんだ」
そして、我が事について。「僕はその時バケーションでセルデーニャにいて、監督が会見で僕のことをすごく良く言っているのを読んだ。報道陣はマンチェスター・ユナイテッドに関する質問をして、彼ははっきりとそれに答えていた。マルティーノは僕が残ることを望んでいた。その言葉が僕に大きな自信をくれたんだ」
バケーションを終え、チームに合流したセスクは、さっそくマルティーノ監督とロッカールームで対話をしたそうです。「トレーニングに加わってすぐの頃だったよ。ペップとティトはあまり個人的に話をするタイプではなかったし、タタに呼ばれるとも予期してはなかったね。そこで彼は僕に、アーセナル時代の僕になってほしい、僕は持っている資質を一切隠すべきではないと言ったんだ。彼が僕に求めたのは、ベストを出し切ること。僕のような選手はタンスの中に物をしまっていてはダメで、自由な精神を持ってプレーすべきだということだった」
セントロカンピスタは続けます。「ミスターは僕に大きな自信を与えてくれてる。チームのために自分の長所を伸ばせと監督に言われるのは基本だからね。彼は僕にチャンスを与えてくれたし、物事は順調に運んでるよ」
パンプローナでは決定機を2つ外し、“いつもの得点力はどうしちゃったの?”とクレを嘆かせたセスクでしたが、ミラン戦とマドリー戦ではなんとなくやってくれそうな予感。大一番でデッカイ仕事をすることが“成功”には不可欠ですし、ここは彼の生み出すダイナミズムに期待したいと思います。フォルサ!
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