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ソング値上がり?

 

アーセナルとの交渉は一筋縄ではいかない。

この移籍交渉はそう難航することなく、おそらくは近日中に完了するだろうと言われていたアレックス・ソング獲得作戦ですが、やはりといいますか、当然ながらといいますか、もうひと山ありそうな感じとなってきています。アーセナルは決してソングの放出を拒んではいないようなのですが、条件としてつくのはいつもの”適正価格で”という文字。それが幾らだと彼らが考えているのかといいますと、英London Evening Standard紙によれば、1,800万ポンド(約2,300万ユーロ)なんだそうです。

 

交渉ポイントは出来高条件

各メディアが伝えるところでは、FCバルセロナは今週、まずは1,500万ユーロから交渉をスタートしています。対するガナーズ側の要求額は2,000万ユーロだと言われてましたし、それならば妥協点はおそらく1,800万ユーロあたりになるだろう、と見られていました。もし両クラブの差額が100万ユーロ以内であるならば、バルトメウ副会長がロンドンへとさっさと再度飛び、交渉を終わらせる予定だとMUNDO DEPORTIVO(MD)紙は報じていました。

しかしそれが2,300万ユーロへと上がるとなると、話はまた面倒なことになります。しかもMD紙の続報によれば、アーセナルの要求額はLondon Evening Standard紙が伝えるよりも多い2,500万ユーロ。バルサの今年度予算が2,600万ユーロ残っていることから、言い値を吊り上げたというのですが、実際のところは分かりません。本当っぽいけれどウソかもしれない。いずれにせよ、こちら外野ファンが勝手に1,800万~2,000万ユーロで決着と思っていただけなのですが、なんとなくガナーズに騙された気分です^^

それはさておき、もしそれらの記事のようにアーセナルの要求額が2,300~2,500万ユーロなのだとしたら、バルサは頭を使ってオファーを練り直さなければなりません。あるいはターゲットを変更するかです。予算があるからといって、ここで全部使っていいわけじゃない。どんな選手にも適正価格ってものがあり、買い手には買い手の評価額がある。ここは値切り作戦がスタートするとして、出番となるのは、バルサ恒例ともいえる”出来高セットプラン”であります。

例えば総額が2,300万ユーロに近いものになるとして、ロセイ理事会としては可能なかぎり出来高部分を増やすことを狙います。逆にアーセナルは固定額を増やすか、出来高の支払い条件を低くすることを目指してきます。昨年のセスクの場合は基本2,900万ユーロ+出来高500万ユーロ+セスクの減俸分500万ユーロだったわけですが、出来高の部分は”今後5年間でリーガを2度制すれば400万、2015年までにチャンピオンズも制すれば満額500万”という条件らしく。そして昨年のバルサはリーガもチャンピオンズも失ったことで、アーセナルがボーナスを受け取る(幾分)可能性は減っていて、ソングの場合はもっと条件を緩くしろ、といってくると十分に考えられるのです。

ということで、ソングの移籍交渉は出来高払いの駆け引き次第ということで。ジョルディ・アルバのケースも同じように言われていましたが、ふたを開ければバレンシアの希望が通って出来高なしの1,400万ユーロとなりました。さて、ソングの場合はどうなる。

 

ガスパール元会長のアドバイス

FCバルセロナとアーセナルは昨年のセスクを例に出すまでもなく、何かと関わりのあるクラブです。その始まりとなったのが2000年のフィーゴ事件発生後の、オーベルマルス&ペティの太っ腹ダブル獲得。フィーゴがマドリーへ移籍した際に残していった豊富なペセタを使い、その当時の会長ジョアン・ガスパールがふたりを高額に獲得したのですが、ソングの交渉について、その元会長のコメントを取るのが面白いと考えたのがバルセロナのCOMラジオでした。

ガスパール元会長はこのラジオ局の取材に対し、ソング獲得についてこう見解を述べています。「バルサには思い悩む理由はないと思う。条件が受け入れられるものなら獲得すればええし、そうでないなら獲得しなければええんや」。ごもっとも。そして。「私はソングは来ると思ってるよ。英国のクラブは買い手であり売り手やからね。これは彼らにとってのビジネスで、彼らは株式会社。アーセナルには経済的な圧力もある。最終的には合意に達すると思うし、バルサのテクニコが彼を必要だと考えるのなら合意に至ることやろう」

バルサの副会長、そして会長として二十数年間クラブのフロントにいたガスパールさんは、英国のクラブとの交渉も数多くこなしてきました。「イングランド人との交渉は疲れるんや。彼らと交渉をする一番の方法は、バルサがやっているように、ひとつの額で決めたらそこから動かさんことやね。彼らはそれで変化がないと思ったところから、真剣に対話を始めてくる。額がまだ上がると見たなら、どこまでも要求してくるんや」

またガスパールさんは会長当時のオーベルマルス獲得について、こんなふうに説明しています。「適切な補強だというのが共通した認識やった。テクニコたちにとって、彼は理想的な選手やったんや。彼は偉大な選手ではあったけれど、ただ怪我で運がなかった。交渉は実にハードやったよ。私たちが彼を欲しがっていることを彼らは知っていたし、買い手がどれだけおカネを出せるのか、そういう情報を彼らはとてもよく知っているからね。そういった条件で交渉するのは難しいものや」

 

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