ルイス・スアレスとネイマールの後ろでプレーする。
水曜日(16日)の記者会見においてチーム構想を訊ねられ、“複数の戦術デザインを持つ”ことや、“持てる資源をフル活用”していきたいとの考えを述べたルイス・エンリケ監督。ルーチョ色の新チームを作り上げていく中で、どうしても避けられないのは大エースリオネル・メッシの起用方法です。これまでにもエンリケバルサでのレオは、これまでとは違った役割が与えられていくと言われていたレオですが、奇しくも18日(金)のSPORT紙とMUNDO DEPORTIVO紙はどちらも、今季は彼がポジションを下げてプレーするだろうと予想。いわゆるトップ下でパス能力を活かすとしています。
レオが独りで決めなくてもよい
テクニコとフロントが思い描くチームデザインでは、最前線で相手ゴールへと迫っていくのはルイス・スアレスとネイマールになるようです。レオ・メッシはこれまでの“偽9番”よりは少し後方へとポジションを下げ、プレーへの参加数を上げつつ2人のデランテロのポテンシャルを最大限に活かす役割を担っていくと。従来の4-3-3に選手を当てはめていくのではなく、選手の長所を活かすためにシステムを準備する感じです。
ルイス・エンリケが目指すのは、相手チームのタイプや試合状況に応じて、戦術を上手く変化させていくチーム作りです。タタ・マルティーノが昨シーズン試み、志半ばで挫折したことにルーチョは再び挑むわけですから、簡単な道のりではないでしょう。ただ、部外者のタタさんが“ポゼッションを放棄した”などとメディアから批判を受けたのに対し、人気者であり希望の星でもあるガッツ兄貴はずっとやり易いはず。“実験”が上手くいくことに大いに期待します。
メッシがボールを受けるために中盤へと下がってきて、そこからおもむろにドリブル突破を開始、敵陣へと突っ込んでいくというような場面はバルサやアルゼンチン代表でよく見られましたが、SPORT紙によると、ルイス・エンリケはこの単騎突破は望んでいない。彼が無双だった時期はともかく、今はもうそれが通用しないことは証明されていますので、不必要な努力は避け、周囲と連係することで守備網を崩す、そういう役割に“進化”していくということです。なんたってバルサは8千数百万ユーロをかけ、、とっておきのゴレアドールを雇ったのです。
新たな役割
ディ・マリアが離脱した後のアルゼンチン代表では、メッシはチャンスメイクに重点を置き、前線のデランテロたちに仕上げの任務を託していました。ああもう少しアルヘンに優秀なセントロカンピスタがいれば、、と思ったものですが、幸いなことにバルサにはそういったタレントは揃っています。イメージとしては、アルゼンチンのメッシシステムを参考にバルサ風の味付けをする感じでしょうか。MUNDO DEPORTIVO紙のデータでは、メッシは2008/09シーズン以降312ゴールをマークしつつ、チーム最多となる111アシストも決めています。チャビ(87)やイニエスタ(69)を大きく上回ります。ルイス・スアレスとネイマールなら、レオのお膳立ては確実に活かされていきそうです。
御大クライフは「この3人でチームプレーなんて出来ない」と断言していましたので、是非、見返してほしいものです。あとはネイ-メッシ-スアレスだと中央が渋滞しそうなので、いかにそれを避けるか。ネイマールはやはり左に少し張り気味?両ラテラルのサイド活用法、中盤(ラキティッチやマスチェラーノ)がどのように穴をカバーしていくか、、、ドブレピボーテ(4-2-3-1)にした場合のメッシとイニエスタの兼ね合い、、いろいろ気になります。何気にイニエスタも転機っぽいです。
状況に応じてメンバーもフォーメーションも変化させ、展開を先読みされないチームにすると監督は目標を語っていましたが、場面によって世界最高クラックを外す勇気がルーチョにあるかどうか。いずれにしてもメッシの役割はゴレアドールからパサドール寄りにシフトするようなので、あとはそれを彼が上手く消化していけるかでしょうか。新しい役割は思いのほか楽しいかもしれません。ピッチ上で楽しそうなレオを見たいです。
ここ数年は攻撃の重責をほとんど背負い、心身両方で消耗しているように見えるレオですから、ゴールに飢えまくっているスアレスにそっちの重荷を引き受けてもらうのが、なにかと利益がありそうです。FIFAさんの処分が軽減されないと、彼は11月までトレーニングも出来ないんですけどね、、、
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