トップチームからフィリアルに戻るのは難しい。
2014年最後のFIFAウィークに突入している今週前半。クリスティアノのメッシ侮辱騒動、相変わらず騒がしいジェラール・ピケ周辺、ペップのバルサ監督はもうしません宣言などがこの数日の主要ニュースとなっていますが、ここでは敢えてマイナーどころを突いてみます。
最近エンリケチームではめっきり姿を見なくなっている、バルサBのサンドロ・ラミレスについてです。
プレシーズンでルーチョに気に入られ、本シーズン開幕後も数週間トップチームと共に行動。
リーガとチャンピオンズで計3ゴールをあげるなど、順風だと思われていたデランテロでしたが、ルイス・スアレスの処分が明けたことでフィリアルに戻って以降は再スタートに苦労している次第です。
シーズン開幕当初の活躍
ムニール・エル・ハッダディとサンドロ・ラミレス。
今シーズン開幕当初、バルセロニズモはこの2人のカンテラーノの登場に頬を緩めました。
カンテラから活きの良いデランテロが2人も出てきて、しかもゴールという結果を残したのですから、メディアはちょっとした祝宴。ジェラール・デウロフェウなる若者が少し前までいたことは、だいぶきれいに忘れられました。
話題としてはモロッコ代表との絡みやフル代表招集などがあったムニールが多めでしたが、活躍内容としてはビジャレアル戦(0-1)ではチーム唯一となる決勝点を決め、アヤックス戦(3-1)でもイヤな雰囲気を終わらせるダメ押し弾(93分)を入れるなど、サンドロの方が上だと個人的には思います。あとは19歳とは思えない面構えがとても好みで。
ムニールを重用するルイス・エンリケには、少々不満もあったりします。そしてルイス・スアレスを起用できるようになったことで、フィリアル(B)に戻ったのは“9番”タイプのサンドロでした。
求められる切り替え
サンドロは10月最終週(対マドリー)にスアレスと入れ替わるようにトップチームでの招集外となり、その翌日に出場したバルサBのテネリフェ戦(0-0)では先発するも前半だけで途中交代。
続くスポルティング・ヒホン戦(0-0)は56分からの出場で、先週末のベティス戦(1-0負け)でようやくフル出場でした。
この状況はサンドロも予想していなかったようで、ヒホン戦の後、「これは思ってなかった。これまでのようにハードワークを続けていくよ。決めるのは監督だから、僕はそれを受け入れて、前に進むしかない」とコメントしています。
一方、トップチーム戻りの選手の難しさについてはエウセビオ・サクリスタンはこう説明します。こちらもヒホン戦の後のものです。
「サンドロが私たちのトレーニングにいたのは2回だ。1回目がテネリフェ戦の前日。チームと彼のために、前半で代えようと前から決めていた。今回もBチームでのセッションに通しで参加したのは1回だけ。だから私はチームでいつもトレーニングをしている選手たちを先発で使い、サンドロは起爆剤として後半に入れたんだ」
バルサB監督は、「トップチームに居たわけだから、多くの出番を求めるのは分かる。彼はメンタルも良い。少しずつ出場時間は増えていくさ。そしてクオリティとリズムでチームに貢献してくれるだろう」と理解を示しつつも、一度上を経験した選手がフィリアルに戻るのは容易ではないと指摘します。
「トップチームからバルサBに戻る選手の頭はカンプノウに、リーガやチャンピオンズにあるんだ。それが突然ここにきて、全てを頭から消して100%集中するというのはとても難しいさ」
バルサBのために全力を尽くす
自分が所属しているのがフィリアルであることは十分に分かっていても、日によってトレーニングをする場所が違うというのはなかなかに大変なのは、外野のファンにでも想像はつきます。
サンドロにとって幸いなのは、バルサBの仲間たちが(複雑な感情もあったりするのでしょうが)普段どおりに彼に接してくれることです。デランテロは言います。
「いつものように、チームの1人として扱ってくれてるよ。特別扱いはないね。僕は自分の出来るかぎりの事をしようと集中してるんだ。チームに必要とされるために僕はここにいるからね」
「トップチームでの経験にはとても満足してる。もっと野心的でありつつも、もっと謙虚であるようにと学んだんだ。最高の選手たちから多くを学ぶのは光栄なこと。これからももっと、その機会を得られることを期待してるよ」
(ちなみに、、バルサBは現在、第10節から第12節にかけて3試合勝ちが無く(1分2敗)、得点0。順位も12位と苦労しています。
プレーを見てないのでなんとも言えないのですが、第9節のアルコルコン戦に4-1で快勝した以外は、第7節のルゴ戦が0-1負け、第8節のラシン戦が0-0とゴールがないので、サンドロの復帰が復調のきっかけになれば・・・!)
ルイス・エンリケは元々バルサBの監督でしたし、エウセビオ・サクリスタンとも良い関係にあります。
アシスタントのジョアン・バルバラは昨季までエウセビオの助手だった人物で、今季はトップとフィリアルの橋渡し役として日々若者たちの情報をエンリケに上げ、一方でルーチョの求める選手の情報をエウセビオへと伝えている。
来年の冬まで補強ができないバルサにおいてはカンテラーノたちの成長が非常に大きなポイントとなりますから、サンドロをはじめ、サンペールやセントラルの若手たちが力強く伸びてくれますように。。。という月並みな締めで失礼します^^;
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