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アレイシ・ビダル「夢が叶った」

幾つものクラブを渡り歩き、バルサに戻ってきたカタラン。

FCバルセロナとバルセロナの街が三冠チームの凱旋パレードとカンプノウでの祝勝会に沸いたその翌日、2015/16シーズンの最初の入団選手であるアレイシ・ビダル(25)の入団プレゼンテーションが行われました。スペイン代表に招集を受けており、すぐにも合宿へ合流するビダルなので、獲得発表から入団までの動きが非常に迅速。これだけチャチャチャと入団するケースも非常に珍しいです。副会長の説明によると移籍金は1,800万+出来高400万ユーロ。そして会見でのコメントを見るに、自分への自信が強く、野心的な選手だなという印象です。

入団プレゼンテーション

どうやらアレイシ・ビダルのバルセロナ移籍が濃厚らしいぞ、と本格的に報じられたのはたしか、5月27日のSPORT紙でした。そこからしばらくはチャビの退団発表やルーチョチームの国王杯、チャンピオンズ優勝のニュースによって消えていたビダルの件でしたが、バルセロニスタが三冠達成の歓喜に酔いしれている7日(日)夜にクラブが獲得を公式発表。選手はその日すでにバルセロナへとやってきており、翌8日(月)に入団に関する各種恒例の行事が執り行われた次第です。

月曜朝に市内の病院とシウター・エスポルティーバでメディカルチェックを通過したアレイシ・ビダルは、お昼過ぎにカンプノウへと到着してVIPゾーンにてジョゼップ・マリア・バルトメウ会長、ジョルディ・メストラ副会長と契約書へのサイン儀式。横縞&赤パンツの2015/16ユニフォームに着替えてグラウンドでのフォトセッションを行った後、リカルド・マシェンクス会見室にて入団プレゼンテーションを行っています。このあたりの中継映像を見ていて思ったのは、キラキラ光る透き通った瞳をした選手だなということ。ラキティッチもそうですが、こういう目の人は個人的に好きです^^

バルサのカンテラにも所属

アレイシ・ビダルの瞳が輝いていたのは、彼が夢だと語るクラブへと“戻ってきた”ことも大きいでしょう。アレイシはタラゴナ県バルス(プッチパラート)生まれのカタルーニャ人で、2001/02シーズンにはバルサのインファンティルBに所属していて、ジョルディ・アルバとチームメイトだったそうです。しかしバルサカンテラでの生活はその1年で終わり、その後はCambrills、ヒムナスティック、レアル・マドリー、レウス、エスパニョール、ダム(レンタル)、Panthrakikos(ギリシャ。レンタル)、Pobla Mafumet、ヒムナスティック、マジョルカBと毎年のようにクラブを転々。バルサ入団へと至った選手としては珍しい流浪のキャリアです(今後、いろんなエピソードが発掘されるはず)。

そんな彼がようやく落ち着いたのは2011年に入団したアルメリアで、2年目にはレギュラーとなってチームのプリメーラ昇格に貢献。その活躍がモンチSDの目に留まって2014年6月に300万ユーロでセビージャへと移籍し、ウナイ・エメリの下で良い働きをしたことで、今度はバルセロナの目に留まったのでありました。大きかったのはエメリ監督によってシーズン終盤に前線からラテラルへとコンバートされ、それに上手く適応したこと。バルサは今回ビダルを1,800万ユーロ(+出来高400万)で獲得しています。

ALEIXの発音

ちなみに彼のファーストネーム“Aleix”はスペインでもいろいろと“呼び間違えられている”のだそうで、SPORT紙がチャビ、セスクに続くたくさんの発音違いを聞くことになるであろうケースだとして紹介しています。

それによるとチャビは当初“サビ”と発音されることが多かったのだけれど(バンガールもそう言っていた)、オリジナルの発音を何度も何度も繰り返す不断の努力の結果、少しずつ世界が正しい音を学んでいったと説明。セスク・ファブレガスの場合も、カタルーニャ人以外には上手く発音されず、“チェスク”、“セクス”、“エスク”などいろんなバリエーションで呼ばれていたとしています。

そして今回のアレイシもそれに続くケースになるだろうとし、すでに“アレックス”やら“アレイク”、“アレス”など様々な呼び名が登場していると紹介。昨日の入団プレゼンテーションで司会者さん、メストラ副会長、質問をしていた記者さんたちの発音を聞く感じでは、“アレイシ”、“アレイシュ”あたりのカタカナ表記が近かった印象です。シが近いかなと思いますが、実際発音してみるとシュも混じる感じです。

「4ヶ月間プレーできないことは不都合じゃなかった」

前述のように、幾つものクラブを転々としてのバルセロナ復帰ですから、アレイシにとってその嬉しさはひとしおでしょう。入団会見で彼は、この今の気持ちをこう表しています。「夢がひとつ叶った。娘が生まれた後では、人生で一番重要な日だよ。かつて1年間自分のカサ(家)だった場所に戻ってきたんだ。もしこれが勝者のサイクルの始まりとなれば最高だね。フットボル選手は誰もが生計を立てる術を見つけなければならず、僕はいろんなところを探し回ってきたけれど、これが自分の最後のチームになれば好いなと思ってる

2015/16シーズン最初の補強選手であるビダルですが、誰もが知っているとおり、FIFAの理不尽な制裁によってバルセロナは2016年冬のマーケットまで新規選手の出場登録ができません。しかし彼はそのことは特に問題ではないと言います。「交渉が真剣なものだと知った時、4ヶ月間プレー出来ないことは僕にとっては不都合じゃなかった。僕には守備面で改善すべきことが幾つかあるから、その時間を活用していくよ」「バルサは学び続けるには最高の場所だ」

そして目標として参考にしてきた選手を訊ねられたビダルは、それは自分自身だと答えました。「小さな頃はアイドルがいたけど、参考にする選手はないんだ。僕は自分だけを見てきたし、毎日ハードワークしながら、出来る限りのことをやって稼ぎを得てきたよ」

去就が注目されるダニ・アルベスですが、もし彼が残留することになれば、アレイシ・ビダルにとっては強力なライバルとなります。「ポジション争いは各選手のベストを引き出すためのポイントのひとつだと思う。決断するのは僕ではないけれどね。もし彼が残るなら歓迎するし、健全な競争となるだろう。僕の中でダニは世界最高の右ラテラルのひとりだけど、最高ではない。僕は自分の能力を知っている。これは僕にとってプレッシャーじゃなくて挑戦だよ。彼と僕にとって競争はプラスとなるだろう」

メストラ副会長はまた、ダニ・アルベスの状況についてもコメントしてまして、「もし彼が残留することを望んでいないのなら、私たちは良い内容のオファーを提出したりしていなかっただろう。これから最後の答えを出すのは彼だ。彼は早急に決断をしないといけない」と述べています。

「ルイス・エンリケと話したよ。彼が監督になると思ってるからね」

このアレイシ・ビダルの入団会見で、もうひとつ注目を集めたのはルイス・エンリケの去就です。最近の報道では続投でほぼ決まりとされていますが、公式には続投を表明していないミスター。ルーチョについての質問を受けたアレイシのコメントは、続投を示唆するものでした。「彼とは今朝話をしたよ。何を話したのかは内に留めておくけれど、自分がとても満足してるとは言えるね」「ルイス・エンリケと話をしたのは、彼が来季の監督になるだろう人だと思うからだよ」。

そして会見に同席したメストラ副会長もまた、「アレイシ・ビダルの名前はスタッフ・テクニコから出てきたものであり、ルイス・エンリケが獲得の許可を出した」「彼にはあと1年の契約がある」とミスターの残留を示す発言をしています。

アレイシ・ビダルがルイス・エンリケと出会った場所は、メディカルチェックのために訪れたシウター・エスポルティーバです。監督はちょうど、シーズン最後の片づけをするために監督用オフィスを訪れていて、テストを終えたビダルとエンリケは施設内のどこかで出会ったと。SPORT紙によると会話は10分ほど続いたそうですから、挨拶程度ではなく、それなりに話し込んだといえます。そもそもビダルは“ルーチョの”補強選手だとされていますし、余程のことがないかぎり、来季もルーチョバルサだと考えて大丈夫じゃないでしょうか。ルイス・エンリケは昨日から夏休みへと旅立っています。

 

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