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タイトルへ向けて視界良好のバルサが、気をつけること

炎上する白組、タイトルに順調に近づくバルサ しかしまだ3月、三冠と盛り上がるには早い

マドリー方面から、心地の良い風が吹いてきています。ここ数年は炎上と鎮火を繰り返し、チャンピオンズ制覇によって全てを覆ってきたチャマルティン界隈ですが、今季はそれもできない。漂ってくる香ばしい香りに、つい気を取られそうです。

しかし。三冠に向けて順調に歩みを進めるバルサは、こういう時こそ気を引き締め、最悪のケースも起こりえるとの心構えで事に臨まねばなりません。リメンバー・ローマ。あの悲劇を忘れるな。リメンバー・2015/16。リーガもチャンピオンズも、まだ先は長いのです。

バルセロナが最高の初夏を迎えるために必要なことを、いくつか見てみましょう。

リーガはまだ12試合(36ポイント)も残っている

バルサは現在、ラ・リーガで2位アトレティコに7ポイント、3位レアル・マドリーには12ポイントもの勝点差をつけています。連覇に向けて、視界良好。

けれども、気を抜けばすぐに雨雲に覆われるのがリーガの世界であり、バルサにはわずか3シーズン前に安泰のはずだったタイトルが危険にさらされた記憶があります。「2つのリーガを制したシーズン」といわれる、2015/16です。

あのシーズンは3月12日の第29節でヘタフェに圧勝(6-0)するところまでは順調でした。リーガ12連勝。公式戦37試合無敗

それが第30節のビジャレアル戦で引き分けて以降、第31節のカンプノウクラシコで敗れ(1-2)、第32節にアノエタでも負け(1-0)、第33節にはバレンシアにも黒星(1-2)・・・。2位アトレティコに勝点で並ばれ、3位マドリーにも1ポイント差に迫られました。

そうして3チームによる“残り5試合のリーガ”が再スタート。ルーチョバルサが気迫の5連勝でタイトルをつかみ取ったことで、「2つのリーガを制した」と笑って後日談にできたのでした。

いまの勝点差でも、油断はできるものではない。
白い方のマドリーは、湿気った海を漂流しているにせよ、シメオネチームに7ポイント差なんて安心するにはまだ少ないです。

白いクライシスを他山の石に

チャンピオンズはさらに険しい道のりが残されています。
まだラウンドは1/8 final(準準々決勝)で、もしリヨンを下せたとしてもバイエルン、リバポー、マンチェスター・シティ、アトレティコ、それに白組・・・はもう居ないか失礼、といった強豪たちとの戦いに勝ち抜いていかねばならない。

まず、リヨンとの1/8 final ブエルタ(第2戦)も危険がいっぱいです。
要塞カンプノウで勝てば良いとはいえ、0-0はリヨン側に有利なスコアですし、事故的にゴールを奪われ、引き分けに持ち込まれれば敗退になってしまう。フットボールの女神にそっぽを向かれないよう、真摯に汗を流し、勝ちにいく必要があります。

マドリーや、PSGの敗退は良い教訓になるでしょう。
バルベルデは「アヤックス戦のマドリーに起こったことは、私たちにも起こるかもしれない。リヨン戦では用心が必要だ」と述べています。

そしてテクニコは選手たちがピッチ上で最高のパフォーマンスを出せる状況を整えねばならない。

昨シーズンの、ローマ遠征を前にしたレガネス戦も教訓です。
あの試合にバルサはレオ・メッシのハットトリックによって3-1で快勝するのですが、チングリは攻撃陣を温存せず。スアレスは後に「レガネス戦で休まなかったことを後悔している」と語っています。

ローテーションの案配

気を緩めることは禁物で、かといってリーガも鉄板イレブンを使い続けるような采配は避けねばならない。絶妙なローテーション具合でイメージを落とすことなく試合に勝っていく。この案配が難しいです。

歴史的な無敗優勝がかかっていたことで、昨季のバルサはリーガで無理をすることになった。
あの失敗を繰り返さぬよう、バルベルデは水曜日のスーペルコパ・カタルーニャで温存した主力の何人かをさらにラーヨ・バジェカーノ戦でも休ませるんじゃないかと予想されています。

早く癒やしたい心の生傷、しかし焦るなかれ

最近のバルサ系スポーツ紙の記事を見ていると、もうそこら中で「Roma」という単語を見ます。それだけあの大失敗がクレの心の生傷となり、まだじくじくとお汁を流しているということ。同じ過ちを繰り返してはならない、とコンディション調整の重要性を説く各紙です。

一方で、三冠、三冠と前のめりになるのも危険。
現場はまだトリプレーテを意識することなく各試合に臨んでいるでしょうが、メディアはそろそろこの単語を見出しに使い始めている。まだ3月なので、気が早いとしか言いようがないです。

バルサがトリプレーテを達成した2009年も2015年も、バルセロニズモ全体を包み込んだエネルギーの波動のようなものがあり、無敵のティキタカ、無敵のMSN+チャビへの花道によって栄冠へと突き進んでいきました。

そんなエネルギーが今はまだ感じられない。バルサは勢いに乗って突っ走るクラブゆえ、「全部倒してオレたちが王者になる!それはもう決まっている!」みたいなムードが出来たら三冠を期待しましょう。急ぐことはない。前進していれば頂点は見えてきます。

コメント

  1. レト より:

    苦しい時期はやり過ごしましたが、層が厚いようで薄いのが今のバルサですからね。
    国王杯決勝は相性の悪いバレンシアですし。
    上手く誤魔化しつつ終盤に合わせたコンディション調整を求めます。
    CLは宿敵のように恥さえかかなければいいです。

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