少し迷ったが、退団は考えなかったと。
この夏、最も去就が注目されたバルサ選手のひとりが、マルク・バルトラでした。ここ2シーズンの試合出場数が50に届かなかったことで契約解除金がバーゲン価格の1,200万ユーロとなり、複数のクラブが獲得に名乗りをあげたという若きセントラル。最終的に彼はバルサ残留を決め、クレをほっとさせましたが、その結論に至るまでには幾つかの迷いがあったと、生まれ故郷Sant Jaume dels Domenysにて開催中の自らの名前の冠せられたフットボルキャンプを訪れたマルク・バルトラが、各メディアの取材に応じその心境を明かしています。
いつもバルサを選び、上手くいってきた
最初にマルク・バルトラのフットボルキャンプについて軽く触れておきますと、、彼の名を冠したキャンプは今年で3回目となります。参加対象となるのは2000年から2009年に生まれた少年少女で、第1クールが6月29日(月)から7月4日(土)まで、第2クールが7月6日(月)から11日(土)まで。公式案内ページがカタルーニャ語なので、読めないところも多いのですが^^;、参加費は1週間で220ユーロ、2週間で430ユーロです(地元割引もあるみたい)。個人のキャンプだけあってマルクと触れ合える時間も多そうですし、双子の兄エリックがコーチを務めたりしているみたいです。
そのマルク・バルトラが第1クールの最終日となる土曜日にメディアの前に登場。約1週間前に報じられたバルサ残留の決断について説明をしています。彼は複数のメディアに対しコメントをしているのですが、SPORT紙のインタビューによると、それはこうです。「なにが最善なのかは誰にも分からないけれど、自分の人生において選択に迫られた時に僕はいつもバルサを選び、それで上手くいってきたからね。バルサは僕に全てを与えてくれたし、これからもそれが続いていけば好いなと思う。(中略)僕はこのチームやチームメイトたちととても上手くやれているし、バルサ以上の場所はどこにもないだろう」
国王杯やチャンピオンズの決勝で出場機会がなかったことは、彼の心に迷いを生んだか。その質問にセントラルはこう答えています。「少し辛いシーズンの終わり方だったよ。序盤は継続して試合に出場していたけど、後半はあまりプレーできなかった。ビッグマッチが訪れれば、自分が出られると信じるものだからね。。後になってもっと冷静に考え、ここのようなチームでプレーするのは難しいと思ったんだ」
決断する上で金銭面は優先ではなく、「自分がいるべきだと感じる場所でプレーすることが一番。僕はバルサを自分のカサ(家)だと感じている」と述べたセントラル。バイエルンのようなクラブが関心を示したことは自尊心を強くする上で役立ったけれど、「別のユニフォームを着ている自分を一度として考えたことはない」とのことです。ここまでのコメントを見るかぎりでは、彼は迷いの森の奥地に入り込むことなく、わりと早くに抜け出せたようです。
ルーチョは勝った後に物事を変えられる監督
とはいえバルサに残ると決めた理由のひとつに、来季は状況を変えられるとの思いがあったのは確かでしょう。ルイス・エンリケからの電話が効いたか?と訊ねられ、バルトラは言います。「ミスターは次の年に物事を変えられる監督の一人だよね。別の監督であれば、もしタイトルを獲ったなら、同じように物事を進めるもの。ミスターとであれば、より成果を出した選手がプレーするであろうことを僕は知ってるんだ。そうなるよう、僕は全力を尽くしていくよ」。彼の言うとおり、ルーチョなら守りに入らない感じはします。
近いうちに子供が生まれることも決断に影響したのか、との問いには、「小さな子供はどんな場所にも適応するものだから、影響はなかった。決断はスポーツ面でのみ下すべきで、僕の頭がバルサだと言ったんだ」と語ったマルク。その熱いバルセロニスタぶりについて訊かれた彼は、理由は分からないけれど、家族がクレというだけでなく、忍耐強くバルサで頑張ってきたチームメイトたちを見てきたことでそうなったのだろう、、と言っています。マルクはまた、「名前は明かさないけれど」としつつも、「あらゆるタイプの助言を受けたし、バルサが最高の場所なんだと思った」とも述べていまして、先輩の残留アドバイスも効いたみたいです。
バルサに残りたくても叶わない選手が多数いるなかで、バルトラの場合はクラブから求められているわけです。ポジション競争にトーマス・ベルマーレンが加わってくる2015/16シーズンも決して簡単ではないでしょうが、バルサ残留の選択が正しかったことがパフォーマンスによって示されますよう。ものすごく期待してます!
イニエスタ&ブスケツはNIKEキャンプ
一方、正直なところ記事としては蛇足なのですが、、、毎夏NIKEがアンドラにて開催する子供たちのためのフットボルキャンプが、今年も絶賛実施中です。このキャンプは同スポーツ用品メーカーが契約するFCバルセロナのスター選手が訪問することで有名ですが、今回の第一クール(6月28日-7月4日)は豪華にアンドレス・イニエスタとセルヒオ・ブスケツがそのゲストコーチ役を務めました。
17回目を迎えた今回のNike Camp Andbank de Andorra には、8歳から16歳までの少年少女250人が参加したそうです。子供たちは俗世間から離れたピレネー山脈の小国アンドラの静かな環境の中で一週間、フットボルをみっちり練習(朝夕2回)。それだけでなく夕食後には様々なゲームがあったり、郊外活動で山へと出かけて自然の中で身体を動かすなど忘れ得ぬ経験をしたとのことで、実に羨ましく思います。クレとしてはさらに、最終日にはバルサ選手がゲストとしてやって来るのが羨ましい。今年の先生はアンドレス・イニエスタと、Nikeキャンプ初参加というセルヒオ・ブスケツでした。
(ちなみにフットボルだけでなくバスケットボールでもNikeキャンプはあり、こちらはファン・カルロス・ナバーロがやってきたようです。そして5日から始まった第二クールには、マルク・バルトラ、アレイシ・ビダル、セルジ・サンペールらが日替りで訪れるとのこと)
クラックたちとの触れ合いはこのキャンプの目玉です。最終日の会場となったアンドラのナショナルスタジアムのピッチに、声援を受けながら登場したアンドレス・イニエスタとセルヒオ・ブスケツは、アイドルとの接近遭遇に胸弾ませる子供たちに順々にサイン。そのお楽しみサインタイムが終わればチーム別に分かれてのゲームとなり、クラックたちの講義に子供たちは一心に耳を傾けていた模様です(MD紙)。保護者は観覧席ですので、おそらく我が子が相当に羨ましかったんじゃないでしょうか。
最後は恒例、チビッ子たちによる選手への質問タイム。バルサのカピタンたちは、バルサでプレーできると考えてた?トップデビューの日はどんな感じだったの?現役が終われば監督になりたい?セルヒオ・ラモスはマドリーを退団する?メッシとネイマールはどっちがすごい?チャビがいなくなって寂しい?などと質問に答えています。ブスケツさん、「まだずっと先のこと」としつつも、「監督になりたい」そうでありますよ。
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