バルサの求めにより、ごく内密に行動。
先週金曜日(10日)、カンプノウにて行われましたアルダ・トゥランのFCバルセロナ入団プレゼンテーション。幸せいっぱいの笑顔でバルサの新ユニフォーム(まだ見慣れない^^)に身を包み、エスクードに口付けをし、会見では改めてバルセロナ入団が夢だったと語り、とそれはもうこちらも無条件に嬉しくなるようなイベントでありました。今回のオペレーションは最近では珍しいほどに水面下で進行し、突如サブマリンの如く私たちの面前に姿を見せたわけですが、そのキーマンとなったのは代理人のアフメト・ブルト氏が、地元トルコにてその裏話を明かしています。
「両親にも言ってはならない」
移籍オペレーションには幾つかのタイプがありますが、今回のアルダ・トゥランの場合は、大怪獣が突如日本近海に姿を現すかのような、そんな唐突感がありました。6月下旬に彼の名前がメディアに報じられ、その一週間後にはバルセロナ移籍でほぼ決着していた。しかし実際のところはもう何週間も前から、話し合いは水面下で進んでいたのだ、とアフメド・ブルト代理人がトルコのHurriyet紙の取材に対し説明しており、それを見るとかなり慎重に事が進められたのだと判ります(トルコ語はさっぱりなので、スペイン語に訳された幾つかのニュースを参考)。
アルダ作戦の中心人物となったアフメト・ブルト代理人によると、話が動き出したのは5月のことでした。「2ヶ月前のことだったよ。私はアルダへと電話をかけ、会って話をしなければならないと言ったんだ。電話ではなく、会う必要があるとね。キミにとって驚くような話があるんだ、と私は彼に言った」
ブルト氏が最初に行ったのは、アルダへの口止めでした。「彼にはまず、これから話すことを決して口外しない、両親にも言わないと誓わせたよ。アルダはそれを承諾した。その後、私たちはバルセロナへ行くぞ、と明かしたんだ」
こうして、ルイス・エンリケが2015/16シーズンの補強対象としてキミの事を欲しがっている、と代理人氏より伝えられたアルダ・トゥラン。マヂかー!?と歓喜の小躍りをする姿が想像できる瞬間ですが、どうやら彼は最初のうちはその話に半信半疑だったようです。「初めはアルダはそれを信じられないようだった。なので2週間後、彼の携帯にバルセロナとの会議の写真を彼に送った」。これでようやく、アルダはブルト氏からの話がジョークでもドッキリでもないことを知りました。
パリでの密会
そのバルサ側との話し合いが行われていた場所は、イスタンブールでもバルセロナでもなく、フランスのパリでした。「私がパリにいるのは、デンバ・バ(ブルト氏の別の顧客)の移籍についてPSGと話し合うためだと誰もが考えていた。けれども実際は、会っていたのはバルセロナの人たちだった」、「その会議の数週間後、私たちはイビサへと行き、アトレティコ・マドリーの会長(エンリケ・セレーソ)と話し合った」
アルダ・トゥランの移籍交渉に関し、「バルセロナからはかなり慎重に行動するように求められた」と明かす代理人さん。選手本人による御口チャックもしっかりと守られていたようで、「彼の父親がバルサについて知ったのは、契約書へとサインをする直前になってからだった。その段になって、アルダは恩師であるファティ・テリム監督と家族に電話をかけたんだ」と説明しています。父上もさぞ驚いたことでしょう。いきなり息子のバルサ入りですから、事によっては新手のオレオレ詐欺のような^^
そして現実となったアルダのバルサ移籍。アルダがその夢のチームでどのような役割を演じたがっているのか、アフメト・ブルト代理人は、「メッシ、ネイマール、スアレスが三銃士で、アルダはダルタニャンになるだろう」と表現しています。ヒゲのダルタニャン、、、はともかく、これまでのところ、このブルト代理人は好感が持てます。アノ代理人さんとは大違い^^;
バルトメウ 「辞任した時には話はかなり進んでいた」
一方、バルセロナの前会長ジョゼップ・マリア・バルトメウは、このアルダ・トゥランとの交渉について、Cadena COPEの番組にて次のように説明しています。「チャンピオンズ決勝のころ、私はアルダと、バルセロナで一度会いたいと話をしていた。私が(選挙のために)会長を辞任した時には、彼の補強交渉はかなり進んでいたんだ。この件について、将来私が得意げになることはないだろう。彼にはすでに入団おめでとうと伝えたし、ルイス・エンリケには望んでいた選手が来たねと言ったよ」
前会長はさらに「アルダとアレイシについて交渉するために、彼らの所属クラブがシーズンを終えるのを待っていた。彼らはルイス・エンリケが望んでいた選手たちだ」と付け加え、「ポグバは監督から要求されていない」、「ユベントスからはずっと前から、ポグバを売るつもりはないと言われていた。ユベントスとの会談は私が去った時には予定されていないものだったが、クラブは働き続けている」とも述べています。ラポルタへのけん制。
それらの言葉から総合すると、ルイス・エンリケは少なくとも5月前には続投でほぼ決心していて、ポグバに関する動きはアリエド・ブライダが監督の希望とは関係なくやったこと、となりますか。2003年の選挙キャンペーンでベッカム獲得のバルーンを飛ばしたように、ジョアン・ラポルタはいまもポグバにこだわっていますが(曰く、「今夏でも実現できる。1年待つ必要があるのは事実ではない」)、いまいち支持が伸びないことに焦ってきましたでしょうか。
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