BATE戦の目標はグループステージ突破を決めること。
この水曜日(日本時間 木曜早朝)にチャンピオンズ第4節のBATEボリソフ戦をプレーするFCバルセロナですが、前節に行われた敵地での試合に0-2で先勝しているとあって、メディアに緊張感はありません。現在グループEを勝点7でリードしているバルサは、この試合に勝って、かつローマが引き分け以下なら1/16ファイナル進出が確定。その目標はまあ達成するだろうということで、前日会見ではヘタフェ戦終了後のハロウィーン馬鹿騒ぎを始めとした、BATE戦に直接関係のないテーマが中心となっています。当日のスポーツ紙で表紙を飾っているのは、あと2ゴールでマラドーナのバルサ記録(38)に並ぶというルイス・スアレスです。
鎮火しないハロウィーンの仮装騒ぎ
カンプノウ周辺において、ここ数日の大きな話題となっているのがレオ・メッシのクラシコ出場可否と、ヘタフェ戦終了後に選手たちがやらかしたハロウィーンの馬鹿騒ぎについてです。その翌日にはバルサ公式ウェブを通じて謝罪の公式声明を発表した選手たちでしたが、ざわつきはいまだ収まることなく、BATE戦前日会見のルイス・エンリケは繰り返し投げかけられるハロウィーン絡みの質問と戦わなければいけませんでした。コメントからは、事を終わらせたいというバルサ監督の苦慮がうかがえます。しかし話を避けようとしたことで、結果的に失敗してるのですけれど。
「選手たちはすでに声明を発表しているし、彼らの言いたいことは全てそこに記されているんだ。どのようなネガティブな物事の中にもポジティブなことがある、それを学ぶためのベストポジションに私たちはいるけれど、今は自分たちが重要だと考えることに集中をしているよ」
「土曜日に起こったこと、それは私たちが良い試合をし、0-2で試合に勝ったということだ。その他の件については、サーカスの一部。選手たちからの謝罪はあったわけで、それで全て終わっている」
「私の時代には、ハロウィーンはなかった。カルナバル(カーニバル)はあったけれどね。ハロウィーンという言葉も知らなかったよ。あなたたち(記者)も時には仮装をしてみると楽しいんじゃないかな」(会場に笑いはなかった模様・・・)
その後もハロウィーン関連の質問が相次いだため、ルイス・エンリケは「その件はすでに答えたよ」、「次の質問をどうぞ」、「もし同じ質問を続けるのであれば、マイクは渡さない」など、強引に話を終わらせたようです。
BATE戦への質問はオマケ
翌日のBATEボリソフ戦については、周囲の注目度とは係わりなく、非常に重要な試合であるとバルサ監督は強調しました。「目標はグループリーグ突破を決めることで、その次にグループを首位通過することだ。どのようなことも起こりえるけれど、私たちは前年度王者として、準備が整っているとのメッセージを送らなければならない」
「私たちはグループを2位でスタートし、ボリソフでの試合も難しいものだった。試合に勝利することが私たちの目標だよ」、「ここでグループ突破を決められるというのはつまり、私たちが上手くやってきたということだ。幾つかの重要ポイントで改善がなされているので、それを続けていきたい」
メッシのマドリー戦出場を否定せず
数日前、SPORT紙が“レオ・メッシのクラシコ出場の可能性はなくなった”と報じた件に対しては、そういった事実は(とりあえず今のところは)ないというのがルイス・エンリケの見解です(ライバル紙のMD紙は、バルサの10番はそれが可能かどうかを調べるための検査が行われているところだと主張)。ルーチョは言います。「レオの回復具合は、通常のパラメーターの範囲内だよ。怪我によって回復の仕方は違っているものだ。ネガティブな報せは受け取ってはいない」
今をときめくセルジ・ロベルトに関し、デルボスケ代表監督の助手トニ・グランデがユーロ2016で招集される可能性があることを示唆しました。「彼がユーロに行けるといいね。自分のスカッドの選手が選ばれれば誰であれ嬉しいものだけれど、フィリアルでも一緒だったセルジの場合は尚更だ。もしそうなれば、すばらしいニュースだよ。代表に選ばれるのは難しいことで、スペインはさらにそうだけれど、彼はその準備ができているさ」
スポルティング・ヒホンへとレンタル中のアレン・ハリロビッチもまた、ここまで良いシーズンを送っています。「彼は最高の場所にいる。(アベラルド監督に)よくケアをされているし、パフォーマンス内容は非常に良い。もちろん改善すべき部分もあるとはいえ、彼にとって非常に興味深いシーズンとなりえるだろう」
今季は怪我人が多く発生していることで、昨年のようなローテーションが思うように出来ない状況が続いています。「昨シーズンは最後まで批判を受けながらも、自分のやりたいように出場時間を分けることが出来た。しかし今年は起用可能な選手数が限られていることで、彼らのプレー時間を増やさざるを得なくなっている。ただ、シーズンはまだ数ヶ月が残されているし、負傷者が戻り始めているほか、1月にも別の選手を取り戻せる。私たちが上手くやり繰りできるか、見てみようじゃないか。タイトル争いはシーズン終盤にある。そこでのチームのフレッシュさがカギとなるだろう」
また、ルイス・エンリケはネイマールとルイス・スアレスをトップに置いた4-4-2のウワサを否定しています。「おおよそのところとしては、考えてはいないよ。けれどもそれとは別のシステムやバリエーションは検討している」 おや、これは近々サプライズがあるかもしれません。
スアレスとベルマーレン
このBATEボリソフ戦での一番の注目点はFCバルセロナの勝利とグループステージ突破になりますが、ヘタフェ戦にて改善の見られたプレッシングなどがこの試合でもしっかりと行っていけるか、も注目ポイントです。選手個人では、バルサでのゴール数がすでに36となり、ディエゴ・マラドーナ(38)、ロマーリオ(39)の記録にあとわずかと迫っているルイス・スアレスがSPORT、MD両紙の表紙を飾っています。
マラドーナ(1982-83)とロマーリオ(1993-94)はどちらもフットボル史に名を残す偉大なクラックたちですが、バルセロナでの生活は短く、どちらも2シーズンで退団。しかし得点面での成績はさすがなもので、マラドーナはここまでのスアレスと同じ58試合出場で、ロマーリオは66試合出場でそれぞれの記録を残しています。“ペルーサ”の高い得点率に少し驚きました。好調スアレスはチャンピオンズに強く、今季もローマ戦とレバークーゼン戦でネットを揺らしていますから、今回も期待できそうです。
あとは、このBATE戦がバルサでのチャンピオンズデビューになるであろうトーマス・ベルマーレンです。ベルギー人セントラルは昨日のUEFA前日会見にバルサ選手代表として登場していて、今日の試合での先発が予想されます。例のハロウィーン騒ぎに参加していなかった“クリーンな”選手、ってことでお呼びがかかったのもかもしれませんが(曰く、「その理由で自分が話すことになったとは思わない」)、先発の可能性大と見て良いでしょう。トーマスは言います。
「もしプレーできれば、僕にとって特別な日となるだろう。フォームの良い瞬間に怪我をしたことには落胆したけど、今の状態はとても良いし、再び怪我をすることを怖れてはいないよ」
負傷を抱えた状態でバルサに入団し、これまでの1年3ヶ月ほどの大半を怪我の治療に充てていたことで、バルセロニスタはトーマス・ベルマーレンのことをまだよく知りません。数回のメディア露出から伝わってくるのは、彼が非常に大人であり、知性を感じる人物であること。開幕直後の数試合で見せたプレーは期待できるものだったと記憶していますし、その紳士で真摯なキャラクターゆえ、もっと試合で見続けたいと思わせる選手です。どうかベルマーレンさんの悪運がすでに終了していますよう。バモス・トーマス。
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