チームファイト、そしてネイマール:ビジャレアル戦

グループとして機能し、クラックが違いを見せて勝つ。

FCバルセロナが再び、会心の勝利を手にしました。しかも今回は、統率の取れた守備と魅力あるプレーによって一時はリーガのリーダーとなっていたビジャレアル。このカンプノウでも黄色潜水艦は組織立ったフットボルでバルサに圧力をかけ、各所で白熱した局地戦が行われていただけに、それに打ち克っての快勝はチームとしての上り調子を確認する上で非常に有効な機会となりました。ルーチョバルサは闘うグループとして確実に成長している。国際マッチウィークを挿んでのクラシコへと臨むにあたり、バルサは上々の状態となっています。それを牽引しているのがネイマールとルイス・スアレスの必殺コンビ。今のこの二人はもう止めようがない、そんな様相です。

プレッシングが復活

バルセロナに対抗するため、黄色潜水艦のマルセリーノ・ガルシア・トラル艦長が採用した策、それはポゼッションでの勝利ではなく、ピボーテの枚数を増やすことによる守備重視戦術でした。いつもはもう少し前にいるジョナタン・ドスサントスも守備に回し、バルサのスペースを封じたビジャレアル。前半、とりわけ前半序盤~中盤にかけての黄色チームのプレッシャーはきつく、クロス・ゴメス主審が彼らのハードな当たりに寛容だったことも手伝い、バルセロナには忍耐強いゲームメイクが求められました。1ヵ月半ほど前のバルサなら、あっぷあっぷだったことでしょう。

しかしチームとしての守備バランスが改善し、ハートの強さも手にしているルーチョチームは、相手の圧力に揺らぐことなくプレッシングを実行します。前半はゴールチャンスの数こそ少なかったですが、相手陣内でボールをよく奪回。そして時間の経過にしたがいリズムは上がり、後半の完勝へとつながっていきました。この守備の改善がパフォーマンス復調の肝プレッシングによって相手のエラーを誘い、そこを個人能力の高さによって確実に突くことで、ゲームの流れを引き寄せることが可能となっています。60分のネイマールの先制点は、ブスケツが良い位置でボールをカットし、エリア内へと絶妙なアシストパスを送り込んだことが決め手でした。

守備が良くなったことで、攻撃も良くなることを示しているバルセロナ。10月下旬あたりからのルーチョチームは、あの脆かった守りがウソだったかのように失点が減っていて、このビジャレアル戦で4試合連続完封を達成しています。あのビジャレアルに得点機をわずか1回しか許さなかったのですから、この勢いはホンモノです。

ブスケツとネイマール

このビジャレアル戦においても、セルヒオ・ブスケツのパフォーマンスはずば抜けていました。試合の流れを決定付けた、ブルーノのパスをカットしてからの間髪入れないネイマールへの見事なるラストパスは、そのポジショニングの良さ卓越した視野の広さ、パス能力の賜物。危険箇所を逃さずカバーするセルヒオがいることでチームにバランスがもたらされ、彼の正確なボールコントロールとパスがバルサのポゼッションの中心であることが、改めて証明された試合でした。ブスケツ以上にバルサのピボーテをこなせる選手は、今は存在しない。21日のベルナベウでも、勝負の大きなポイントを握る選手となることでしょう。

チームとしてのフォームが上がっている今のバルサにはブスケツのほか、ルイス・スアレスやイニエスタ、セルジ・ロベルト、ジョルディ・アルバ、ダニ・アルベス、ピケ、さらにはマテューやムニールまで、カギになりえる選手は数多くいます。そのなかでもやはり、一番の凄味をもった選手が、ここまでリーガ11ゴールと得点王争いを引っ張っているネイマールです。

バルサではロマーリオロナルドリバルドロナルディーニョという偉大なるブラジル人クラックたち(4R)が歴史を作ってきましたが、ネイマールもすでに彼らの領域に入っているといって過言ではなさそうです。ブスケツのパスを受けての先制点では、左足でボールをトラップし、左足でポルテーロの横を射抜くという作業をいとも簡単に完遂。さらに3-0の場面では腰トラップから右足ソンブレロで相手デフェンサを抜き、ボールを地面に落とすことなく右足シュートの一撃・・・ なんでしょうこのスペクタクルなゴラッソは。

現地メディアでは、ロナウジーニョによる2006/07シーズンのビジャレアル戦のゴラッソ(チャビの浮き球パスを胸トラップし、体を捻って反転ボレー)や2004/05シーズンのオサスナ戦(後ろからのボールを右足で浮かせ、反転右足ボレー)のゴラッソとそっくりである!と絶賛されています。そしてゴールだけでなく、アシストやプレッシングでも貢献しているのがネイの良さ。ルイス・スアレスにペナルティキックを譲るなど、チーム優先の精神も◎です。

そんな試合のたびにすばらしいプレーを量産するネイマールを、ルイス・エンリケは次のように称えました。「私はロナルディーニョとプレーをする幸運に恵まれていたけれど、トレーニングの時から、彼のボール捌きには目を奪われていたよ。ネイマールもそう。彼らは唯一でスペシャルな選手たちだ。ゴールや(派手な)プレーが目立つ選手だけれど、チームのための働きもすばらしい。これから多くの個人賞を手にすることだろうね」

マドリーを3ポイントリードし、次節直接対決

この勝利によってバルセロナは、リーガ4連勝を飾りました。チャンピオンズを加えれば、6連勝。それもただ白星を連ねているだけでなく、内容が良くなってきていることで、バルセロニズモも非常にポジティブな雰囲気となってきました。ちょうど1ヶ月前には、レオ・メッシの脱税容疑を巡ってのゴタゴタがあり、チームの出来も低調。希望といえばセルジ・ロベルトの躍進くらいだったのが、まるでウソのような11月に入ってからの好転ぶりです。アンドレス・イニエスタが怪我から戻ってきたヘタフェ戦から、チームのムードとパフォーマンスが変わりました。

難敵ビジャレアルに快勝した後、ルイス・エンリケが称えたのはグループとしての守備改善でした。「チームは今伸びてきているし、プレーの重要な部分で改善が進んでいる。それは明らかだよ。シーズンのベストな瞬間はまだまだ先だと期待しているけれど、ビジャレアルのようなチームにほとんどゴールチャンスを作らせなかったことは、私たちの守備のレベルを示しているし、上手く守ることによって、その後の得点やボール喪失時のプレッシャー実行を容易にしている。攻撃と守備は関係し合っているんだ」

相手を消耗させた良い前半をなくして、あのような後半を完成させることは不可能だ。ビジャレアルに走らせ、自陣エリアの近くで守らせる必要があったんだ。そして私たちは数多くのゴールチャンスを生み出したよ」

「機能しなかったポイントを分析し、選手たちへとそれを示してトレーニングを重ねている。守り方は昨シーズンにかなり近づいてきているよ」「今季は昨年とはまた状況が異なっているけれど、重要なのは私たちが改善していて、望む順位にいるということだ」

この記者会見の時点ではまだ分かってはいませんが、その約4時間後には勝点24で並んでいたマドリーがサンチェス・ピスファンで敗れたため、バルサは白組に勝点3の差を付け、単独首位で次節ベルナベウ決戦に臨むことになりました。どうやらあちらさん、チーム内の騒動かなにかで苦しんでおられるようで。ルーチョチームは逆境を力に変え、一致団結してイヤな流れを脱しましたが、さてベニテスチームはどうリアクションしますでしょうか。サンティアゴ・ベルナベウが悔しさで歯ぎしりする、そんな夜が13日後に訪れることに期待です。

そして代表戦へと赴くバルサ選手たち(特にムンディアル予選をプレーするネイマール)が怪我なく元気にバルセロナへと戻ってきますように!バモス!

 

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