第1カピタンとしての初クラシコを、勝利で飾りたいアンドレス。
今季初となるクラシコ@ベルナベウを2日後に控えた木曜日(19日)、トレーニング終了後の当番会見に姿を現したのはカピタンのアンドレス・イニエスタでした。現チームでマドリー戦最多出場経験(31回)を持つドンにとっては、これが第1カピタンとしては初めてのクラシコ。いつも以上に気合の入っていることでしょう。「それはエピソードの一つにすぎないよ。僕にとって重要なのはチームメイトたちの敬意なんだ。初カピタンとしての思い出が、勝利を伴ったものとなればいいね。チームの各自が、するべきことを知っている。ピッチへと出て行くチームに対して、かけなければならない言葉はほとんどないさ」
勝つためには最高の試合が求められる
今回のベルナベウクラシコにFCバルセロナは、2位マドリーに3ポイント差をつけての首位で臨みます。リーガ第5節でセルタに敗れ(4-1)、第7節でセビージャにも負けた(2-1)時にはマドリー戦の苦戦も覚悟しましたが、それから1ヶ月でチーム状態は好転。ネイマール&スアレスがパンチ力を見せ、プレッシングの復活で守備も安定したことで、なにやら楽観論がバルセロニスタの主流となっている状況です。
マドリー戦を首位で迎えることについては、アンドレス・イニエスタも「自分たちがあらゆる点においてより規則正しくなっていて、アドバンテージもあるという状況は、落ち着きと自信をくれるね。ベルナベウに乗り込むというのはすごく複雑なことだから。この試合に勝ちたいのであれば、僕らの内容がすごく良くなければいけない。勝点差を広げることが僕らの目標だ」と、チームにプラスとなっていると認めています。しかし試合が易しくなるかといえばそうではなく、前日のルイス・スアレスと同様にマドリーを侮ることは出来ないと警告したカピタン。以下、試合への心構えを語ったドンのコメントたちです。
■経験による試合予想:「先の読めない試合。どんな瞬間にでも状況を変えられる選手たちが揃った2チームが対戦するわけで、もし勝ちたいのであれば、ぼくらは自分たちのフットボルをしなければならないし、相手に利用されるようなエラーを犯してはいけない。ボールを保持することで自分たちが主役となり、状況をコントロールし、ゴールチャンスを活かしていきたい。マドリーに可能性を与えないのはとても難しいけれどね」
■本命とされること:「僕らに求められるのは、常に楽観的でいることだよ。順位表は結果を保証してはくれない。順位が下のチームが勝つことも多々あるわけで、僕らは3ポイントをリードしているけれど、それで安心するべきじゃないんだ。難しい試合だから、僕らはそれを制するためにピッチに出て行かないとね。世界最高の2チームがプレーをして、お互いに最高レベルの選手たちがいる。すばらしい結果に近づくために、すばらしい試合をしたい」
■今のマドリーは弱い?:「それを言うのは横柄だよ。マドリーのことを訊ねられた時、僕の答えはいつも同じ。彼らはとても強力なライバルだし、今回はさらに彼らのカサ(地元)であり、彼らのファンが付いているんだ。マドリーの守備がとても良いことは数字が示している。彼らの攻撃陣にはチャンスを仕留める能力がある。決定的な試合になると言うにはまだ時期尚早だけれど、勝点差を広げるために僕らは勝つ必要があることは忘れちゃいないよ。僕らに必要なのは、自分たちの道を行くこと。そして上手くやれれば、勝点を手に帰宅する可能性があるだろう」
■ベルナベウを苦手としないバルサ:「僕らはこれまでベルナベウで、幾つもの良い結果を手にしてきた。けれどもそれには、完璧な試合をしなければならなかったんだ。マドリーだってカンプノウですばらしいパフォーマンスをすることによって、良い結果を得てきている」
オートバイのように興奮し続けたい
アンドレス・イニエスタがクラシコについてコメントするわけですから、質問はまだまだ尽きません。ベルナベウで勝つとどんな気分がするのか、クラシコ最多出場選手である感想、ベルナベウでの一番の思い出は、と記者さんたちの質問は続いていきます。
■ベルナベウの思い出:「全て覚えてる。僕らは幾つも最高の試合をしてきた。重要性と内容では、2-6が一番目を引く思い出だよ。でも重要な勝利は他にもあるし、僕らはその流れを続けて行かないといけない」
■ビジターとして勝つ感覚:「クレとして、ベルナベウで勝つのはどんな時であっても好ましくすばらしい(壮大、という単語を使用)ものだよ。この試合を見るために、ほとんど全ての世界が止まるんだ。重要性はものすごく大きい。でも今はまだ、勝敗は決定的にはならないよ。モラル(士気)を大いに注入してくれるけれどね」
■現チームではクラシコ最多出場:「大きな価値のあることだね。こういった試合に出場し続けられているだけで僕はとても幸せになるし、出場数をこれからも増やしていこうとやる気になるよ」
■2年前のようにベルナベウで得点を決めるには:「そういった状況を作り、なんとかやってのけること。物事がすべて望むようには行かないからね。あの時僕らは最高の試合をしたけれど、その勝点3はリーガ優勝には結びつかなかった。ただ、ベルナベウで勝つのはいつでも特別だよ」
■ロナウジーニョへの拍手から10年:「すごく良い思い出だよ。特別な瞬間の一つだったね。あの試合におけるロナウジーニョの重要性はすさまじいものがあった。マドリーの人々が、見たものを気に入ったということさ」
■10年経っても、クラシコはむらむらするか:「こういう試合でプレーするのは大好きだよ。これからも僕を魅了し続けるものであってほしいし、オートバイのように僕を興奮させ続けてほしいね」
メッシの出場時間は?
今回のベルナベウ対決において、メディアとファンの注目を集めているのがレオ・メッシの左ヒザの回復状況です。バルサの10番はリハビリの最終段階に来ていて、この金曜日のトレーニングで最終テストを行うとされています。回避不能なこの質問に対し、イニエスタは次のように語りました。
「彼はグループ練習に参加をしていて、フィーリングはかなり上々だよ。僕らにとって彼は基本となる選手だから、良いコンディションであるのを願ってる。土曜日に何が起こるか見てみよう。先発するか?招集リストに入るのであれば、それは先発も可能ということ。どう起用するのがベストなのか、それを言うのは難しいけれど、ピッチに経つ時間が長くなるなら、それが一番さ。でももし最終的にダメだとしても、僕らにはマドリーと競えるスカッドがあるよ」
フランスのパリで行われたテロリズムによって、ヨーロッパは今緊張感に包まれていると伝えられています。火曜日に行われる予定だったベルギー対スペインの親善試合は中止となり、ベルナベウもまた厳戒態勢でクラシコを迎える。そういった状況について、イニエスタはこう話しています。
「不安を生む状況だね。警備を最大限に強化すると伝えられているし、このフットボルにとってステキな日に、スポーツが主役になってほしいと思う」
「(ブリュッセルに滞在したことによる)恐怖はなかったけれど、場所による不安はあったね。もし不安を感じないなら、称賛ものだよ。全てが正常に運ぶと思ったから僕らは行ったわけだけれど、もし十分な安全が保てないのであれば、試合中止は適切な処置だった」
「クラシコについてあまり話されてないのは避けようがないよ。フットボルが話題にならないのは残念なことだけれど、現実から逃げることはできないからね。全てが普通に戻ることを期待しているし、クラシコがプレーされるだけでなく、全ての試合が行なわれるようになることを願ってる」
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