FIFAの新たな攻撃（嫌がらせ）

今週末、また11選手が出場停止に。

9月10日、国際フットボル連盟（FIFA)からFCバルセロナに対し、未成年選手の登録に関する新たなる命令が下りました。今回FIFAから試合に出ることならずと言われたのは、11人制フットボルの8選手と、7人制フットボル（フットボル7）の3選手。来年1月4日までの新規選手登録を禁じられ、その厳罰にダメージを受けているバルサですので、追加制裁の一切のリスクを避けるためにはその指示に従うしかありません。とても屈辱的な感じです。

FCバルセロナがFIFAから罰を受けているのは、未成年選手の国際移籍を規制する条項（19条）ですが、なんでもFIFAは昨年8月19日、未成年選手の移籍に関する新解釈を発表したそうです。その新解釈とやらについては、調べてみたのですが良く分からずじまい（力不足。条件をより厳しくしたみたい）。クラブの法律部はその規約変更に適用すべく、状況の適正化というやつに取り組んできました。先日こちらで取り上げました5人の若者たちの退団がそうです。

これが規約違反？

しかしFIFAはそれだけで満足はしませんでした。バルサの努力も空しく状況は悪化し、国際フットボル機関はバルセロナに対し、新たに11選手（うちフットボル7が3人）の一時的ライセンス停止を通告。MD紙によると、いずれの選手もカンテラの責任者や法律部が、規約に則って獲得されていたり、親御さんがフットボル外の理由でスペインに移住していたり、他のクラブからやってきていたり、スペインフットボル連盟が認める12歳以下で獲得されていたり、スペインに5年以上暮らしている（永住権の申請可能。市民権は10年）ことで問題ないと考えていた選手たちでした。

今回FIFAに試合出場を止められたフットボル11の選手たちは以下の8人です（SPORT、MDより）。

■エリック・スティーブン（フベニールB）　グアヤキル（エクアドル）生まれのセントラルで、生後間もなくスペイン（エルチェ）へと移住。

■ラビノ・カバシ（カデッテA）　スケンデライ（コソボ）生まれのセントロカンピスタ。コソボ紛争によって両親がSallenへと移住し、カバシ家はカタルーニャ人となる。ヒムナスティック・マンレサを経てバルサ入団。

■イマド・エル・カッボウ（カデッテA）　ラクラクチャ（モロッコ）生まれ。2歳で家族とカラフェイ（カタルーニャ）へ移り住み、2011年バルサ入団。

■アンスマネ・ファティ（カデッテB）　ビサウ（ギニアビサウ）生まれ。生後すぐに家族とセビージャ近くのエレーラへと移る。バルサ入団前にはペロテロス・フットボル学校とセビージャに所属。

■コンラド・デラ・フエンテ（カデッテB）　マイアミ（アメリカ合衆国）生まれ。2013年、ダムから移籍。

■イライクス・モリバ（インファンティルA）　ギニアビサウ生まれ。エスパニョールのカンテラからバルサに移籍。

■ハイタム・アバディア（インファンティルA）　2011年、10歳以下でバルサ入団。

■チャビ・シモンズ（インファンティルB）　アムステルダム（オランダ）生まれ。元選手だった父が引退後アリカンテで暮らし始め、地元クラブでプレーを開始。7歳で家族とバルセロナへ移住し、入団。ラ・マシア超期待の星。

うち、エリック、イマド、ラビノ、アンス、イライクス、ハイタムはすでに2014年末に試合出場を止められていたそうで、新しいシーズンを始めたと思ったら再び出るなの宣告。コンラドとチャビ・シモンズ（8月に日本で開催されたU-12ワールドチャレンジにも出場）は今回初めての出場停止となります。

しかしながら、、、アルバニア人85万人が難民となって国外に流出したコソボ紛争で、故郷を追われてカタルーニャへと辿り着いた家族の子供までもが、未成年の保護を理由とするFIFAの規約に引っかかるとは！生後間もなく両親とスペインへと移住した選手たちも！それでアウトなら、マドリーも他のクラブも確実にクロでしょう。理不尽。不道理。

SPORT紙によると、バルサはこれらの少年たちが規約違反ではないことを示すために必要な書類を提出済みで、FIFAが一時的ライセンス停止を取り消すのを待っているところだそうです。またLA VANGUARDIA紙（LV)によると、バルサとFIFAの関係は壊れていて、互いの連絡は弁護士を通じてのみ。そういうのもこの処分に影響してるんでしょう。同じくLV紙がいうところでは、FIFAさんは補強禁止中にもかかわらずアルダ・トゥランとアレイシ・ビダルを獲得したバルサをお気に召さないそうで。バルサとしては今は波風立てずしのぎ、ブラッターが去るまで（2月末にFIFA会長選挙）の我慢、ってとこだそうです。