カルデロン攻略!

チーム全体としてアトレティコを凌駕し、メッシが試合を決めた。

FCバルセロナの公式ウェブ情報によると、バルサはこの5年間、代表ウィークによるリーガ中断(パロン)明けの試合では13勝3分1敗と好成績を残していたそうです。最後に負けたのは2010年9月のエルクレス戦(0-2)で、そんなに高い勝率なのは少々意外。ただしアウェー戦に限れば4勝3分と苦労してまして、今回のビセンテ・カルデロン訪問もしんどい試合になると予想されていました。実際、シメオネチームとの対決はハードだったのですが、内容としては予想を上回る出来であり、先制されてもすばやく反撃して逆転勝利を収めたのはさすが前年度王者。これぞカンペオンという試合でした。

ベンチを受け入れ、決定的な働きをしたレオ

さすがの決定力は、レオ・メッシです。アルゼンチン代表のお勤めで北米大陸から戻ってきたのが金曜日で、その日に第二子のマテオくんが誕生したことで唯一のトレーニングを欠席。メッシといえども疲れはあるということでルイス・エンリケは好調のラフィーニャを先発で起用し、レオはベンチスタートになった次第ですが、ギガクラックが一仕事を果たすには30分もあれば十分だ、とまた証明された試合でもありました。

バルサの10番は60分にラキティッチと交代でピッチに入ると、キレのあるドリブルによってアトレティコ守備陣の脅威に。77分にはルイス・スアレスのアシストを受け、必殺の決定力でオブラクの壁を打ち破っています。期待されたおしゃぶりパフォーマンスをさっそくマテオくんに捧げてしまうところは、千両役者です。

メッシのベンチスタートは、嵐を呼んだあのアノエタでのレアル・ソシエダ戦(1月4日)以来のことで、37試合連続フル出場後の出来事でした。前回のアノエタでは、このベンチスタートが原因となって監督との関係がこじれたとされるメッシですから、外野としましてはスリリングな起用だったのですが、今回はエースとの意思疎通はばっちりOK。ルーチョは試合後、「レオと試合前に話しをしたよ。もし完璧なコンディションならば先発していたのは間違いないが、彼は長距離遠征から戻ったところで、難しい状況にあった。私たちはリスクを冒したくはなかったんだ。レオが良いコンディションにあることが私たちの基本であるし、彼の状態には気を配らないといけない。リスク回避が一番の日はあるんだ」と、話し合いの結果による采配だと説明しています。

これが示しているのは、長距離遠征のジェットラグや疲労などのもっともな理由があれば、レオ・メッシルイス・エンリケの意見を受け入れ、控えとなることもあるということです。そんな状況はそう多く訪れないでしょうが、大エースと監督の関係が良くなっているのは朗報。またメッシがベンチにいると、相手チームには彼が出てくるまでになんとかせねばとのプレッシャーもかかります。疲れた終盤にメッシ登場、はキツイです。チーム全体の仕上げと合わせ、ルイス・エンリケはグッジョブでした。

「私たちは並外れた試合をした」

このアトレティコ・マドリー戦でのバルサの試合運びは上々でした。入り方が注目されたこのカルデロン決戦で、序盤から相手にボールを譲ることなくコントロール。走ることが大好きなシメオネチームに、ならば走らせてしんぜようと効果的に両サイドへとボールを散らし、じわじわと疲弊させていきました。そういう作戦なので、アンドレス・イニエスタセルヒオ・ブスケツ、ラフィーニャが存在感を発揮。試合を通じて危うかったのは天敵フェルナンド・トーレスにラインを突破された2回だけで(前後半1回ずつ。1つは先制点を奪われた)、概ね安心して見られる90分でありました。敵将シメオネも「後半の15分間を除いて、バルサが上回っていた。彼らが試合の支配者だった」と認める出来でした。

試合のポイントとなったのは、トーレスに先制されたそのわずか3分後にネイマールのフリーキックによって同点に追いついたことです。おそらく、ピッチサイドでメッシがウォームアップを始めたことで刺激を受けていたであろうネイマールが、極上のコースとスピードでゴール左角へとフリーキックを一発。このあっさり1-1とした時点で、この試合はきっと勝つとの予感がしましたし、スーパーなプレーでそれを実現したメッシにはもう拍手をするしかありません。メッシがピッチにいることでチーム全体に活気が出る、その影響力。そのあたりを含め、世界最高選手です。

試合終了後のルイス・エンリケはこのアトレティコ・マドリー戦を、誇らしげにこう振り返っています。「どちらのチームも勝利を目指していた試合だったね。私たちは立ち上がりからハイレベルだった。粘り強さもあった。私は非常に満足しているよ。アトレティコ・デ・マドリーのようなチームに、これだけチャンスを作らせないのは容易ではないし、それは私たちがとても集中していたことを示している。また、アトレティコのようなチームに数多くチャンスを作るのも簡単ではないんだ。私たちは並外れた試合をしたし、好ましくないと思われる瞬間に試合をひっくり返すことができた

ということで、満足のいく試合をしたバルサでしたが、監督は「やるべき事はまだたくさん残されているわけで、気を緩めることはできない」と、兜の緒を締めてもいます。

その他、アトレティコ・マドリー戦の主な出来事については、次のようなものが挙げられます。

 

■ベルマーレン負傷
ビセンテ・カルデロンで最も悲しい出来事は、間違いなくこのトーマス・ベルマーレンが負傷した件です。ここ3試合を先発し、4試合出場停止となったジェラール・ピケの穴を埋めていたセントラルでしたが、アトレティコ戦の25分頃に左のふくらはぎを負傷。クラブからの離脱期間に関する発表はまたしてもないですが、各メディアは3週間の離脱になるだろうと報じています。大雑把に見て、次のFIFAウィークが空けるまでは試合に出られないわけです。

このFIFAウィークではベルギー代表として2試合にフル出場しており、バルサでもリーガ第1節、第2節でフル出場。この事がツケとなってふくらはぎの筋肉が痛んだと考えられ、この6シーズンで27回怪我をしているというトーマスですから(SPORT紙)、今更ですがもう少しケアしておけば、、と思います。負傷したのが昨年手術したハムストリングスではなく、また3週間ほどで済みそうなのが不幸中の幸いです。

■ハンドを4つ見逃したマテウ・ラオス主審
この試合でマテウ・ラオス主審はアトレティコのハンドを3つ、バルセロナのハンドを1つ、合計4つのハンド(いずれもペナルティエリア内)をスルーしています。どれも明らかなハンドだったので、意図したファールではなかったとして敢えて見逃しているのは疑いようがない。LFPとして、今季はそういうふうに行くとの共通見解があれば良いとしても(たぶん違う)、66分のネイマールのゴールに入ろうというシュートを弾いたゴディンは確実にアウトでしょう。転んだ時に当たってしまうのとはわけが違います。

■ラフィーニャ波に乗る
この2015/16シーズン序盤、ルーチョチームで勢いのある選手の一人がラフィーニャ・アルカンタラです。リーガ開幕戦のサン・マメスではおたふく風邪のネイマールの代役として左エストレーモで出場し、第2節のマラガ戦ではインテリオールとして途中出場。このアトレティコ戦ではメッシの代わりに右サイドで先発すると、レオ登場後はインテリオールへとプレー場所を移して好パフォーマンス(好守で存在感)を披露しました。自らの役割をよく理解し、試合状況によってプレッシング、コントロール、攻撃参加など使い分けられる賢さ。この調子でさらに伸びていってほしい、とてもポリバレントな選手です。代表での初招集、初ゴールも自信につながっているようでなにより。

筋肉にトラブルがあるのではないか、と出場を心配されたセルジ・ロベルトも元気に右ラテラルで先発フル出場。過去2試合に続いて今回も安定したパフォーマンスで守備に貢献し、アトレティコのような強力な相手にも良い仕事が出来ると示したのは非常に心強いです。ラファとロベルトの成長は今季の楽しみの一つ。フォルサ、若者たち!

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