安価で選手を手放すことが多い、変わったクラブ。
FCバルセロナは選手を手放す際、ファンがなんで?と思うくらいに気前の良いクラブです。ペドロやアレクシス・サンチェス、セスクのように3,000万ユーロ以上の移籍金を残して去っていく選手たちもいますが、それはかなり稀なケース。若手カンテラーノは1,000万ユーロに届かないのが普通ですし、ベテランは割と自由移籍で新天地へと旅立ちます。この夏はマルク・バルトラがわずか800万ユーロで退団となりそうですし、ダニ・アルベス、サンドロも0ユーロの退団と見られています。
“チアゴケース”から“バルトラケース”へ
ここ数日、ハビエル・マスチェラーノやダニ・アルベスの退団のウワサと並び、バルセロニスタの間で語られているのがマルク・バルトラの契約解除金についてです。本来であれば4,000万ユーロに設定されている契約解除金が、契約書で定められた出場試合数に届かなかったことによって、一気にバーゲン価格の800万ユーロへと下がってしまうという他ではあまり見られないこの状況。同様の条件で1,200万ユーロになっていた1年前ですら安いと思ったのに、そこからさらに下がっていることに驚きます(代表戦の前日にバルトラ自身がこれを認めている)。
これと同じことは、3年前にも発生しました。当時、騒動の主役となったのはチアゴ・アルカンタラです。ラ・マシア期待の星だったチアゴが2011年に満を持してトップチーム契約を結ぶ際、選手側とクラブは、もし彼の試合出場数がある規定数に達しなかった場合は、契約解除金が3,000万ユーロから1,800万ユーロに下がる条項を含めることで合意。それが知れ渡ると、バルセロニズモは大騒ぎとなりました。最終的にはペップバイエルンが契約解除金の支払いによる獲得ではなく、通常の移籍交渉に応じてくれたことで、2,500万ユーロでの移籍となったわけですが、今回のバルトラがスペイン代表としては破格の安さで移籍するのはほぼ確実でしょう。
選手は移籍し易くなる
契約交渉を行う際、選手側の代理人がそういった、試合出場数に応じて契約解除金が下がる条項を含めようとするのは理解できます。これからプロとして実績を積んでいこうとする若手選手が、望むような出場機会を得られなかった場合に、契約解除金が大きく下がればチアゴやバルトラのように移籍への扉が開く。新天地探しの選択肢は増えます。ベテラン選手の場合は、キャリア最後になるかも知れない大型契約を結び易くなるでしょう。
しかし一方でバルセロナにとっては、そこにメリットは感じられません。バルサが関心を示すレモスへのオファー(400万+出来高800万ユーロとメディア情報)をラス・パルマスが突っぱねられるのも、契約解除金が3,000万ユーロだから。この手の条項をクラブが良しとするのは何故だろうと考えると、カンテラーノの旅立ちを支援する“親心”くらいしか思いつきません。
サンドロ・ラミレスにいたっては出場試合数の規定すらなく、さらに無料で放出しようという気前の良さです。彼の場合は、FIFA制裁で補強ができなかったバルサに残ったことへの感謝を示しての自由移籍とのこと。ダニ・アルベスも同様で、彼は1年前の契約更新の際、6月5日前であれば自由に移籍先を選び無料で退団できる条項を手にしています。ブラジル代表の常連であるダニなら、数百万ユーロの移籍金は確実に得られましょうに。
カンテラーノとベテランは基本的に安価で放出。感謝の気持ちを重視し、無料も惜しまず。ビジネスとしてはあれですが、バルサらしくて微笑ましいと思えなくもないような、そんな契約方式であります。単に代理人側に押しきられているのかもしれないですが…^^;
コメント
続投が決まってもフロントは相変わらずでした。
成果も上げてはいますが、後手を踏むことが多すぎます。
バイエルンなどがライバルである事を考えると無能と断じるのに躊躇はありません。
バルトラはこのままバルサにいても浮上のチャンスはないでしょうね。
代表戦での守備も酷かったですし。