4,300万ユーロをどう使っていくか。
先週木曜に行われたジョゼップ・マリア・バルトメウ会長の年度末会見から、FCバルセロナがこの夏に使える補強額は例年のように6,000万ユーロと選手放出による移籍金であり、現時点では残り4,300万ユーロとなっていることが判明しました。セントラル補強はウムティティのみとのことなので、残る補強ポジションは前線とどこか。普通に考えればラテラルになりそうですが、ここ数日は中盤のアンドレ・ゴメスの名前が頻繁に登場しており、しばらくは引っ張られそうな雰囲気です。
ラツィオ行きが濃厚なアドリアーノ
バルサ強化部の2016/17シーズン用チーム計画が少しずつ姿を現してきています。プランは選手の退団によって左右されますので、ロベルト・フェルナンデスは動きのありそうなポジションの全てに目を光らせ、注意深くマーケットを分析していることでしょう。懸案だったハビエル・マスチェラーノは「バルサで何年も続けたい」とのコメントを発し、どうやら残留で決着。あとはアドリアーノ・コレイアが抜けた場合はその穴をどうするのか、ここを解決していかなければなりません。
アドリアーノ(31歳)は数ヶ月前からラツィオと合意していると伝えられており、自由移籍での退団希望を、クラブが拒否しているところと言われています。今週行われるというローマクラブとの話し合いがどう決着するのかは不明ですが、おそらくアドリアーノのバルサ生活はあと数日で終わりを迎えるのでしょう。
アドリアーノの最大の売りは、右も左も、ラテラルもエストレーモもこなせるユーティリティ性にあります。彼が一人ベンチにいることで、試合の様々な状況に対応できる利便性。それゆえに2010年の入団以来、ペップ・グアルディオラからルイス・エンリケまでの4監督全員に評価され、戦力に数えられてきました。その選手がいなくなることは、チーム編成上少なからぬ影響があります。
右サイドもこなせる左ラテラルが欲しい
なのでアドリアーノ退団となれば、ロベルト・フェルナンデスが残り予算4,300万ユーロで獲得を目指すのは、南米トリデンテのバックアップ役を受け入れるデランテロ(ガブリエル・ジェズスが有力?)と、右サイドも出来る左ラテラルになりそうです。
数シーズンにわたってフル稼働しているジョルディ・アルバを休ませるための控え選手が必要なのは、シーズン中からも指摘されていました。ルイス・エンリケはアルバを休ませる際はジェレミー・マティエウを起用することが多かったですが、バレンシア時代の活躍を32歳の彼に求めるのは厳しく、ラテラルでの出場時はマイナス面のほうが際立っていた。2016年3月には右ヒザの内側半月板を除去した経緯もあり、怪我をした場合は重傷化するリスクも高まっているようです。
よって左ラテラル補強の優先度は高いですし、ダニ・アルベスが退団し、アレイシ・ビダルとセルジ・ロベルトでカバーすることになる右ラテラルもこなせる選手であれば、非常に心強いです。ということで3日付のMD紙がその候補として挙げていますのが、デ・シリオ(ミラン)、ダルミアン(マンチェスター・ユナイテッド)、ファビアン・ジョンソン(ボルシア)あたり。デ・シリオさんは資質あるラテラルで市場価格も1,500万ユーロほどとお手頃のようですが、、どうなりますか。
テクニコが高評価のアンドレ・ゴメス
一方、ここ数日のバルセロナ系スポーツ紙に頻繁に名前が出てきているのが、バレンシアのポルトガル人ンセントロカンピスタ、アンドレ・ゴメス(23)です。彼を狙っているらしいとのウワサ自体は春先から出ていて、どうせ飛ばし記事だろうとスルーをしていましたが、ここへきてSPORTとMDの両方が“バルサはアンドレ・ゴメス獲得を決断した”とまで書いているのが気になるところ。両紙が揃って書く時はだいたい実際の動きがある時ですから、作戦は発動させているのでしょう。
アンドレ・ゴメスはロベルト・フェルナンデス、ルイス・エンリケ両人がバルサスタイルに合う選手として非常に高く評価しているようです。ただし今夏から契約解除金が1億2,000万ユーロに上がり、交渉のスタート額は少なくとも5,000万ユーロらしいので、超ムリめ。クリスティアン・テージョやアレン・ハリロビッチを交渉に加えることで、4,000万ユーロほどに値引きしてもらうよう試みる模様ですが…。
4日付のSPORT紙は、ライバルだったマンチェスター・ユナイテッドが土曜日に Henrich Mkitaryan を獲得したことでアンドレ・ゴメス獲得への道が開けたとしていますが、それでも高額なのに変わりはありません。ということで、SPORTとMDが合唱しているけれども、まず頑張るのはそこではないであろうアンドレ・ゴメスの獲得話。まずはラテラル問題と第4のデランテロ問題を解決させてほしいです。
コメント