トップ昇格できる選手がいれば、戦略は変わっていたとディレクター。
7月14日(木)に行われましたルーカス・ディニャの入団プレゼンテーションにおきまして、選手とともに会見に臨みましたロベルト・フェルナンデス(スポーツディレクター)には補強全般に関する質問がなされました。
そこで第4のデランテロは獲得するのか、右ラテラルはどうなのか、フランスリーグから選手を獲った理由は、など興味深い質問が幾つも繰り出されたのですが、特に興味を引かれたのはトップチームに選手を供給すべきバルサBはどうなっているのか、との問い。
数年前に比べラ・マシアの影が薄くなっている件は、バルセロニスタとして気になるところです。
良い選手はいるが、トップチーム水準には達していない
チームの大黒柱となるレオ・メッシやイニエスタといったスーパークラスの選手がそう易々と輩出されないのは分かります。
バルサは常勝を求められるチームですから、ルイス・スアレスやダニ・アルベスといったクラブ史に名を刻む助っ人を外部から雇うのも十分に分かる。というかクレもそれを求めています。
しかし出来ればそういったスタメン級の選手を補う中クラスの選手たちは、カンテラから育ててほしい。それがバルサのアイデンティティだと信じているからです。
ルーカス・ディニャの入団プレゼンテーションの終盤、ロベルト・フェルナンデスに対し、カンテラはどうなっているのかとの質問がありました。セクレタリオ・テクニコの回答はこういうものでした。
「私はバルサのカンテラのことはよく知っている。彼らの試合は数多く見ているからね。しかし不運なことに、私たち(のカンテラ)にはレベルに達した選手たちがいない。良い選手はいるけれど、トップチームに加えられるような実力の選手はいないんだ」
「近年のバルサは世界的レベルとなった選手たちをトップに送り込んでいたけれど、今はいない。クラブにいる選手を分析した結果、私たちは別の選択肢(獲得)を選ばざるを得ないと判断した。もしこれから2年以内にトップチームにいける選手がいると考えたなら、異なる戦略を採っていたことだろう」
FIFA制裁の影響、常勝チームとする義務
寂しいものです。
続いてプロスポーツ部門のディレクターであるアルベルト・ソレールは、外的要因もフットボル・バッセ(育成部門)にダメージを与えたとの見解を示しました。
「FIFAによる制裁が、トップチームだけでなく下部カテゴリにも影響を及ぼしている。プレベンジャミンB(U-8)は1月まで、大会に出ることもできなかった。そういったことが連鎖し、バルサBまで影響を与えているのが実情だ。私たちはフィリアル(Bチーム)がいるべきセグンダ(2部)Aへと昇格させるために、選手を補強した。セグンダAに1チーム、セグンダBに1チーム、テルセラ(3部)に1チームあることが、ホップステップジャンプするうえで最適だろう」
そしてスポーツ部門担当副会長ジョルディ・メストラは、現実的な観点でこう言っています。
「私たちはフットボルバッセに対するクラブのプロジェクトに誇りを持っている。私はラ・マシアもコーチ陣も選手たちもよく知っているし、彼らは賞賛に値する仕事をしているよ。幾つかの要因によってトップチームに選手は上がっていないけれど、それは私たちが下部組織に気を配らず、投資もしていないということではないんだ」
「クラブとしての私たちの義務は、トップチームをカンペオンにすることにある。私を含めた多くの人々が好むモデルは、アスレティック・クラブのような、全員がカサ出身のチームだろう。出来ることなら、バルサもそうあってほしい。私たちには唯一無二のジェネレーションがあったけれど、いつもそういうわけにはいかないんだ。もし(タイトルという)結果を望まないのであれば、(オール自家製チームを)引き受けるよ」
バルサBは我慢の時
Bチームの選手構成は、セグンダB降格と憎きFIFA制裁によって大きく変わりました。
2016年の冬にバルサはポル・カルベ、ダビド・バブンスキ、フランク・バニャック、ファブリセ・オンドア、アイトール・カンタラピエドラら下部から育ってきた若手との契約を次々解除し(グリマルドも移籍)、テルセラへの降格を避けるための即戦力選手たちを獲得。
フベニールAからの昇格組ホセ・アウレリオ・スアレス(20)、セルジ・パレンシア(20)、ロドリゴ・タリン(20)、アドリア・ビラノバ(19)、チャビ・キンティージャ(19)、フェラン・サルサネダス(19)、ビルフリド・カプトゥム(20)、カルラス・アレニャ(18)、パク(19)、アレックス・カルボネイ(18)、ラファ・ムヒカ(17)ら11人はいずれもまだ成長途中、他の15人は他クラブからの加入組ですから(ウィキペディア調べ)、トップチームへ人材を送り込めと言う方が酷でしょう。。
どんなものにもサイクルがありますから、この数年はタイミング的に外部に頼る時だと割り切り、またいつかラ・マシア黄金時代の訪れるのをじっと待つしかなさそうです。
バルトメウ時代が終わり、例えばチャビ監督就任なんてことが起こる時には、ひょっとすると光り輝くジェネレーションが育っているかもしれない…。
怪我人発生によって緊急起用した若者が、プジョルのようにチームの主力になることだってありましょう。
前述した子たちが、今夏補強した選手たちと同じ22歳になるまでには、あと2-3年あります。資質ある若者が育ち、トップチームにちょうど空きがある、その巡り合わせも重要です。
ウンティティ?ディニャって誰?と思ったクレ諸氏も、セビージャのモンチさんはいつも無名の良い選手を見つけてきてすごいな、と思ったりもしたことがあるでしょう。
今、バルサはそのチャンスです^^
そう考えればちょっと楽しい。
プレゼンテーションにファンがたくさん来なくてもいいじゃないか。カンプノウのスタンドが名前を大合唱する選手になってくれ、フランス仕込みのデフェンサたちよ!ALLEZ!
コメント
翻訳ありがとう。