チームメイトやクラブへの敬意を忘れない、とても好印象な若者。
2016年7月27日(水)、FCバルセロナの新加入選手アンドレ・ゴメスの入団関連行事がカンプノウとミニエスタディにて行われました。家族や恋人とともにクラブ施設を訪れ、メディカルチェック、サイン儀式、記念撮影、記者会見など恒例行事をこなすセントロカンピスタを見た第一印象は、なんて爽やかな好青年だろうということ。そして会見でのどこまでも謙虚で前向きなコメントはその印象を裏切ることなく、さらに強固なものとしてくれました。頭のてっぺんからつま先まで好印象。中盤の人員過多は気になるところですが、バルサでの活躍が楽しみな選手が入ってきました。
プランにない補強だったが、獲得を決断
カンプノウの芝生がハイブリッド化工事中だったため、珍しくミニエスタディにて催されたユニフォーム姿お披露目&ファンへの挨拶会(車椅子のファンのところへ行って、ボールを手渡す心遣い!)を終えたアンドレ・ゴメスは27日の午後1時すぎ、ジョルディ・メストラ(スポーツ部門副会長)、アルベルト・ソレール(プロスポーツ部門責任者)、ロベルト・フェルナンデス(スポーツディレクター)に伴われカンプノウの記者会見室 リカール・マシェンクス へと登場しました。
会見ではまず、いつものごとくその御三人がまず最初にスピーチを行い、新加入選手を紹介。ソレールはここでゴメス獲得となった経緯について、「興味深いチャンスがあった場合は、それに立ち向かうことはできた。私たちの初期計画にアンドレ獲得はなかったが、ベストなタイミングだと獲得を決めた」と明かしています。
そしてソレールはアンドレ・ゴメスの移籍金が先に発表があったように固定額3,500万ユーロ+成績に応じた変動額2,000万ユーロであり、彼がバロンデオロを獲得した場合は1,500万ユーロがバレンシアへ支払われると確認。変動額部分は出場試合数、出場時間、獲得タイトルによって決まる旨を説明しました。
最良の選択だったのでバルサを選んだ
その後はいよいよ、アンドレ・ゴメスの出番です。ポルトガル代表セントロカンピスタの最初のスピーチは次のようなものでした。「クラブが僕と契約するためにしてくれた全ての努力と、その信頼に感謝しています。同じくいつも僕の側にいてくれた家族や代理人(ジョルジュ・メンデス)にも感謝したいです。バルサのシャツを着れるのは名誉なことであり、僕はそれを誇らしく思います。僕と家族の夢がひとつ叶い、非常に嬉しいです」
スピーチが終われば、報道陣による質問タイムです。まず最初、複数届いていたオファーの中からバルセロナを選んだ理由について、アンドレはこう語っています。
「僕がバルサを選んだのは、バルサが最高だったからです。これは個人的なテーマです。クラブにはそれぞれの個性がありますが、僕にとってはバルサが一番でした。バルサが現れた時、他はもう同じです。このクラブの一員になれたことをとても嬉しく思っています」
「僕は自分と家族にとってベストと信じるクラブを選ばなければなりませんでしたが、迷いはありませんでした。答えはハッキリしていたんです。クラブに信頼され、僕は幸せです。自分が成長するために最良のクラブを僕は選びました」
具体的には、レアル・マドリーを断った理由については「クラブにはそれぞれの個性がありますが、自分に一番合うのはバルサだと僕は思っています。自分の哲学やプレースタイル、個性を見る必要がありますし、フットボルをプレーするためにはそれが重要です」とゴメス。お金+政治力+勝てば官軍スタイルでは不十分だった見たいですね、フロレンティノ。以下、アンドレ・ゴメスの謙虚さ溢れるコメントたちは以下のようになります。
偉大なバルサの中盤から学びたい
■中盤の人員過剰:「バルサの中盤には数多くの選手がいて、その全員が偉大なのは確かですが、僕が望むのは成長し学び続けていくことです。多くの選手たちがその参考となっていくでしょう。僕は今22歳、ほとんど23歳ですが若いですから、目指す最高の選手となるための時間はあります。最初はまず適応しなければならない。希望に胸が膨らみますし、今求められるのはハードワークです」
「競争は問題じゃありません。僕は学びたい。もし自分のことをメッシ(級)だと考えるなら、良くないことになるでしょう。バルサの中盤選手は誰もが偉大です。僕は彼らから学び、彼らを最大限にリスペクトしていきます」
■自分のポジション:「何より重要なのは監督に好まれ、必要とされることです。僕はクラブの哲学に適応しなければならず、少しでも早く適応するためにベストを尽くしていきます。右か左か、プレーする場所はそう重要ではありません。僕が気にかけているのはチームへの適応、監督やチームメイトに必要とされることです」
■長年のクレで、アンドレからユニフォームを贈られ感動していた彼の父親:「バルサが僕に関心を持っていると知った時、父はとても感動していました。父は何年も前に、ここバルセロナにいたんです。家族みんなで感動しています。バルサ入団は家族の夢でした」
チームに適応し、貢献し、タイトルを獲りたい
■メッシとCR7:「どちらもグランディッシモ(超偉大)な選手たちですし、彼らと一緒にいられるのは光栄なことです。彼らは独自のスタイルを持っていますね。自分が代表チームにいない時は、バルサとメッシが一番重要です。クリスティアノとは代表で一緒にプレーしてますから、バルサではメッシやイニエスタのような新しいチームメイトたちとのプレーを楽しみたいです」
■バルサで心惹かれる選手:「メッシとイニエスタが参考になります。しかし僕が決断をする上で重要だったのは、クラブとしての哲学やメンタリティ、プレースタイルです。決めるのは簡単でした。僕は22歳です。楽しまなければなりません」
■ルイス・エンリケ:「ミスターとは電話で話をして、ありがとう、とても嬉しいと言われました。監督から求められたのはハードワークです。少しでも早く適応するために、仕事を始めることを非常に楽しみにしています」
■MSNトリデンテとのプレー:「メッシ、スアレス、ネイマールと一緒にプレーできることを喜んでいます。僕は彼らにパスを出さなければなりませんし、彼らを手助けするよう頑張っていきます。彼らはクラックですね」
■目標とすること:「重要なのはタイトルを獲得することです。全てのタイトルを手に出来ることを期待しています。チームと楽しむために、僕はここへ来ました」
■バロンデオロ条項:「それは未来の条項ですし、今はバルサ初日ですから、僕としては落ち着いています。必要なのは今を楽しむこと。仕事を始めることに胸がどきどきしています。その条項によって僕が自信を得ることはないです。僕に自信をもたらすのは、僕のことを選んでくれた人々です」
「バロンデオロは気にしてはいません。自分がクリスティアノやメッシといるところは想像できませんよ。未来に何が起こるのかは分かりませんし、ここで何年間も最高のフットボルを楽しんでいければと思っています」「もっと重要なことがありますから、バロンデオロは強迫観念にはなりえません。それにイニエスタのように良い選手でも、受賞はしてないんです」
■ネグレド:「バレンシアでは良い瞬間も、あまり良くない瞬間もありました。僕はネグレドと話をする機会があったのですが、彼のおかげで僕はずいぶん成長できましたし、苦しい時期にはお世話にもなりました。彼にはいつも感謝をしてますし、イングランド行きが良いものとなるよう願ってます」
アンドレ・ゴメスのコメントはどれも謙虚で各方面への敬意に満ちており、驕りの様なものは一切感じられませんでした。唯一ギラリと光るものがあるなら、それはタイトル獲得への野心。まだまだ自分は未熟だという彼がイニエスタやメッシを手本にハードワークを続けていけば、必ずやバルサ史に名を刻むような偉大なクラックとなるでしょう。ここからはあと少しバケーションを続けて、チーム合流は来月8日とのこと。彼同様、バルセロニスタもその日が待ち遠しくて堪りません。これからどうぞよろしく、アンドレ。
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