第4のデランテロ候補に急浮上したバレンシアのデランテロ。
クラウディオ・ブラボのマンチェスター・シティ移籍話と並行し、この数日間バルサ系メディアの大きな話題となっていますのが第4のデランテロを巡るウワサ話です。先週まではMSNトリデンテを補完するのは南米の若手だと言われていましたが、週末金曜日になってパコ・アルカセルが急浮上。ブラボの後任として有力視されるディエゴ・アルベスもまた同じバレンシア所属とありまして、サンペールやムニールも含めた大きな移籍作戦が実行されるのではないかと、“マクロオペレーション”なる単語がここ数日の流行語となっています。
マクロオペレーション
クラウディオ・ブラボの後任問題、そして第4のデランテロ問題を解決するカギはバレンシアにある。それがここ数日のバルサ系メディアの見解です。
もしブラボがカンプノウを去るのであれば、ディエゴ・アルベスがその後釜に収まるんじゃないかとは数ヶ月前からも言われていましたので、こちらに関しては特に驚きはありません。アルベスはあちらでも控え(第3ポルテーロ?)だそうですから、交渉はそうややこしいことにはならず合意に達すると見られています。ただセビージャも彼に関心を示しているらしいので、バルサはビエットに続いてまたも補強候補を奪われるかもしれないとSPORT紙は危機感を煽ったりもしています。
そして第4のデランテロですが、バルサメディアによるとバレンシアは3,000万ユーロに加えてセルジ・サンペールとムニールを獲得することでパコ・アルカセルのバルセロナ移籍を了承したとされます。バレンシア県出身で“チェ”の下部組織育ち、さらにチームのカピタンも務める22歳の彼がウワサとして急浮上したことは驚きでしたが、バレンシアファンにとってもそれは寝耳に水だったわけで。そんな話を進めようとしている理事会への怒りが生じるのも自然な話ですから、さすがにマズイと考えたバレンシア会長さんからの最終回答は保留となっているようです。
これらディエゴ・アルベス、パコ・アルカセル、サンペール、ムニールが含まれた移籍交渉を、SPORT紙やMD紙は“マクロオペレーション”(大きな作戦)と名付けている今日この頃です。
秘密の夕食会、バレンシアニスタの怒り
バルサが第4のデランテロとしてパコ・アルカセルを狙っていると報じられるきっかけとなったのは、8月11日にバルセロナで行われたという夕食会が明るみに出たことです。バレンシアのオーナーであるピーター・リム氏、会長のLayhoon Chan氏、バルサのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長、ラウール・サンジェイ・フットボルディレクター、それにホルヘ・メンデス代理人などがテーブルを囲み、リム氏がアルカセル放出にOKを出したとの情報がカタルーニャ方面で報じられたからさあ大変。翌日開催されたバレンシアのペーニャ総会では、ファンの怒りが爆発したそうです。リムさんはガルシア・ピタルチSDの意見を聞いてバルサへの回答を保留し、ペーニャ総会ではLayhoon会長が「アルカセルを売りたくない」と述べました。
このパコ・アルカセルの件についてバレンシア方面はどう見ているのかと、SUPERDEPORTE紙のウェブを覗いて見ますと、同紙はバレンシアはパコを「売りたくない」とは言っているけれども売らないとは言っておらず、“彼が欲しければ契約解除金を出していただきたい”とも言っていないと指摘。それはすなわちバレンシアがバルサとパコの件で交渉を行い、売却で合意しているからだと述べています。
そしてピーター・リム会長が移籍不可と言わないかぎりはアルカセルは固定額3,000万ユーロ+変動額1,500万ユーロ+バルサ選手2人(サンペールとムニールのレンタル移籍もしくは買戻しオプション付移籍)と引き換えにバルセロナへ行くだろうとし、沈黙しているアルカセル本人にも疑問を呈しているSUPERDEPORTE紙。事情があるにせよ(FFP違反?)クラブの象徴たる選手が上層部の独断で放出されようとしているのですから、バレンシアファン感情に遺恨を残すオペレーションなのは確かでしょう。
(冬にはセルタファンの不評を買ってノリート交渉が止まったようですし、今回も結局お流れになるかもしれません)
まあバルサ側から見れば、“マクロオペレーションだ”といって盛り上がれる話ではあります。ただすっきりする話しかといえばそうでもなく、武者修行とはいえカンテラーノのムニールやサンペールが作戦要員として他所へ出されるのは、クレ感情を寂しくもさせます。
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