2シーズンの実質三部リーグ生活を終え、二部へ復帰するバルサB。
バルサBが無事、セグンダ・ディビシオンへの昇格を果たしました。ミニエスタディで行われたラシン・サンタンデールとのプレーオフ最終ラウンド第二戦は、両チーム得点なく0-0のエンパテ。先週エル・サルディネロで得た好結果(1-4)を活かしたといえばそれまでですが、相手の希望の芽を膨らませることなく決着を付けた試合運びは評価されるべき点でしょう。ジェラール・ロペス率いるフィリアル(二軍)は困難を乗り越えていくなかで成熟度を増し、目標を達成しました。
チームをほぼ総入れ替え
FCバルセロナのフィリアルがラ・リーガ二部への参加権を失ったのは、2014/15シーズンのことでした。その前のシーズンにセグンダで3位となり、ハリロビッチやムニール、サンドロ、グリマルド、サンペールら多くの才能を有したチームでしたが、若手中心とし過ぎたことが響いて最下位で二部Bへと降格。実質三部での苦闘が始まりました。
指揮官にジェラール・ロペスを迎えたバルサBが、1シーズンでも早いセグンダ復帰のために取った手段はスカッドの大幅入れ替えです。2015/16シーズンのバルサBはスタートに失敗し、このままではテルセラへの降格もあり得ると思わせる状況でした。バルサBのセグンダB降格はタイミングも悪く、2015年夏といえばちょうど、FIFAとかいう権力団体に新規選手登録を禁止されていた時。制裁が明けた2016年冬の市場で、バルサは生き残りを賭けた補強に打って出、ラ・マシア育ちの若者たちを多く放出する一方でベテランの即戦力たちを獲得しました。
(カルベ、バブンスキ、バニャック、オンドア、カンタラピエドラらが契約解除。グリマルドも去った)
その結果、バルサBは大きく変わり、今回昇格を果たしたチームで、降格当時もバルサBの所属だったのはジェラール・グンバウ(22)とホセ・スアレス(21)の二名のみとなっています。あとは全員、フベニール(U-19)からの昇格か、他クラブからの補強です。
(※主将パレンシア(21)をはじめ、サルサネダス(20)、アラニャー(19)、カルボネイ(19)、アドリア・ビラノバ(20)、ククレヤ(19)らがフベニール(U-19)からの昇格/参加組。バロ、マルティネス(24)、カルドナ(21)、アルファロ(26)、ペレア(26)、シェミ(22)、ロメラ(22)、ニリ(23)、マルロン(21)らが移籍組)
壁に当たり、乗り越えた
2016年の冬のベテランたちを複数獲得し、代わりにカンテラーノを次々に野に放つチーム再編成は正直なところ、これで大丈夫なのか・・・と不安になりました。しかし一刻も早くフィリアルをセグンダへと戻すためには、それもやむを得ない手段だったと納得することはできます。それがなければ、わずか2シーズンでのセグンダB脱出は実現しなかったことでしょう。
セグンダBの、特にグループ3(地中海周辺のクラブが参加)は一度足を踏み込むとなかなか抜け出せないブラックホールだ、とMD紙は表現しています。バルセロナBはそこで見事カンペオンとなり、グループ王者同士のプレーオフに進出。勢いでそのまま昇格を決めると期待されました。
しかし事はそう容易に運ばない。バルサBはここでクルトゥラル・レオネサに敗れ、通常プレーオフに回ることになります。これはチームにとって精神的なダメージとなったでしょうし、短期間で士気を取り戻すのは簡単ではなかったと想像します。続くカルタヘナとの対決は辛うじて突破。そして臨んだエル・サルディネロでの最終ラウンド第一戦に1-4で先勝し、このミニエスタディでの歓喜へとつながるわけです。上って、一度落ちて、再び上っての目標達成でした。
好循環の始まりとなれ
こういった経験で選手たち、それにテクニコたちは確実に逞しさと成熟度を増したでしょう。日曜日のラシン・サンタンデール戦でも、それは見て取れました。4点取られなければ良いという安心感はあったにせよ、ラシンに選択肢を与えることなくバルサBはプランを遂行しています。
今のチームにはフベニールから複数名、楽しみな若者たちが加わっていて(19~20歳の1997年世代)、今後が期待できます。猛者たちの集うセグンダ・ディビシオンで経験を積むことによって彼らはさらに大きく成長し、再びトップチームに戦力を供給する部隊となっていくことでしょう。その下のカデテにも有望な少年たちが複数います。
それら世代の少年たちにとっても、バルサに残れればセグンダ・ディビシオンを経験できるという目標になるのは大きいです。そう夢物語のようにはいかないにせよ、この昇格は好循環の始まりとなり得る。数年後のバルサがカンテラのチームに戻っていると期待しようではないですか。バルベルデさんも結果を要求されて大変だとは思いますが、是非カンテラーノにチャンスを!お願いします!
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