バルサ哲学が英国のフィジカルフットボールを制した
やりました、FCバルセロナのフベニールA(U19)が欧州王者に輝きました!チェルシーとのUEFAユースリーグ決勝を、0-3で制してのタイトル獲得。内容でも文句のない勝ちっぷりで、フィジカルで勝る相手にフットボールのレクチャーをしたこと、改めてラ・マシアの価値を示したことにバルセロニスタの喜びもひとしおです。
チェルシーに完勝
明らかに身体の分厚さが異なる、強靱なフィジカルを備えたチェルシーを相手に細身が多いバルサが勝てるのか。正直そんな不安もありましたが、ボールが芝生を転がり始めると、不安は徐々に消えていきました。
当たりで負けるのならばボールを支配すれば良い、とのコンセプトのもと、ハビエル・ガルシア・ピミエンタが指揮するバルサ・フベニールAはチェルシーを圧倒。前半のシュート数が、バルサの「11」に対してチェルシーが「0」であることからその優位性は分かるでしょう。
33分の先制点は、完璧な崩しからです。
左サイドの攻防。最終ラインからの縦パスをセンターライン付近のアベル・ルイスが相手を背負いながら受け、前を向いて進むとともに左のリキ・プッチに一度渡してさらに前へ。リキがワンタッチでスペースへ蹴り出した時にはもうアベルはマークを振り切っていて、エリア内へ切れ込んでのクロスをファーポストに飛び込んだマルケス(17)が頭で押し込んでいます。
このフベニールAの売りは全体のハードワークですが、先制後もギアを緩めることなくプレッシングでチェルシーを窒息させて。52分の追加点は、エリア際のマルケスが相手の不用意なパスを奪って仕留めたものでした。
0-2とした後はチェルシーの反撃で苦しい時間帯もありましたが(ピンチも何度か)、耐えたピミエンタの教え子たち。そして後半追加タイム、アベル・ルイスがダメ押しの3点目を決めて優勝へと花を添えています。
👏👏👏 Thank you la Masia!
👏👏👏 Gràcies, Masia!
👏👏👏 ¡Gracias, Masía!#FCBMasia #JuvenilA #SomCampionsUYL #ForçaBarça🔵🔴 pic.twitter.com/9zQuT9AEM7— FC Barcelona – Masia (@FCBmasia) April 23, 2018
バルサのDNA
FCバルセロナのUEFAユースリーグ優勝は、これが二度目となります。
前回は2013/14シーズンで、大会得点王となり最優秀選手にも選ばれたエース、ムニール・エルハッダディの活躍が光っての優勝。今回はカルレス・ペレスが7得点でランキング2位となってますが、それよりも10試合で9勝1分、得点23・失点5の安定感が光っていました。
マンチェスター・シティとの準決勝では後半ドタバタし、4-5なる試合をしてしまったものの、プレミア勢との連戦になった決勝(対チェルシー)では『タレントがフィジカルを上回ることができる』ことをプレーで実証。これは痛快でした。
やはりバルサはこの路線、このスタイルに挑戦し続けてほしいですし、それをやってこそのバルサでしょう。ニヨン(スイス)の Colovray スタジアムにはクラブの首脳陣が軒並み顔を揃えていました。
オスカルグラウ(CEO)、シルビオ・エリアス(理事)、ペップ・セグラ(GM)、ロベルト・フェルナンデス(強化技術部長)、ホセ・マリ・バケロ、ギジェルモ・アモール(育成部門責任者)、アリエド・ブライダ(顧問)、ペップ・ボアダ(スカウト)、ペレ・グラタコスなどなど。
そしてジュゼップ・マリア・バルトメウ会長はフベニールの優勝を「バルサのアカデミーは国際的な見本であり続けている。これが私たちのアイデンティティの一部となっているフットボールの理解方法だ」とツイッターで祝辞。クラブ公式アカウントでは「ラ・マシア、バルサの未来」と胸を張っています。
⏰ FINAL DEL PARTIT!!!
👏👏👏 SOM CAMPIONS DE LA UEFA YOUTH LEAGUE!!!!
👏👏👏 ¡¡¡SOMOS CAMPEONES DE LA UEFA YOUTH LEAGUE!!!
👏👏👏 WE ARE THE CHAMPIONS OF THE UEFA YOUTH LEAGUE!!! pic.twitter.com/sSjT2Js9Yo
— FC Barcelona – Masia (@FCBmasia) April 23, 2018
実行あるのみ
未来がある、それは分かりました。
ならば、どこかの政治家のように口だけになることなく、カンテラがバルサの未来になるような施策を実行していってほしい。銀河系路線に走るのではなく、トップチームに上がる若者の数を1人ずつ増やしていってほしいです。
2014年に初代UEFAユースリーグ王者となった時の選手は誰ひとりとして、現トップチームにいないわけですからね・・・ (ムニールは復帰のアテのないレンタル、アダマは他クラブ行きを選択・・・)
右ラテラルのマテウ・モレイ(18)、
左ラテラルのファン・ミランダ(18)、
セントラルのホルヘ・クエンカ(18)、
中盤のアレックス・コジャド(19)、
メディアプンタのリキ・プッチ(18)、
エストレーモのカルラス・ペレス(20)、
デランテロのアベル・ルイス(18)
など将来が楽しみな選手はたくさんいるのです。
バルサBがわずか1年でセグンダBへと降格の危機につき、若手の育成はまた難しくなってしまいそうですが・・・ 他クラブと提携の道を探るなり、なんとか本当にラ・マシアがバルサの未来になるようにしてもらわないと困る。頑張っておくれよ、バルトメウさん。
このニュースのまとめ
- ・バルサのフベニールがUEFAユースリーグ優勝(2度目)
- ・決勝ではチェルシーに0-3の完勝
- ・「バルサの未来」とクラブが胸を張るラ・マシア
- ・それなら本当にそうなるように理事会が頑張れ
コメント
私はデウロフェウを復帰させるならアダマで良かったのではないかと今でも思っています。