選手本人からPSGに退団を求めたという情報がフランスから。
FCバルセロナがこの夏挑んでいる、マルコ・ベラッティ獲得作戦。相手クラブに全く放出の考えがないクラックの引き抜きは難易度が非常に高く、選手からの“協力”がないかぎりはまず成功はしません。しかし今回仏L’EQUIPE紙が報じたベラッティによる移籍志願が事実であれば、バルサにとっては目的達成への突破口となるかもしれない。とはいっても、超ムリめだった作戦がムリめに緩和された程度のことなので、バルセロナの前にはまだ様々な難題が待ち構えているのですけれど。そして高額選手のウワサが出る時の常として、高すぎて気持ちが弾まないファン心理もあります。
パリクラブに放出の考えはない
この手の主力引き抜き作戦は、逆の立場だとすれば堪ったものではない、ってこともありますが、マルコ・ベラッティの獲得情報にはあまり気持ちが高揚していません。バルサ愛を繰り返し表現するセリ(ニース)とは契約してほしく思うので、値段と熱意のバランスに満足がいかないのでしょう、きっと。精髄となる選手を外様に委ねる後ろめたさ。とはいえ、ミドルクラスを複数集めるのなら、真クラックを一人という意見も分かる。ベラッティ本人がバルサ移籍を志願したのであれば、今後は楽しみに思う感情が増えてくるかもしれません。
わたくしの個人的好みはさておき、多くのクレが獲得を希望しているセントロカンピスタがPSGに対してこの夏での退団希望を出した、と伝えたのはフランスの高名なるスポーツ紙L’EQUIPEです。
11日付の同紙によると、ベラッティは先週、PSGのスポーツディレクターに就任したアンテロ・エンリケとの面談を利用し、移籍を望む胸の内を明かしたのだとか。選手のこの動きに対し富豪オーナー(ナッセル・アルケライフィ氏)は動じることなく、年俸をアップした新契約を提示することで、ベラッティを引き留めようとしていると言われています。このカタール人会長がPSGからクラック獲得を目論む各クラブの最大の障壁です。
フォルメンテラ会談
PSGのアンテロ・エンリケSDと面談した際に移籍の意思表示をしたのであれば、ベラッティに現状でするべきことは特にありません。バケーションの地で、代理人や各クラブから届く新たな情報を待っていれば良い。イタリアーノが毎年夏に訪れているのは、地中海に浮かぶバレアレスの島々、イビサとその離島フォルメンテラです。
12日付のSPORTによると、フォルメンテラに滞在するベラッティにバルサが接触するのは今回が初めてではなく、昨夏はイタリア人クラブ顧問のアリエド・ブライダが彼と会っているそうです。ただ、PSGは昨年も門扉を固く閉ざしていましたし、選手側にも移籍を強行しようという様子はなかったですから、バルサは彼に固執せずに別のターゲットへ照準を移行。しかし今夏は選手側が本気モードで作戦を動かすようなので、バルサ幹部とのフォルメンテラ会談は、重要な意味を持つことになるでしょう。
スポーツ的な理由から移籍を希望する選手を翻意させることは困難ですが、所属先クラブが頑として放出を拒めば、話が前に進むことはありません。不満を抱えた選手を擁することに問題がなければ、オファーに扉を閉ざしておけばいい。ベラッティを巡るクレブロン(長丁場のテレビ小説、メロドラマ)の始まり、始まりです。
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