メトロポリターノで引き分けは悪くない
ワンダ・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリー戦で、バルサは2ポイントを取りこぼしたのか、1ポイントを手にしたのか。勝点3を得るチャンスも何度かあっただけに、それを活かせなかったのは残念でしたが、難しい展開の中でシメオネチームの守りをこじ開けたのは概ね評価できるでしょう。最良ではないにせよ、納得の結果です。
選手交代で流れを変える
前半のバルサは、ボールこそ支配していたものの縦への崩しはほとんどなく、得点機の匂いもしませんでした。可能性を感じられたのは、ハーフタイム前に見られたイニエスタの数本の縦パスくらい。あとはポスト直撃フリーキックを含むメッシの突破でしょうか。サウールのゴラッソで先制したアトレティコは、特に苦もなく水色アスルグラナの攻撃に対処していました。
しかしエルネスト・バルベルデは選手交代によって試合に変化をもたらします。61分、右のアウトサイドで上手くいっていなかったアンドレ・ゴメスを左に移し、右サイドをラテラルをセルジ・ロベルト、エストレーモをデウロフェウに変更。ルイス・スアレスが中央へ行き、さらにパウリーニョを送りこんだことが(78分)、貴重な同点ゴール(81分)へとつながったのでした。やはりスアレスは真ん中で使いたい。
不活発な前半が時々ある
これまでに何度も見られたように、チングリの後半の修正能力は見事なものです。チームに足りないものを見つけ出し、選手交代によって的確に機能するよう変えてみせる。しかし前半はもうひとつでした、という試合も何度かあったので、先発メンバー選びを成功させることがバルベルデの今後の課題のひとつでしょう。
今回のスタメンなら、偽エストレーモはアンドレ・ゴメスではなく代表招集のなかったセルジ・ロベルト、右インテリオールはエリア内での怖さを与えるパウリーニョが良かったように思えます。そうすれば、多用されていたけれど効果の薄かったエリアへのセンタリングがもっと活きていたかと。
とはいえ、代表戦で疲れが溜まっているパロン(リーガ中断)明けのアトレティコ戦、ワンダ・メトロポリターノで先制も許したことからすれば、同点で試合を終えたのは前向きな結果です。勝てるチャンスもあったけれど、追い付いての勝点1確保は感触として悪くない。こういう難試合に勝点の貯金を使えばいいわけですしね。
「勝利が相応しかった」
現場の選手たちはワンダでの引き分けは悪くないと認めつつも、決してこのエンパテ(引き分け)に満足はしていません。
「最後まで勝つチャンスはあった。ゴールチャンスを作ろうとし、良い試合をしたよ。勝点3を得られなかったのは残念だ」(イニエスタ)
「僕らにはもっと良い結果が相応しかったと思う。試合終盤は特に、相手よりずっと多く決定機を作っていたのだから、僕らは3ポイントを持ち帰るべきだった」(スアレス)
試合があと何分かあれば、バルサが逆転していたイメージは十分に湧きますし、最後まで2つめのゴールを目指してトライし続けた姿勢がクレとしましては嬉しい。結果もさることながら、その闘争心や誇りが今後のタイトル争いで効いてくることでしょう。バモス、バルベルデバルサ。
コメント
良くてドローだと思っていたので結果に驚きはなかったです。
チームとしては抜群の安定感ですが、やはりサイド攻撃はネイマールが居た頃より弱体化している印象は否めません。
デンベレが戻るまでデウロフェウがもっと活躍するか、アルナイスがデビューするか、解決策が気になります。