スピードを活かした守備にくわえ、攻撃でも躍動 セルジ・ロベルトからポジションを奪う勢い
チームが全体的にパフォーマンスを落とし、攻撃力が湿気っている最近のバルサにおいて、上々のフットボールを披露しているのが右ラテラルのネルソン・セメド(25)です。
入団1年目の昨季(2017/18)は独特なバルサのラテラルに苦労し、持ち味を出せていませんでしたが、2年目の今季はスタイルを習得。昨年末からはスピードを活かした守備のみならず、攻撃においても躍動しており、もう右ラテラルはセメドに任せて安心なレベルになっています。
今季ここまでのプレー時間は、28試合で2,042分。
負傷離脱のあったセルジ・ロベルトは26試合で1,972分ですから、もうすっかり先発組の一員です。
ポジショニングと正確性が向上
タフで決定的なアウェー4連戦(リヨン、セビージャ、マドリー×2)を目前にカンプノウで行われたバジャドリー戦のスタメンからネルソン・セメドが外れたのを見たとき、これは温存だと理解し、感慨深くなりました。
セメドもまた、バルサスタイルへの適応なる“通過儀式”に苦しんだ一人でした。
守るにも攻めるにも、どのあたりに位置を取って良いのかが分からない。背後にスペースを空けるのが怖く、攻撃参加もいつどのタイミングで出ればいいのか。バルサのラテラル、超ムズカシイという様子でした。
(最高の成功例、かつ比較対象がダニ・アルベスですし)
それが最近はポジショニングが改善。正確性も向上。
足技や積極性でも魅せるようになり、特にウスマン・デンベレが右エストレーモになった時のコンビネーションはクレの胸をときめかせるものがあります。そう、キミに期待していたのはそのダイナミズムなんだよと。状況によっては、もっと前にいてもいい。
元々、守備面ではスピードがある分、競争相手のセルジ・ロベルトよりも安心感があったので、攻撃でもインパクトを残せるようになると出番は増えます。
バルベルデの称賛「スピードがあり、無効化が難しい選手」
レアル・マドリーとのコパクラシコ@カンプノウにて先発し、上々のパフォーマンスを見せたセメドを、エルネスト・バルベルデは次のように称えました。
「私たちのクラブへとやってくる選手はみんな、チームのダイナミズムに入るのに苦労するんだ。時々、私たちはスペースのない状況でプレーをするし、選手はそのプレーを消化吸収しなければならない。ネルソンはスペースを必要とする選手で、苦労をしていた。しかし彼はおそろしくスピードがあり、無効化するのが難しいからね。私たちは彼に満足してるよ」
バルベルデはセメドとセルジ・ロベルトのどちらかを明確に先発組扱いせず、プランニングに合わせて使い分けています。来季以降もこの起用法が続くかどうかですが、セメドが右ラテラルの主となるかもしれません。
このポジションは他にもムッサ・ワゲ(やエメルソン)ら若手も控えている。セルジ・ロベルトにもプレー視野やフットボール知性という武器があるし、相手などに合わせて選べるのは強いです。
ネルソン・セメドが課題をクリアし、居場所を見付けたのは良いニュース。
家出息子のエクトル・ベジェリンは要らない、とセメド推しだった者として、“ネルシーニョ”が欧州を代表するラテラルになることを期待し応援します。
このニュースのまとめ
- ・右ラテラルの先発となりつつあるネルソン・セメド
- ・2年目の後半戦に入り、攻守ともに輝いている
- ・バルサスタイルを習得、さらなる飛躍を期待
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