ワンダでの決勝を目指す、シーズン随一の大勝負 カンプノウ要塞で先勝し、アンフィールドへ乗り込みたい
チャンピオンズ準決勝イダ(第1戦)でのカンプノウ訪問を前に、リバポー監督のユルゲン・クロップが言いました。「カンプノウはただのスタジアムだよ。あまりにデカイけれど、フットボールの聖堂(temple)じゃない」
これに対してバルセロニスタ界隈の感情は刺激され、様々な形で反応します。そのなかでもステキだと感じたのは、試合当日5月1日のSPORT紙の見出し「D10Sの聖堂へようこそ」。
クロップにとってはただのスタジアムでも、クレにとってのカンプノウはまさに、フットボールのD10S(神)レオ・メッシがおわす聖地ですから。
ラキティッチ「メッシが進む道を、僕らは続いていく」
そのメッシが夏のガンペル杯で「ステキなトロフィー」だと表現し、「カンプノウへと戻ってくるように、僕らは全力を尽くしていく」と宣言したことで、チャンピオンズはバルサの大目標となりました。
我らの偉大なるリーダーが目標だと示した道筋に、チームも理事会もファンも向かっていく。派閥を超えて一丸となり、達成に向かって突き進んでいる2018/19シーズンのバルサ号です。
リバポー戦前日会見にバルサ選手代表として登場したイバン・ラキティッチはこう言いました。
「僕らのカピタンが何かを言えば、残りの僕らは彼が見る道を続いていくさ」「メッシが前を進み、僕らは彼に続いていくんだ」
昨年のローマの悪夢や白いクラブの大会三連覇があり、チャンピオンズはクレの心のトゲとなっています。この一年はいわば、チャンピオンズを獲るための日々。メッシの言葉は、それを代表したものです。チャンピオンズ制覇が可能なチーム作り、チャンピオンズで勝つためのコンディション調整・・・そして戦うチームをバルセロニスタは応援する。
今宵、カンプノウは待ち焦がれたチャンピオンズ準決勝の夜を迎えます。
ただでさえ気合割増となる、欧州戦での今季最後のホームゲーム。競争相手リバポーに不足はないですし、クロップによってさらに誇りに着火されし10万クレで埋まったカンプノウのステキさを、ぜひ彼らに堪能していただきたいです。
下はクロップ発言を受けての、FCB公式ツイート。
「これがカンプノウ。私たちのホーム。私たちの聖堂。私たちの要塞」と誇り全開で燃えます。
Esto es el Camp Nou??
Nuestra casa. Nuestro templo. Nuestro fortin.???
?#BarcaLFC
???? #WeColorFootball pic.twitter.com/B1kfbSSBPG— FC Barcelona (@FCBarcelona_es) April 30, 2019
前日会見でのラキティッチは、こうも語っています。
「彼はカンプノウをその他ひとつのスタジアムだと言うことで選手たちのプレッシャーを取り除きたかったんだよ。僕は彼の意見を尊重する。でも僕から言えるのは、カンプノウでのプレーはなにか違っていて特別ってことだよ。聖堂と呼ぶか呼ばないかはどっちでもいい。いつもホームでプレーできればいいのにね」
コウチーニョに出番か
鉄板イレブンを酷使しすぎたことが、ローマでの悪夢につながった・・・ この教訓が活かされ、2019年5月1日をバルベルデチームは上々の状態で迎えました。リバポー戦を前に、負傷者リストに名前があるのは、ラフィーニャのみ。出場停止もなく、バルベルデは思うがままに先発イレブンを選ぶことができます。
足りないものを挙げるなら、4月13日に怪我から復帰したウスマン・デンベレが、まだトップフォームではないことくらいでしょうか。負傷前のようなキレがない。トリデンテの一角にはフォームで上回り、自信を取り戻したように見え、古巣対決となるフィリペ・コウチーニョが起用されそうに思います。
先週末、ラ・リーガ優勝が決まったレバンテ戦ではハーフタイム明けにレオ・メッシと交代でベンチに下がったコウチーニョですが、これはリバポー戦を意識した温存でしょう。
カンプノウとアンフィールドのどちらかで堅実にいくとすれば、イダのカンプノウだろうと予想します。
失点を許さず、堅実に勝つこと
2試合勝負のイダを本拠地でプレーする場合、重要なのは勝ちつつも相手にアウェイゴールを奪われないことです。先勝できたとしても、4-3とかだとキツい(ローマの悪夢も、アウェイゴールが敗因のひとつ)。それなら1-0のほうが希望を抱けます。
そのためには、右ラテラルにセルジ・ロベルトを、インテリオールにアルトゥールを、左エストレーモにコウチーニョを起用し、ポゼッションをするスタイルで試合を支配する。バルサですから、相手に隙あればどんどん突いていくのですが、打ち合いとすることは避けたいです。もし打ち合うなら、アンフィールドで。
ポイントは、ハイプレッシングからのカウンターが武器だというクロップリバポーに対して、いかに圧力をかいくぐりながらパスを組み立て、最終ライン裏のスペースを突いていけるかどうかです。
自陣での不用意なパスやエラーは手痛い結果になりかねず、ここは絶対に注意して最初の90分を戦わねばならない。それでも何度か訪れるであろうピンチは、聖テル・ステーゲンのパラドンに祈りをこめて・・・^^
ここから先は、楽しみたい
いずれにせよ、バルサが勝つことしか期待していないとはいえ、限られたチームしか出場できないチャンピオンズ準決勝の大一番を楽しみたいです。
ペップ・グアルディオラがバルサ監督時代に言っていた、“チームとしての義務はチャンピオンズで4強に入ることまでであり、そこから先はボーナスのようなものなので、ファンもチームも楽しんでほしい”との言葉。これは自分にとってひとつの指針となっています。
ラ・リーガを連覇し、コパ決勝とチャンピオンズ準決勝へと勝ち進んだ時点ですばらしいシーズンなのは間違いないです。スポーツなので勝つこともあるし、負けることもある。特にこれはチャンピオンズですから、トリプレーテはケーキを完成させる豪勢なイチゴのようなものです。
でもせっかくなので勝ったほうが断然楽しめますし、優勝とその他ではなにかと全然違うのも事実。
なによりも選手たちが熱望している優勝が現実となるように、クレとして全力で応援するのみです。D10Sの聖堂カンプノウの魔力に後押しされたメッシのバルサが、レッズを打ち破る様をみたい。
堪らない、この緊張感。フォルサ、バルサ!
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