コパ決勝@カンプノウ

でもバルサはアウェイチーム扱い。

あーでもない、こーでもないの議論の末、2015年のコパ・デル・レイ(国王杯)決勝の会場が正式決定しました。メスタージャになるのではないか、いやベニト・ビジャマリンか、と言われていた会場ですが、決まってみればFCバルセロナの本拠地カンプノウ。前もって有力候補地といわれていなかっただけに、少々意外な結論と言えます。本来であれば中立地が好いのでしょうが、カンプノウでの開催はファンとしては特に拒むものでもなく、晴れの舞台としてバルセロナの街が賑わうのも良いでしょう。選手たちはこの決定に概ね満足のようです。

利害がぶつかり合意に至れず…

5月30日に行われるコパ決勝戦の舞台決定作業は、例によって難航しました。マドリー市ラス・ロサスのスペインフットボル連盟(RFEF)本部にて行われた会議は、当事者たちの希望が食い違うことで、話し合いでは結論に至らず。結局投票で決着せざるを得ず、その結果、誰もが優先としていなかったカンプノウが会場に選出されるという奇妙な結末へと辿り着いています。熱烈な支持者は誰もいないけれど、利害関係によって最も無難な人物が代表になったという感じです。

まず最初、当事者(ファイナリスト)同士による話し合いが始まったのは16時だったそうです。FCバルセロナ代表としてここに出席したのは、外交部長のアルベルト・ソレール理事とハビエル・ボルダス理事。一方でアスレティック・ビルバオ側はジョス・ウッルティア会長とゼネラルディレクターのジョン・ベラサテギ氏が出席しました。あとはRFEF側の代表として、カナリア連盟会長であり決勝戦組織委員長のアントニオ・スアレス・サンタナ氏や、3名の連盟関係者さんが席についています。

この会議では全ての選択肢を分析し、話し合いによって最終候補を一つに絞ることを目標としていたようなのですが(SPORT)、なにぶん各自の希望が異なっているために合意形成は容易ではなく。バルサとビルバオが要望書を出していたサンチャゴ・ベルナベウの貸し出しをレアル・マドリーが拒否していなければ、ミーティングは30分あたりで終わったんじゃないかと思いますが、案の定断られたことで話はもつれました。ちなみに今回はトイレの改装工事だ、Bチームの昇格プレーオフをするだといった理由説明はなく、ただきっぱりと断られた模様です(開き直った)。

…2度の投票でカンプノウに決定

となると、残る候補はメスタージャかベニト・ビジャマリンか。普通にいけば2009年のようにメスタージャが選ばれそうなのですが、これにはアスレティック側が“バルサファンの移動の方がかなり容易”だとして反発。もう一つのビジャマリンも、“ファンが向かうにはあまりに遠すぎる”との理由でバルサ側が難色を示しました。そういう状況がしばらく続いたのでしょう。ではカンプノウ、あるいはサン・マメスでやるってのはどうですかな?との新たな選択肢が浮上。ならば、と両クラブが自らのスタジアムを主張し、これまた平行線を辿ったようです^^;

(敵地開催の代償に観客席の50%のチケットを分けてくれるなら、サン・マメスでも良いとバルサが提案したところ、アスレティックはそれを受け入れなかった様子)

そのやれやれな状況を打開するべく、決定はRFEFの理事会へと委ねられます。そしてプリメーラやセグンダのクラブ会長らで構成されたこの理事会(フロレンティノ・ペレスは出席せず)は、多数決による投票を実施。まず最初に決めたのはファイナリストたちの本拠地(カンプノウorサン・マメス)で行うべきか、あるいは中立地(メスタージャorビジャマリン)で行うべきか、でした。この投票は前者が27票、後者が17票(白票1)だったことで、バルセロナかビルバオで行うことが決定。さらに二回目の投票がビルバオ17票、バルセロナ26票となったことで(白票2)、カンプノウが会場に選ばれた次第です。この決着が20時ですから、最初の会議が始まってから6時間。ずいぶんかかりましたなぁ。

バルサのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長はもちろんカンプノウでの開催に1票。バルサとしましてはベルナベウが第一希望、メスタージャが第二希望、カンプノウは第三希望だった(SPORT)らしいのですが、サン・マメスとビジャマリンを避けられたことで満足しているとSPORT紙は説明しています。

いずれにせよカンプノウが舞台となったことで、両チームのファンには他会場での開催よりも多くのチケットが分配されます。分ける比率は両チームのサポーターに40%ずつ、連盟に20%となりますので、各クラブには39,518枚ずつの分配。アスレティックのソシオは約44,000人だそうですから、希望者はおそらく全員チケットを得られるでしょう。14万人のバルサソシオがさてどのくらいチケット希望を申し出るか、興味があります。

ピッチコンディションはバルサ有利

コパ決勝戦の舞台として、ルーチョチームが一番に望んでいたのはピッチコンディションの良さだそうです。その点においては、自分たちの望む状態に仕上げられるカンプノウが選ばれたのは朗報。管理会社のスタッフさんたちがこの晴れの舞台のために、最高の芝生を準備してくれることでしょう。逆に一番なってほしくなかったのは、コンディションが悪いとの報告が入っているベニト・ビジャマリンだったらしく。アスレティックがこのスタジアムを望んだというのもバルサ対策が含まれていたようですから、セルヒオ・ブスケツがラジオ番組で語った「僕にとってはカンプノウが最良の選択肢」というのも頷けます。尤も彼は、「収容人数が多い」ことをその理由としていますが。

座席は両サポーターに同じように分けられるため、応援面ではそう有利不利はないとして、もう一つのアドバンテージはバルサ選手たちが自宅から試合に向かえることです。ルイス・エンリケがいつものやり方でいくなら、選手たちはキックオフの数時間前まで自宅で家族とリラックスしていられる。地元ファンとしては、、、旅行の楽しみがなくなるのはマイナスでしょうか。外のファンとしてはバルセロナを満喫できるので嬉しいですけど。

実際、観光客による経済効果は大きいらしく、RFEF副会長でホテル業界の重鎮(のはず)ジョアン・ガスパール元バルサ会長は「マドリーでの開催を求めていたホテル経営者たちの事を思うと残念。こういうファイナルはバルセロナの街に2,000-3,000万ユーロをもたらすだろう。街とファンには良いことだよ」とコメント。「バスクの人たちはカタルーニャが彼らのカサであり、歓迎されることを知っているさ。それにバルサソシオには旅費が要らず、カンプノウは収容人数が多いのでたくさんのバスクの人たちが訪れられる。フットボルが勝利したんだ」と地元開催を歓迎しています。

また、ガスパールさんはスペイン国歌の際に指笛があれば試合を中止する可能性があると述べたLFP会長の発言に対し、「指笛も表現の自由だ。私はやらないが、9万人に望まないことを強制することはできない」との見解を示しました。

“マラカナッソ”

逆に、好くないことがあるとすれば、それはかの“マラカナッソ”となります。1950年のムンディアル優勝決定戦で、地元ブラジルがウルグアイに敗れたこと(マラカナンの悲劇)にちなみ、地元チームが決勝戦で悲しい結末に終わる事を指しますが、、、マドリーが創立100周年のベルナベウでのコパ決勝(2002)でデポルティーボに負けたり、去年もアトレティコに敗れたり、2011/12のチャンピオンズではバイエルンがチェルシーにやられたりと、しばしばそういうことが発生している。バルトメウ会長も以前「縁起が悪いので他が好い」と言ってまして、バルサがそういった前例を繰り返すことなく歓喜のファイナルと出来るかにも注目です。

バルサはビジター用ロッカールーム

ちなみに決勝戦の舞台はカンプノウに決定しましたが、この試合でルーチョチームが使用するのはビジター用のロッカールームです。その理由は、より創立年が古いクラブがホームチームになるというのが国王杯のしきたり(?)だから。バルサの1899年に対してアスレティック・クラブは1898年創立と1年先輩ですから、バルサは彼らと決勝戦をプレーする際は必ずビジターとなります。もしその通りになるなら、バルサ選手たちがカンプノウのビジター用更衣室を使うのは今回が初めての事です(他のクラブがバルサ選手用のロッカーを使ったことは何度かある)。

※SPORT紙はバルサがビジターながらもホームチーム用更衣室の使用を求めていくと報じる。

国王が初めて見るカンプノウでのバルサ

初めてといえば、スペイン国王さんがコパ決勝でカンプノウを訪れるのも初。1963年の決勝戦(バルセロナが3-1でサラゴサに勝利)はフランシスコ・フランコの独裁時代で、フランコ自らジョアン・セガーラ主将に優勝杯を手渡したそうです。どんな気分だったか。1970年の決勝戦(マドリー 3-1 バレンシア)もフランコ時代。カンプノウでは3度目となる2010年のコパ決勝(セビージャ 2-0 アトレティコ)はファン・カルロス1世が病み上がりだったため、フェリペ王太子(当時)がパルコを訪れています。なので新国王フェリペ6世は今回はコパ決勝に王として初めてカンプノウを訪れる人物となり、優勝チームにトロフィーを授与します(ファン・カルロス1世は1992年のバルセロナ五輪決勝でカンプノウに来ている)。

 

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