2位マドリーとの勝点差はなく、小さな失敗も致命傷になり得る
異例の状況に適応し、チーム資源や5人交代という追加ルールを活用した方が勝つ11試合
長かったパロン(リーガ中断)が、終わろうとしています。今季はもう難しいんじゃないかと思えたこともあったラ・リーガが、いよいよ今週再開される。バルサは13日のマジョルカ戦がどきどきの再開幕戦です。セティエンチームを待っているのは、マドリーとの優勝をかけた11試合の中距離勝負。ひとつの取りこぼしが命運を分ける戦いとなるでしょうし、キケはどのようにこのリーガを乗りきっていく計画なのか気になるところです。
「優勝したいなら、全勝しなければならない」
もしカンペオンになりたいのなら、全試合に勝たねばならないと私たちは考えている
先週土曜日にカンプノウにて行われたトレーニング後、バルサ公式メディアに対してそう語ったのは、マジョルカとのラ・リーガ再開戦をあと6日後に控えたキケ・セティエンです。
バルサはパロン前の選手権リーダーではありますが、ライバルであるレアル・マドリーとの差はわずか2ポイント。直接対決で負けているバルサ(1分1敗)は勝点で並ばれることも許されず、ひとつの取りこぼしが致命傷になりかねません。
どういう展開が待つのか、それを知るのはフットボールの神のみとはいえ、選手も含めて全勝の意気込みで臨むことが肝要です。
6週間の短期間に11試合が詰め込まれた、中距離走のようなスプリント力と持久力の両方が求められる“ミニリーガ”。誰も攻略法を知らない。セティエンはこうも述べています。
プレシーズンは普通、試合をしながら出場時間を割り振っていくものだけれど、今回はそういうわけにいかない。試合がどのようになるか、各選手の状況はどうか見ていくことになるだろう。それぞれで状況は異なるからね
ベストイレブン固定?
新型ウイルスの世界的流行によってリーグ戦が約3ヶ月間も中断されるなんてのは、今後は分かりませんが、ここまでは前代未聞の歴史的なレアケースです。
残されていた11試合を中断前とは全然違う状況で(無観客、夏、etc)、しかも1試合の交代人数が5人になるというルール変更も込みで戦っていかねばならない。おそらく8月にはチャンピオンズも控えているので、リーガで燃え尽きるわけにもいきません。
戦力を最大限に有効活用し、特異な状況に最も適応したチームが競争に勝利する11試合です。
この5人交代なる追加ルール。セティエンはどう使っていくんでしょうか。
「全勝が必要」というようにエラーの余裕がないレースなので、勝率が最も高いであろう鉄板ベストイレブンを出来るだけ多く起用したいだろうけれど、酷暑の夏場に6週間で11試合の鬼スケジュールなので時間調整は必須。
気になるのはその調整方法で、
①対戦相手によって先発イレブンを変えていくのか、あるいは
②大半を鉄板イレブンでいき、交代枠をフル活用するのか、です。
6月8日版SPORTは、②の鉄板イレブン固定・5人交代でいくと予想。ローテーションは少なくなるだろうと見ています。主力はなるべく固定して先発させ、疲れなどを見て途中交代で調整するわけです。
テル・ステーゲン、セメド(セルジ)、ピケ、ラングレ、ジョルディ・アルバ、ブスケツ、デ・ヨング、メッシ、グリーズマン、スアレス、それにインテリオールのあと1人(ビダル?)ってとこでしょうか。
チームの基礎を確立させたいでしょうし、少なくとも序盤はそれでいきそうな気はします。
怖い怪我人、リーガだけの連戦 etc
怖いのはやはり怪我人。軽めの肉離れで2週間のKOでも、4-5試合を欠場することになってしまう。怪我人なしに乗りきれるはずもないのでピンチが訪れるのは確実でしょうし、どのチームもテクニコの応用力が試されます。
リーガだけの連戦というのも不気味。3日おきに次のリーグ戦がやってきて、それが休みなく11回も続くので、代表戦のためのパロンで一度呼吸を整えたり、怪我の回復を待つことができないんですよね。
そしてチャンピオンズで気持ちを切り替えたり盛り上げたりする機会もない。ただリーガリーガリーガ。もし悪い流れにハマれば、そのままズルズルと流されてしまう怖さがこの11試合にはあります。
キケ・セティエンにはさらにシーズン途中での監督就任のために戦術の熟成不足、しかもバルサのようなビッグクラブは初挑戦など難易度の高い課題が山積みですが・・・ どうにかこうにかでも難題を乗り越えられるよう応援ですね。
ジェットコースターのようなスリリングな6週間が始まる。7月下旬に、あー楽しかった、と言えてることを期待です。
コメント