ただ勝ち上がるだけでは不十分で、チーム周辺の士気を上げることが重要
そのためには立ち上がりから攻めの姿勢を示し、快勝する必要がある
レオ・メッシの活躍、カンテラーノの登場以外は塩っぱくなっているシーズンを、最後に盛り上げるためのチャンピオンズが近づいてきました。まず求められるのは、土曜日のナポリ戦に勝ち、リスボンでの“ファイナル8”へと駒を進めること。サン・パオロでのイダにて1-1を手にしているバルサですが、大事なのは攻めの姿勢であり(以下略)
前半で勝負を決める
敵地でのイダを1-1で終え、カサでのブエルタを迎える際にいつも言われるのが、「スコアを気にしすぎてはいけない」「引き分けでOKと考えると痛い目に遭う」です。
1つとはいえアウェイゴールを奪えているので、失点さえしなければ勝ち上がれる。相手は少なくとも1得点が必要なので、前に出てきたところを仕留めればよい。しかし「とりあえずは失点しないようにして様子を見ていこう」なんてことをしすぎると、バルサは高い代償を支払うことになります。そんな柄じゃないからです。
今回のSCナポリ戦、どうやらキケ・セティエンは攻め勝つつもりのようだと報じられています。「攻撃開始!」見出しを付けた8月6日版SPORTによると、バルサ監督はスコアを見ていこうとはしておらず、「キックオフ直後から噛みついていき」「前半のうちに勝負を決する」考えとのこと。
0-0でも十分!なんて湿気ったことを書いて新聞が売れるはずもなく、クレ読者を盛り上げるためによく使われる定型句ですが、もし幸先よく2得点くらい奪えれば、魂のガットゥーゾでも弱気が芽生えるかもしれません。なにより本当にクレが喜びます。
起爆剤としてのナポリ戦
このナポリ戦には、起爆剤としての役割もあります。
ラ・リーガが残念な結末になった後では、ただ勝ち上がるだけでは不十分。バルセロニズモ(やロッカールーム)に漂う不活性な空気を蹴散らし、こんな試合ができるのならばチャンピオンズ優勝は我らのものだと勘違い・・・ もとい確信させるくらいのフットボールが求められているのです。できれば。
近年のビッグマッチでは、蓋を開けてみればどこが総攻撃か、というような試合も多々あり、あまり信用できないのも事実ですが、ビジャレアル戦やアラベス戦のようにいければと期待します。
3バックは止めて4-3-3か
奇襲作戦も悪くない。しかしやはりここは正攻法というか、出来ることの水準を上げて相手を退けるしかバルセロナが栄冠に届く道はないでしょう。勝てば官軍フットボールで欧州制覇するようなチームではないからです。
セティエンがナポリ戦に3-5-2を企んでいるようだ、と8月3日のSPORTは大きく報じました。トレーニングで仕込もうと試みはしたそうです。しかしながら、これでいけば大丈夫だとの確信を得るには至らなかったらしく、アントワン・グリースマンが回復したことで伝統的な4-3-3に戻すことにしたと6日のSPORTは修正を伝えます。
セルヒオ・ブスケツとアルトゥーロ・ビダルが出場停止で使えず、アルトゥールがブラジルから帰ってこない中で、イバン・ラキティッチ、リキ・プッチ、フレンキー・デ・ヨング、セルジ・ロベルトの4人から誰を選んで中盤を構成するかに注目が集まります(前線と最終ラインは鉄板メンバーと予想)。
かつて御大ヨハン・クルイフは、暗黒時代のバルサに関し、狙うべきは9試合でタイトルに届くコパだ、と語っていました。たぶん。
その理論で行くと、今年のチャンピオンズは特別仕様で、あとわずか4勝で優勝が出来てしまう。それならアトレティコなんかはあと3勝で済むし、トーナメントの山もバルサ側よりずっと緩やかなんですが、都合良く捉えましょう。一発勝負はジャイアントキリングの好機です(苦笑)。
いずれにせよ、まずはナポリに勝たなければ話は先に進まない。13年連続となるチャンピオンズ1/4 final 進出を達成し、念願の欧州制覇まであと3勝とするために、すかっとした試合を希望!
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