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バルトメウは粘る「辞任を考えたことは一度もない」:しかしその時は迫る

不信任投票を実施するべく努めてきた、との主張を繰り返すバルサ会長
クラブ規約に従う投票招集も行わず、辞任もせずに州政府の回答を待つ

「辞任する理由はない。クラブのための重要な決断を数多く下さねばならない時に、辞任するのは無責任だからね」。無類の図太さを誇るFCバルセロナ会長ジュゼップ・マリア・バルトメウが昨日、改めて自ら退陣する考えのないことを強調しています。決着は不信任投票。しかしCOVID-19を理由に自ら投票を招集せずにボールは州政府に投げる。やりそうだとは思っていましたが、本当にしましたね。

混乱を助長するバルトメウ

不信任動議2020を巡る混乱が続いています。理由はもちろん、会長の振る舞いです。

ジュゼップ・マリア・バルトメウが率いる理事会に対して、怒れるソシオ&ソシアから20,687枚に及ぶ署名が集められたのは紛れもない事実であり、そのうち18,090枚の有効性が承認されたのも事実です。これらの事実からは、いかに図太いバルトメウであろうと逃げようもない。クラブ規約に従って不信任投票を招集しようとの素振りは見せているのですが、、、
投票を先延ばししようとし、混乱を助長したのがバルト一味です。

パンデミック下の現状では“投票を行うなら分散実施をするべきで、1個所で行うならカタルーニャ州政府(ジャナラリター)がその責任を負え”との理屈から、ボールを当局に投げ、待ちを決め込む。
署名の何枚かに偽造の疑いがあると治安警察に訴えたり、とにかく潔くありません。

州政府に責任を転嫁したことで、クラブ規約も堂々と破っています
規約が定めるところのソシオ投票実施期限は、“署名の最終確認が終わり、不信任投票委員会から理事会に対して投票の招集要請がなされてから10~20平日中”と定めてあり、それが11月1日だった。
かつ投票は実施日の5日前までに招集するべしとも定めてあるので、昨日までに「投票招集」か「辞任」かを決断せねばならなかったのですが・・・ 州政府のお墨付きがないことを理由に、どちらもせずに済ませました

11月1日・2日の投票実施は不可能と主張

SPORTが昨日26日にスクープとして報じたところによりますと、ジュゼップ・マリア・バルトメウは日曜日(25日)、カタルーニャ州首相代行ペラ・アラゴネスに対してある文書を送っています。11月1日・2日の不信任投票実施を認可した決断を再考してほしいという文書です。

曰く、
●自分たちは投票を複数個所での分散実施するべく努力したが、11月1日では時間が足りない
●バルサソシオの平均年齢は58歳であり、4万人以上が60歳以上。感染拡大が不安である
●州スポーツ局長ジェラール・フィゲラス氏が「予定された日に不信任投票を実施することを妨げるものは、法的にも保健的にも今のカタルーニャに存在しない」としたのは驚きである
●非常警戒体制と不信任投票の実施は相容れない

コロナウイルス感染拡大に伴いスペイン政府が非常警戒体制(夜間外出禁止令)を再宣言し、カタルーニャの住民は家から出るなと脅しをかけているのに、多数の高齢者が集まる投票はOKとするのは筋が通らないだろう、との理論。

自分たちは是非ともやりたいんだけれども、政府の判断が遅いし曖昧だしで実施できない、みたいなのがシャクに障ります。さっさと総辞任すれば投票でソシオを危険にさらさずとも済むでしょうが。

アラゴネス首相代行は上記のバルトメウからの要望をカタルーニャ州市民保護局(PROCICAT)へと投げています。よって今は、州市民保護局の回答待ち。

複数会場での投票には時間が必要というが

バルトメウが主張しているのは、不信任投票の複数会場での実施です。
カタルーニャ各地に13個所、その他スペイン各地に8個所(各フットボール連盟の事務所を使う)。そのためには少なくとも15日間の準備期間が必要で、準備はカタルーニャ州政府の承認があってから進めていく。

いやいやいや、10月9日の時点で不信任投票の実施条件はクリアされていたのですから、それから粛々と準備を進めておけば、11月1日の分散実施は十分に可能だったのではないか。本当に、今になるまで州政府のファイナルアンサーを待たねば準備を進められなかったのか。
下記に会見コメントを挙げていますが、15日間が必要なのは「ロジスティックス」のためですからね・・・

もし州政府がバルトメウの要求を退け、11月1日・2日に不信任投票を行うべしとの判断を示せば、投票はカンプノウ1個所で実施されることになる。
その場合はバルトメウは再び理事会メンバーを呼び集め、新たな決断を下すことになります。つまり、辞任をするのか、不信任投票にて解任されるのかの決断です。

州政府の回答を受け、次の決定を下す

ジュゼップ・マリア・バルトメウは昨日、理事会一味との会議後、テレ記者会見によって不信任投票に関する自分たちの見解を説明しています。
要点をまとめると、自分たちは不信任投票のより安全な実施のために懸命に取り組んできた、そして辞任する考えは毛頭ない、です。

私たちはいつも、ロジスティックスの点から複数会場での投票には15日間が必要だと言ってきました。驚きなのは州政府が先週木曜の午後に11月1日・2日に投票をするよう確認したのでは、時間が足りないことです。なので私たちは同日、別の日を要求しました。それが11月15日・16日です。今では準備時間がないため、カンプノウを唯一の会場とすることしかできません

「私たちは不信任に署名をした2万人のソシオを最大限リスペクトしています。投票を停止させようと試みたものは誰ひとりいなかったのです」

「辞任?もし州政府からカンプノウを唯一の投票会場とするよう返答があれば、そうなるでしょう。州政府からの返答が来た時、理事会は再び集まり、話し合いをすることになります

私が辞任を考えたことは一度もありません。バルセロナにとって、クラブやチームにとって、ここで退陣するのは最良の選択肢ではないのです」

「より多くのソシオが参加し、かつパンデミックによって移動が難しい状況のために、投票は複数会場で行いたい。私たちは最初からそう提案していました。しかし同時に、そのためには15日間が必要だとも初めから言っていたのです」

「署名の確認作業は10月9日に終了し、クラブは(投票を要請する)書類を受け取りました。そして11月1日・2日に投票を実施するために、プロトコルの中で取り組んできたのです。クラブは常に十分な時間をもって、異なる会場での投票を推進するために働いてきました」

「もし不信任投票が理事会を支持すれば、会長選挙はすでに知られているように2021年3月に行われます。今、いくつもの重要な決定を運営委員会の手に委ねるのはダメでしょう。戦争の後で、クラブの最も入り組んだ時なのです」

バルトメウは“メッシケース”についても語っています。「私はレオ・メッシを理解していますし、共感することが重要です。レオや、チーム全体の件では、別の結果を望んでいたので私たちは腹を立てていました。怒るのは良いことです。何故ならば野心や意欲があるということですから。彼が一方的にクラブを去るための条項は、6月10日が期日だった。メッシはFCバルセロナの選手であり続けていますし、私は彼が何年間も残り、カンプノウで引退することを期待しています
「会計を救うために彼の退団を強制したと非難されましたが、そのような意図は決してありません」

なんのために粘るのか

バルトメウの粘り強さはかなりものです。いや、粘り強さではなく往生際の悪さと言うべきか。
バイエルン戦の2-8と、その後のメッシケースによって、バルトメウ理事会に対するバルセロニスタの怒りはもう抑えようのないところまできています。不信任投票を求めるソシオ署名が、このパンデミック状況にもかかわらず2万枚も集まったのはそれを示している。
2-8後に危機的状況なのはスポーツ面だけであり、構造的にも経済的にも問題はないとうそぶいたことや、メッシを苦しめていたことが明るみに出たことで、バルト一味への怒りは沸点を超えました。

しかしバルトメウは頑なに辞任を拒み、不信任動議を受けて危機的状況になりながらも、グアルディア・シビル(治安警察)を使って投票を阻止しようとし、今回はコロナウイルスを理由にカタルーニャ州市民保護局(PROCICAT)へと投票の可否決断を委ねることで延命を図っている。
今日明日にも州政府から望まぬ回答を受けるかもしれないのに、です。(※実際、これを書いている間に11月1日で可能との政府回答が来たとのニュースあり)

数日の延命がなんになるというのだろう?投票を11月15日まで先送りできれば、その間に次の一手が打てるから?選手たちとのサラリー調整交渉によって赤字をどうにか阻止し、規約が定める、過失による損失に対する賠償責任を回避したい?2週間にこだわっているところにカギがありそうです。
よって11月1日の不信任投票が避けられないとなれば、どのみち結果は同じなので、ソシオによって解任された初めての会長になるよりも辞任するほうを選ぶのでしょう。ソシオの健康が第一なので、やってみなければ分からない投票を断念する、とか言って。その時は着実に近づいています。

 

コメント

  1. 灰色のキツネ より:

    私は公式サイトの英語版で公式声明を読んだのですが、英語の読解力が落ちたかなと思ったほど何を言っているのかわからなかったです。。。
    こちらで解説していただいて半分ほど理解できました。
    解説ありがとうございます。

    会議後の、わかる範囲での英語版公式サイトでの声明(言い訳)
    パンデミックである状況を鑑みて、11月の1日、2日と日を分けて、カタルーニャ州で13箇所、アラゴンで1箇所、スペインの他の地域で7箇所の合計21箇所で分散して投票できるように準備して来た。

    (ここから意味不明)
    カタルーニャ州政府が横槍を入れてきた(?)など理由で1日2日にはできなさそう。さらに、スペイン中央政府の外出制限令により事態が複雑になった(これは言い訳くさい)。
    (ここからはわかりました)
    万全の準備ができなさそう(本文中のロジスティックはこう言う意味だと思います)なので、15日の延長を申し出ている。
    認められないと、1日2日にて、前例通りのカンプノウでの投票しか選択肢がなくなる。
    以上の理由から、州政府とアラゴン政府の決定を待っているところ。

    ほんと、のび太は無能だなと思っています。
    連絡を密にとれよと。
    メッシの契約を日付通りに遵守せよと主張していたのだから、自分も法令遵守しろよ。

    10月28日早朝に、のび太会長は辞めたそうですね。
    待ちに待った瞬間です。

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