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必勝のカディス戦:末期クーマンは言動によるサポートを求めるが

前日会見にて支援を求める声明文を読み、質疑応答せず引き上げたバルサ監督
カディス戦に勝つことでのみ、道は拓かれる

クーマンバルサが試練の時を迎えています。ピッチ内では結果が悪いうえに内容も塩っぱく、ピッチ外では監督と会長が緊張関係にあって騒々しい。今夜のカディス戦は勝つのが最低条件、その上で多少なりとも希望を感じられるようなフットボールを示せるかどうかも重要となります。崖の上のクマに明日はあるのか。勝負のアンダルシア遠征です。

クーマンの声明文

ロナルド・クーマンがいよいよ本領を発揮、、かどうかは知りませんが、低気圧の中心となって存在感を出しています。カディス戦の前日会見もなかなかで、クマさんのバルサ監督時代を語る際には、欠かせないエピソードとなるでしょう・・・

解任目前か、とのメディア報道を受け、記者たちを前に何を語るだろうかと注目を集めたカディス戦の前日会見。
ここでオランダ人監督が取った行動は、声明文の読み上げでした。そして記者団との質疑応答は行わずに、その場を後にした。これは予想外だっただけに会見室は呆気に取られたようです。

予定どおり13時ちょうどに会見室に登場したクーマンはレアな黒縁めがね姿を披露すると、どこか神経質な様子で用意した声明文を読み上げました。

その中でクーマンが求めたのものは、チーム再建期における忍耐と、言動によるサポートです。

「皆さん、こんにちは。クラブは監督の私と共に、再建状況にあります。クラブの財政状況はスポーツ活動と結び付いており、その逆も然りです。それはつまり、私たちは大きな投資なくフットボールチームを再建しなければならないということであります」

「それには時間が必要です。今日の若き才能は2年のうちに新たな世界的なスターになれる。チーム再建の良い点は、若者たちが出場機会を手に出来るであろうことです。当時のチャビイニエスタがそうだったようにです。しかしそれには忍耐が求められます

ラ・リーガの上位に入ることが成功となるでしょう。欧州のフットボールは偉大な才能たちにとって良い学校であり、チャンピオンズでは、奇跡は期待できないのです。先週のバイエルン戦の敗北は、その視野から考察しなければなりません」

「私たちのいるこの過程では、行動と言葉によって、スカッドが無条件に支援されている必要があります。記者団がこの過程を認識していることを私は知っています。このような過程はFCバルセロナの歴史において初めての出来事ではなく、この難しい瞬間に、私たちにはあなたたちのサポートがある。スタッフや選手たちは、グラナダ戦で受けたファンのサポートに満足しています。ビスカ、バルサ」

会見室を去る監督と、後に訪れた沈黙。
この声明文はスカッドからのものなのか、それともクーマン自身のものなのか、との疑問に対しては、クラブ広報部長さんが「これは監督の声明であり、カピタンたちは少し前に知らされたところです」と回答しています。

このクーマン声明文を受け、カルラス・プジョルはSNSを通じ「彼らにとって簡単な瞬間ではないけど、唯一僕らが団結し、チームをサポートすることでのみ、前進を容易にするだろう。ビスカ、エル・バルサ」と発信。

理解はするが、勝つしかない

ウェンブリーの英雄に終幕の気配が漂っています。
逆風の中で孤立無援だと感じているクーマンはこの会見を利用し、独断の声明を発することによってファンの支持や忍耐、現実への認識を求めました。
その主張には、認めるべき点もある。メッシがいても3位だったチームに、多くは求められない。実際ラ・リーガでは4強に食い込めれば御の字でしょうし、チャンピオンズで勝つのは夢物語です。忍耐が必要なのも分かる。それは分かってます。でも監督がここでそれを言うか、と。

理事会からの支持が必要なのは理解します。会長と監督がぶつかり合ったところで得るものなんてないでしょうし、一度落ち着き、目の前の試合の一つ一つにクラブとしてまとまって挑んでいくのが吉です。プジョルの言うとおり、団結が必要。バルセロニズモが苦手とするものの一つだけれど。

結局のところファンがチームを支持するかどうかは、そのフットボールから今後への希望を見出せるか次第です。きらりと光るものを見せて勝ちつつ、試合毎に前進していることが示されれば応援したくなる。試合内容によっては、アラウホの劇的同点弾によるエンパテが与えた印象も違ったはずなんですよ。

持ち駒が少ない点は同情するので、あとはその持てる戦力で最大限を引き出せていると見せられれば、勝ち点を落としても批判は建設的になるでしょう。
まずはカディスにいい感じで(大雑把)勝つことです。
怪我人だらけの中で、適切な選手と配置を選べるかどうか。グラナダ同様に守りを固めるであろうカディスの壁をいかにして破るか、注目していきましょう。

カディス戦招集メンバー:テル・ステーゲン、デスト、ピケ、アラウホ、ブスケツ、リキ、メンフィス、デミル、ネト、コウチーニョ、ラングレ、ルーク、セルジ、フレンキー、ミンゲサ、ウンティティ、エリク、イニャキ、ニコ、ガビ

ラポルタ会長の反応

FCバルセロナ会長ジョアン・ラポルタは昨日、ペーニャ(公式ファンクラブ)の会合に出席するべく、チームよりも一足早くアンダルシアに入り、あちらでクーマンの声明を知らされています。
以下は、それを受けてのコメントです。

「つい先ほど、彼が声明文を出したことを知ったところだ。彼には記者会見に出席する義務があるけれど、そこで質問に答えるか、あるいは彼が考えるように意思表示をするのかは自由だからね。私は監督の決定を尊重する。私たちは少し前に知ったところなんだ。カピタンたちと同じようにね」

「私たちは難しい瞬間にあり、落ち着かなければならない。そしてカディスでの良い結果を待つんだ。こういった状況は、良い結果によって乗り越えられる。今週の私たちには、非常に重要な試合が待っている。前進を続け、戦い続けよう」

コメント

  1. サイ より:

    バルトメウ政権もラポルタ政権もなんか変わらない悪夢になりそうで怖いです。獲得希望選手も適材適所には程遠い首を傾げる選手が多くさらにラポルタが推してる監督最有力候補もバルサ哲学関係無くワクワクしません。はっきり確実に言える事はレアルのペレス会長は上記の二人の会長よりスポーツ面、商業面の全てにおいて優秀です。

  2. トム より:

    クーマンが記者会見の質疑を拒否した事は、まあ賢いと言えるでしょう。
    今何を言われても、クーマンに出来る事は一つだけ。
    下がる相手をクロス重視でルークに当てて崩し、それでもダメならピケをFWで使う事です。
    スタイルに対する批判はどう受け止めますか?と言われても、他にできる事はありません。
    クーマンが求める物はこのやり方へのサポートのみで、批判に対する答えは勝利のみです。

    なので試合はやはり4-3-3攻撃布陣でクロス重視になりそうです。
    さすがに前節の反省を踏まえて、今日はルークをトップにしてくるでしょう。
    問題は左SBです。メンバーを見ても、アルバもバルデもいません。
    ここにデストを起用はできますが、デストの突破力をクロスに結びつけるなら、利き足の右が使える右サイドに置きたい。
    そうすると左はどうなるかですが、もうセルジかウムティティくらいしかいない。
    しかもペドリがいないので、セルジを中央に残すべきか、いっそガビかプッチに頼るかと、選択肢は多い。
    デミルも微妙だったのでセルジを右WGで使う選択もあり、クロス重視にしても悩み所は多いでしょうね。
    まあ一番無難な感じに左デストで、右セルジ中央ガビか、右ミンゲサ中央セルジでしょうか。

    まあとにかく今は、勝ってほしいですね。

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