ラポルタ理事会がクラブの今後を左右するソシオ臨時総会を招集
提案が承認を受ければバルサは窮状から脱し、再建へと進んでいくとされる
きたる6月16日(水)、代表ソシオ臨時総会を招集する旨をラポルタ理事会が決定しました。そこで議題となるのは、クラブの財政・スポーツ状況の立て直しに必要とされる資金を得るための資産の一部売却・譲渡。そこでソシオの承認を受ければ、バルサは8億4,000万ユーロものお金を手にし、いよいよFFPの縛りから脱却することができるというのです。
再建への二つの“レバー”
カタルーニャ州北部、フランス国境に近い La Jonquera という人口3,000人強の町に、グラン・ジュンケラ・アウトレット&ショッピングセンターという大きな商業施設があります。
それがどうしたのかというと、そこが今回バルサ理事会定例会議の舞台となった。なんでも社会部門の副会長アントニオ・エスクデロがこのショッピングモールの所有者らしく、役員みんなで馳せ参じたのです。“身内”のためとはいえ、えらい遠くまで行きましたなぁ。
話し合われたのは、現在絶賛取り組み中のクラブ財政再建策と、その実行のために必要な手続きである代表ソシオ臨時総会(Asamblea Extraordinaria de Socios y Socias Compromisarios)の招集についてでした。
臨時総会は6月16日(水)18時30分からオンラインで開催されることに決定。ここで議題となるのは、以下の二つとされます。身動きの取れないバルサを救うための、二つの“経済的レバー”です。
● BLM(Barça Licensing & Merchandising):
BLMは2018年に当時のバルトメウ理事会によって創設された会社で、ユニフォームやグッズなどバルサライセンス商品の販売・管理などを手がける。COVID-19により売上大幅減。49.9%までの売却の承認をソシオに求め、2億〜3億ユーロの収入を目論む。米大手のFanatics社が有力とされる。
●テレビ放映権:
ラ・リーガのテレビ放映権収入を25%まで譲渡、もしくは放映権を元にした融資の承認をソシオに求める。5億4,000万ユーロの資金注入が想定される。結局CVCファンドを受け入れることになる模様で、うち2億7,000万ユーロがラ・リーガ経由での合意、さらに同額でゴールドマンサックス社とCVCによる投資と言われる。
2021年夏にはクラブの未来を危険に晒すことはできないとCVCとの合意を拒んだバルサでしたが、FFPで締め付けられ、頼みの綱として受け入れざるを得なくなった。すったもんだの末にテバスの軍門に下る感じですかね。権力を握っている側は強い。
ハビエル・テバスの余計なお世話発言「現時点ではバルサは(レバンドフスキを)獲得できない。何をしなければならないかを、バルサはすでに知っているさ」に対し、ラポルタは昨日、次のようにコメント。
「バルサがある選手を獲得できるかできないかといった発言を謹んでくれるように彼にはお願いしたい。明らかにFCバルセロナの利益を損なわせている」
欧州スーペルリーガへの参加はこれで消滅でしょう。メッシ退団にまつわる騒動は何だったのかという気もします。フェラン・レベルテルCEOの退任もきっと絡んでますし・・・まあその辺りは都市伝説の類ですが。
ちなみにラ・リーガ・CVCとの合意による収入では今夏のスカッド補強に使える額は決まっていて、4,050万ユーロとなります。
詳細は6月3日頃にソシオ諸氏に向けて説明される見込みです。
なお、クラブ財政を立て直すためのもう一つの“経済的レバー”である Barça Studios の49%売却に関しては、理事会はすでに前回の総会にて承認を得ています。次の二つのレバーも問題なく認められるでしょう。
そしてバルサは7億〜8億ユーロの資金を得ることとなり、クラブを縛っていたブロックがいよいよ解除されるわけです。やっと1/4ルールなどに制限されず補強活動ができるようになりそうなのは何より。遠い未来にどんな影響が待っているのかは、わかりません。
会議ではまた、フットボル部門セカンドチームの名称が「バルサ・アトレティク」に戻されることが可決されている。1970年代に使われていた名称で、2008年から2010年にかけてもこの名で呼ばれていた。
ジョアン・ラポルタは彼が信頼を置く人物たちで役員を固め、いわゆる家族経営的なメンバーにてFCバルセロナを窮地から救おうとしています。エドゥアルド・ロメウ経済担当副会長が、かつてのフェラン・ソリアーノのようなプロフェッショナルであることを願うけれども、真価はまだ分からない。プロっぽかったCEOレベルテルは、突然クラブを去りました(フロレンティノと近しくラポルタと意見相違があったとされるが、退職理由は今も不明)。
とりあえずの急場を凌ぐのは、クラブの資産を切り売りする手法によってです。会長選挙の際に語っていた、新たなる収入源の開拓はまだ道半ば。アスパイバルサ(Espai Barça)計画がその鍵を握るとして、実現は数年後の話となります。
年度が終わる6月末までの収支プラス化を目指し、“レバー”の稼働を急ぐラポルタ理事会です。
そして対岸でのレアル・マドリーの成功が、バルサの焦りを増幅させます。
フロレンティノ政権は安定し、大きな騒動も発生しない。補強の全てが成功しているわけではないですが、なんだかんだでラ・リーガとチャンピオンズの二冠達成ですし、騒動に明け暮れて泣けるシーズンを送った青えんじクラブとはだいぶ違うところにいますよね。。
ソシオによって選ばれた会長が運営するクラブである点は同じなのに、進んでいる状況は大きく違っているバルサとマドリー。あちらさんにはラポルタ派、クルイフ派、ルセイ派みたいな内部の争いはないんでしょうか。結局そういったゴタゴタがクラブ運営を複雑にし、弱くしているのです。
マドリーはCOVID-19による無観客試合を利用してベルナベウを新しくした一方、バルサは本体工事がまだ始まってもいない。。。バルトメウ理事会が無理な補強を重ねる一方、マドリーは理性的な動きに留めている。。
結果を出している方が良く見えるってのはあるでしょうが、バルサの状況が悲惨なだけによりいっそう彼らがマトモに見えます。
最近はいつも愚痴っぽい文章になってしまって申し訳ない。
“レバー”が稼働した後に予定されている補強にしてもあんまり夢が見られる顔ぶれではなく、どうかアンスとぺドリに怪我をしない身体が授けられますように・・・と願う今日この頃であります。
コメント
CVC融資やっぱり受けんのか~い…。ほんとにメッシとの別れをやり直したい…。別れるのは仕方ないが、別れ方というものはある…。