ペップ・シティを迎えての慈善試合にクレは何を見るのか･･･

師匠と弟子が、監督として初対戦
ウンスエの声かけで実現した、親善試合以上の試合

さて、マンチェスター・シティさんをカンプノウにお迎えしての慈善試合です。元バルサ選手で元テクニコのファン・カルロス・ウンスエが患っているALSに対する研究費を集めることを目的とした試合で、彼と縁の深い両クラブが協力する。レバンドフスキ対ハーラン、チャビ対ペップなどスポーツ的な見所も盛り沢山です。

難病ALSの研究費に

FCバルセロナではルイス・エンリケのチームで第2監督を務めたファン・カルロス・ウンスエが、治療法の見つかっていない難病ALS（筋萎縮性側索硬化症）に罹患したと公表したのは2020年6月のことでした。
それから2年余、彼はALS患者の代表となって精力的に様々なイベントに参加し、この病気のことを人々に知らせ寄付を募る活動を行ってきた。ちょっと不調があるだけで元気をなくしてしまう自分としては、ウンスエは本当にすごいと思います。感服。

ウンスエは言います。
「この試合に関する私の意図を彼らに伝えた時、すぐさまOKをもらえたんだ。ペップ、チキ、フェラン・ソリアーノ（シティ）やラポルタ、ラファ・ユステ（バルサ）からね。私たちのバルサに関して言えば、この試合は“クラブ以上の存在”であることの証明であるし、常日頃から誇りに感じているテーマの実現なんだ。今日は私たちバルセロニスタの連帯を世界へと示さないとね」

「身体面は日毎に制限されていってる。少しの距離を動くにも手助けが必要だ」「でも精神面では、記者会見の日よりも強くなっているね。自分が役に立っていると感じているからさ。大義の手助けをするのは恵まれたことであり、私にポジティブなエネルギーを生み出している」（SPORT）

今宵カンプノウで行われるバルサ対マンチェスター・シティの収益金（チケットや記念マフラーの売上金）はALSの研究などを行うLUZON基金に寄付されるとのことです。

クラブとしてなかなかに厳しい状況において、こういった試合を開催するあたりはバルサもなかなかのものだと誇らしくなります。シティのグアルディオラやチキ、ソリアーノも素敵なり。

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ファン･カルロス･ウンスエ、難病ALS罹患を公表

2020年6月18日の現地13時、カンプノウ敷地内にある多目的ホールといいますか、アウディトリ1899にて会見が開かれました。会見席に座ったのは、ルーチョチームでアシスタントを務めたファン･カルロス･ウンスエ。難病で知られるALS（筋萎縮性側索硬化症）を患っていることを発表するための会見でした。嗚呼なんという。

blau-grana.com

2020.06.19

師匠vs.弟子

ウンスエの人柄に両クラブの幹部たちが応じることで実現した、この豪華な慈善試合。スポーツ的にもたくさんの見所があります。
■ レバンドフスキとハーランの9番対決
■ チャビが熱望するベルナルド・シルバがカンプノウにやってくる
■ 親善試合なので、クンデが出場できますYO
■ クルイフを信奉するグアルディオラとチャビの“師弟対決”

この中でも注目はやはり、チャビバルサがペップシティにどんな試合が出来るか、でしょう。
これはチャビが監督としてペップに挑む初の機会となります。

魅惑の攻撃的フットボルによって世界にインパクトを起こしたヨハン・クルイフの下でプレーをし、多くを学んだグアルディオラと、その後監督となったペップのチームでティキタカの権化となって全てを手にしたチャビ・エルナンデス。バルサの超正統系譜ですよね。

だがしかし、残念なことに、チャビチームはクレが期待したようなフットボルをまだ見せてはいません。そして今後見せてくれるとの期待も怪しくなってきています。

今夏のマーケットで1億5,000万ユーロ以上を注ぎ込み、世界を驚かせる大型補強を敢行したバルサではありますが、ラヨ戦、レアル・ソシエダ戦で見られたのは組織ではなく個の力、局地的連携で試合を解決しようというチームの姿。
開幕して2試合が消化されただけとはいえ、ここから組織で崩して勝つバルサになっていく展開を信じられるかというと、どうも弱気になるんですよね。チャビにはテクラ（最適解）を見つけられないんじゃないか、との疑念。ペップやヨハン御大から多くを学んだ弟子であり、元世界最高のセントロカンピスタゆえ、信じたいんですが。。。熟成すればどうにかなっていくのか。熟成に必要な酵素を、切り札監督は持っているのか。

雰囲気は明るい

自分はジモティーたちのお喋りを理解するような耳を持たないので、テレビ番組での評価がどうなっているのかは分かりません。ただMDやSPORTを見るかぎりでは、アノエタでの1-4勝利はバルサ界隈に自信をもたらしています。

チャビの采配や補強要求ポイントは怪しいんでないの、との懐疑論はなく、彼は勇敢なる賭けに勝利したぁぁぁ！的な幸福感が随所に見られる。レバンドフスキとアンス・ファティの連携、ぺドリの魔法に酔い、未来は明るいと非常に前向きに捉えているメディアです。

今日のマンチェスター・シティ戦は、チャビバルサの長所短所をよく示してくれることでしょう。バルサフットボルの代名詞である（あった）三つのP、ポゼッション・プレッシング・ポジショナルプレーをペップチーム相手に見せることが出来るか。親善試合とはいえ、学べることはたくさんあります。ペップ師匠、よろしくお願いします。
そして適材適所のパズルに解が見出されていくきっかけとなれば。。