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サンペルへの期待

完全バルサカンテラ育ちのメディオセントロ。

7月16日にティトチームのプレシーズンが始まって以降、フィリアル(Bチーム)からは11人の若者たちが先輩とのトレーニングに参加しています。コンフェデ杯に参加した選手たちの合流が29日となるため、人数を埋め合わせるのが主な目的とはいえ、彼らにとってはこれがビラノバ監督へのアピールの場であるのは間違いなく。まずは土曜日の親善試合(inポーランド)で出番を得るべく、練習に励んでいるところです。この11人の中で特にクラブやファンの期待を集めているのが、セルジ・サンペルとドンゴウ・ツァファク。こちらでは、“ザ・4番”とされる前者を紹介していきます。

“4番”の系譜を継ぐ若者

FCバルセロナといえば選手育成、カンテラ、ラ・マシアが浮かびますが、少年時代からバルサの青えんじユニだけを着てトップチームに上がった選手はまだ存在していません。10代前半で加入したイニエスタのような選手たちも、それ以前に地元のクラブでプレーをしているからです。ペップ時代にはスクール育ちのマルティ・リベロラが惜しいところまで辿り着き、トップデビューは果たしたものの(2011年12月、チャンピオンズBATE戦)、2012年夏にボローニャへと移籍。正直、カンプノウで成功する匂いのなかった彼ですが、残念な退団だったのは事実です。

セルジ・サンペルそして今、その“バルサの夢”に少しずつ近付いているのがセルジ・サンペル(18歳、バルセロナ生まれ)であります。サンペルは数年前から育成関係者の期待を集めるキラキラ星の1人で、ポジションは守備的メディオセントロつまりピボーテ。広い視野と戦術眼、高いテクニックにより、かつてのペップを彷彿とさせるエレガントな4番です。MUNDO DEPORTIVO紙のある記者さんは、“ラ・マシアのピルロ”と称しています。アイドルはセルヒオ・ブスケツ。“16番”との年の差は7つにつき、順当にいけばサンペルが後継者となりましょうか。なんならチャビ無き後のインテリオールにブスケツ、ピボーテにサンペルでもいいんじゃない?と妄想するのも楽しいものです。

セルジ・サンペルは幼少の頃、テニスをプレーしていました。しかし祖父のジョルディさんがフットボル選手としての資質に気付き、FCBエスコラ(バルサスクール)へと入団手続き。するとすぐにその才能が認められ、バルサのベンハミンBへと加入しています。そこからは各カテゴリーでカピタンを務めながら、フベニールAで2年を過ごした後、今季いよいよバルサBへと昇格。エウセビオチームの主役の1人となることでしょう。

サンペルで思い出されるのは、2011年にアーセナルがカンテラーノ釣りによってジョン・トラルとエクトル・ベジェリンを連れて行った際に、彼はバルサでの成功を目指し英国オファーを断ったことです。もうそれだけでもクレの愛情10倍ですな。そして彼は今年の5月、クラブとの契約を2017年まで延長しています。

突然の入院、そして熱い夏

実はサンペルは昨シーズン、フベニールAでの最後の数試合を欠場しました。5月末の身体検査によって血液中のブドウ糖濃度が上昇していることが判り、さらなる精密検査のためにベイダブロン病院へと入院したからです。幸い、彼は4日後には退院の許可を得ましたが、幾つかの試合への出場を逃しています。

そしてこのシーズンオフ、サンペルはクラブ医療部の管理の下でプレー復帰のためのトレーニングを開始。トレーナーたちと共に、体重と筋力回復に取り組んできました。テニス選手の兄ジョルディがルーマニアの大会に出場するので、それに同伴した1週間以外は毎日シウター・エスポルティーバへと出勤。頑張りすぎのサンペルに対し、エウセビオは「もっとバケーションに行け」と言ったほどだそうです。けれども彼は自分の身体にキレを取り戻させたかった。身体もエネルギーを噴き出しているのでしょう。

昨シーズン、フィリアルとの合同練習の際にアレックス・ソングが負傷したことで、ティト・ビラノバはサンペルをそのポジションで使ったそうです。結果、若者は好プレーを見せて監督を満足させた。そういうことからも、彼はこのプレシーズンでも幾つかのチャンスを得るでしょう。良いアピールが出来れば、日常的にトップチームの練習に呼ばれるようになるかもしれません。ブスケツを間近で見ることも、サンペルをさらに成長させるでしょう。

今季、トップチームに昇格し、未来のクラック候補と言われているのがセルジ・ロベルト。Bチームへと昇格し、クラブ史上初となる“100%ラ・マシア産カンテラーノ”としての成功が期待されているのがセルジ・サンペル。この2人のセルジに要注目であります。

 

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